蛟竜
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蛟龍(こうりゅう、こうりょう、蛟竜)、すなわち蛟(コウ; jiāo)は、中国の竜の一種、あるいは、姿が変態する竜種の幼生(成長の過程の幼齢期・未成期)だとされる。『本草綱目』などでは鱗を有する竜類とされる。
注釈
- ^ さらには『本草綱目』による「蛟」の語釈や説明は『和漢三才図会』にも抜粋。
- ^ 参照:馬絆蛇
- ^ 積土の山を成さば風雨興り、積水の淵を成さば蛟龍生ず」。実際は博物学的な記述というより、<水が集まればやがて深淵ともなるように努力の積み重ねは大徳の習得につながる>という旨の修辞である[20]。
- ^ 両文章は淮南子は「蛟龍水居し、虎豹山處、天地性也」で[24]、管子が「蛟龍得水而神可立也、虎豹得幽而威可..」と文面は似ている。意訳:「蛟龍は水を得て、その神變を行ふべし、..虎豹は..岩窟を得て、其威力を行ふべし、.. 盛徳の人も崇高の地位を得ざれば、天下を畏服すること能はざるなり..」[26]
- ^ 「蛟龍得水蟲之神者也、乗於水則り神立、失水即神廢、人主天下之有威者、..」[27]。ここも主旨はやはり蛟龍も水を得ないと神威を発揮できない、君主もそう心得るべきということ[28]。
- ^ 『山海経』にもこれと近似した記述「池の魚が二千六百匹に満ちると蛟が来て主となる」があると『和漢三才図会』に書かれているが、不詳。
- ^ 『斉民要術』(6世紀成立)巻六に引用。
- ^ 魚数が異なり、魚三百六十匹を率いるのが蛟だと『養魚経』はしている。
- ^ 南方熊楠もこの『養魚経』の箇所が清代の『淵鑑類函』で引かれていることに言及している[33]。
- ^ 『本草綱目』にある裴淵(420年没)『廣州記』からの引用。引用文は、残りの全文を後掲する。
- ^ そして翼を有するものを応竜、角を有すものを虯龍、角の無いものを螭龍と云う、と続く。
- ^ 裴淵((317年-420年)。
- ^ 鈴木訳 1934、355頁は原文のまま「白嬰」とし注記されている。これは難語のようで“白い輪模様”であるとか[2]、“白い紐飾り(タッセル)”が下ある等[40]、さまざまに意訳される。
- ^ Luo訳 2003, p. 3508では"blue-green with dots"で「斑点」に近いが、Read訳 1935, p. 135では"numerous dark markings"で「斑(ぶち)」に近い。
- ^ Luo訳 2003, p. 3508では"brocade designs"; Read訳 1935, p. 135では"embroidered pattern"。
- ^ 囲(圍; 拼音: )は、周長を測る単位だが、親指と人差し指で円をつくる程、片腕を丸くした程などまちまちである[43]。
- ^ 残りは「能く魚を率いて飛ぶが、鱉(べつ、すっぽん)を得ることで免れる」と続くが、上で触れた。
- ^ または“甲状腺腫(ゴイター)”(英語: goiter、甲状腺の肥大による喉のこぶ)[46]。
- ^ 蜃は蛇状で大きく、竜のような角があり[1]、鬣(たてがみ)は紅く[1]、腰から下はすべて逆鱗となっており[1]、「
燕子 ()」(ツバメ)を食すとある。これが吐いた気は、楼のごとくして雨を生み「蜃楼」(すなわち蜃気楼)なのだという[53]。
出典
- ^ a b c d e f g h 李時珍 1596、『本草綱目』 "蛟龍"
- ^ a b c d e f g 『和漢三才図会』卷第四十五(竜蛇部 竜類.蛇類)。寺島 1983平凡社版第7巻、7頁。
- ^ Luo訳 2003, p. 3508: "eyebrows cross each other".
- ^ Read訳 1935, p. 135: "run together in a continuous growth"
- ^ 南方 1917; 南方 1973「十二支考・蛇」、286頁。
- ^ 毛利久『日本佛像史研究』法蔵館、1980年、96頁 。
- ^ 水野 2016、111頁および注10。実例などは。赤沼智善 編『印度仏教固有名詞辞典(増補訂正付)』、法蔵館、1967(復刊)、327頁に拠る。
- ^ a b "Kubira 宮毘羅(読み)クビラ". デジタル大辞泉. 小学館. 2019. コトバンクより2019年7月30日閲覧。
- ^ Parpola 2011, pp. 11–12.
- ^ 水野 2016、103-104頁。舩田 2011:125頁ほか類似の記述文献に拠る。
- ^ a b c d 張 2002, p. 180.
- ^ 王逸 (中国語), 楚辭章句/卷01, ウィキソースより閲覧。
- ^ a b 張 2002, p. 181.
- ^ Visser 1913, pp. 76–77: "the kiao-lung to bridge over the ford".
- ^ a b 中野 1983, p. 76: "「龍のなかま。魚が三千六百もひしめいていたところに蛟が来てボスとなり、魚をひきつれ飛んだりした」(説文解字)"
- ^ a b 南方 1917;南方 1973、287頁;(南方 1984)、159頁「十二支考・蛇」:"蛟、龍の属なり。[池]魚三千六百に満つれば、すなわち蛟これが長となり。"
- ^ a b c d e f g 李時珍 1596、『本草綱目』 "蛟龍" : "裴淵《廣州記》云︰蛟長丈餘,似蛇而四足,形廣如楯, 小頭細頸,頸有白嬰。胸前赭色, 背上靑斑, 脇邊若錦, 尾有肉環, 大者數圍, 其卵亦大, 能率魚飛, 得鱉可免"
- ^ 鈴木訳 1934.
- ^ 『本草綱目』「蛟龍」中、裴淵『廣州記』の引用[17]。後述。尤も『本草綱目』序に"鱗屬皆卵生,而蝮蛇胎産"とあって「鱗部」の生物はマムシを例外としてほぼ卵生であると書かれている[18]、340c頁 。
- ^ 『"積水 故事ことわざの辞典』小学館、1986年、721頁 。
- ^ 『淮南子』第二十 泰族訓:"蛟龍伏寝於淵而卵剖於陵"。漢籍国字解全書 1917b、341-342頁;小野 1925年訳、529頁。
- ^ 中野 1983, p. 76.
- ^ a b 『荒俣 1990世界大博物図鑑3』、1990年、308頁
- ^ a b c d 出石誠彦「龍の由來について」『支那神話伝説の研究』中央公論社館、1943年、92頁 。
- ^ 『淮南子』第一 原道訓。漢籍国字解全書 1917a、18頁。蛟龍は水居するのが天地のことわりであるという主旨。
- ^ a b “形勢 2”. 管子国字解 上巻 [Guangzi commentaries in Japanese Vol. 1]. 漢籍国字解全書 : 先哲遺著 18. 早稲田大学出版部. (1911). p. 43
- ^ a b “形勢解 64”. 管子国字解 下巻 [Guangzi commentaries in Japanese Vol. 2]. 漢籍国字解全書 : 先哲遺著 19. 早稲田大学出版部. (1911). p. 110-111
- ^ 久富木成大「城門の血-『管子』における頌水思想をめぐって」『金沢大学教養部論集. 人文科学篇』第29巻、第1号、105頁、1991年 。
- ^ a b 許慎, “13” (中国語), 説文解字 卷十三, ウィキソースより閲覧。.
- ^ 賈思勰 (中国語), 齊民要術 卷第六, ウィキソースより閲覧。
- ^ 白川静『白川静著作集 · 別巻: 説文新義, 第 7 巻』平凡社、1980年、55頁 。
- ^ 伝・范蠡(前5世紀没)著『養魚経』。『斉民要術』(6世紀成立)の陶朱公『養魚経』引用[30][31]。
- ^ 南方熊楠「鼈と雷」『南方随筆』岡書院、1926年、306頁 。
- ^ 『荒俣 1990世界大博物図鑑3』、1990年、127頁
- ^ 大林太良「入れ墨習俗の伝承」『日本人の原風景②蒼海訪海・うみ』旺文社(日高 2005, p. 199の引用)。
- ^ 佐々木高明『日本文化の多重構造: アジア的視野から日本文化を再考する』小学館、1997年、80頁。ISBN 4096261157 。
- ^ 日高旺『黒潮の文化誌』南方新社、2005年、197-199頁。ISBN 4861240328 。
- ^ 林曦中「<論文>龍舟競渡考 : 中・日民俗行事の比較研究」『比較民俗研究』第1号、筑波大学比較民俗研究会、23頁、1990年。hdl:2241/14186。ISSN 09157468。 NAID 110000531027 。
- ^ 鈴木訳 1934、355-356頁
- ^ Luo訳 2003, p. 3508; Read訳 1935, p. 135
- ^ Luo訳 2003, p. 3508では"chest is brown"。Read訳 1935, p. 135では"vermillion red"とあるがそれだと「辰砂」の顔料をさすわけで、原語の「赭」には「赤鉄鉱」の顔料(の色)という意味が含まれる。
- ^ Read訳 1935, p. 135では"tail is corrugated..".
- ^ Zhao, Lu (2019). In Pursuit of the Great Peace: Han Dynasty Classicism and the Making of Early Medieval Literati Culture. en:SUNY Press. p. 230 note 43. ISBN 1-43847-493-8
- ^ a b “卷05 吳任臣注 中山經” (中国語), 山海經廣注 (四庫全書本), (1782), ウィキソースより閲覧。
- ^ 松岡正子「城門の血-中国の土地陥没説話」『早稲田大学文学研究科紀要 別冊第8集』、117-126頁1981年 。
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- ^ 富永一登「魯迅輯「古小説鉤沈」校釈--租台之「志怪」」『広島大学文学部紀要』第53巻、156-157頁、1993年 。
- ^ Visser 1913, p. 79. "頸のまわりに白い首飾りを有す around its neck it has a white necklace"と英訳がされるが、“白い首飾り”状のものを身に着用しているという表現は『荒俣 1990世界大博物図鑑3』、1990年、159頁にもみられる。
- ^ 大形 1983, pp. 76–77.
- ^ 李慕如 (1998). 中國文學探微. 余崇生; 陳寶條; 黃瑞枝; 劉明宗; 鍾吉雄、鍾屏蘭. 台北市: 五南圖書出版公司. pp. 368. ISBN 9-57111-618-1
- ^ 原田種茂『文選: 文章篇』 82巻、明治書院、1994年、17頁。
- ^ 鈴木訳 1934、356-357頁
- ^ 『和漢三才図会』卷第四十五(竜蛇部 竜類.蛇類)。寺島 1983平凡社版第7巻、9頁。
- ^ 先坊幸子「中国古小説訳注 : 『續齊諧記』」『中国中世文学研究』第59号、広島大学文学部中国中世文学研究会、80-120頁、2011年9月20日 。
- ^ 屋代弘賢「巻第五十七 時令部」『古今要覽稿』 第一、国書刊行会、1905年、806-807頁 。
蛟龍(こうりゅう)
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「ゲゲゲの鬼太郎の登場キャラクター」の記事における「蛟龍(こうりゅう)」の解説
巨大な妖怪獣。一反木綿の説明では「70年(アニメ第6作では700年)生きた蛇が蜃気楼の中で産んだ卵が孵り、地下で数百年育った後に天に昇って蛟龍になる」という。本作では巨大な目と大きく裂けて鋭い歯が並ぶ口を持ち、全体の形は蛇や龍というよりデフォルメされた類人猿にも見える。目からは蜃気楼を起こす光線を出す(アニメ第3作ではジェット機を消滅させてしまう光線となっている)。『妖怪獣』にて刑部狸に操られて登場。アニメ第6作では、全体から強力な衝撃波を発し広範囲に渡り建造物を破壊し、自衛隊を返り討ちにしてしまった。口から火球を吐く。鬼太郎に倒された後、亡骸に残っていた妖気は名無しがまなに呪いをかけるための材料にされた。1985年の劇場版ではぬらりひょんの配下として登場。
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蛟龍(こうりゅう)
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「妖怪の飼育員さん」の記事における「蛟龍(こうりゅう)」の解説
中国に生息する龍の幼生。日本の「ミズチ」とは別物。龍なので多少神聖性を持つ。生まれたての時は人間の赤ん坊のような顔をしているが、成長するほどに顔つきが龍に近づき完全な飛行能力も習得する。物の持つ運動エネルギーを吸い取って成長し、エネルギーをゼロにされた物体は時間が停まったかのように静止してしまうが、熱という形でエネルギーを補う、つまり温めることで動き出す。また、エンジンなどのそれ自体が発熱する機械を完全に停止させるには時間がかかる。一度に吸えるのは1カ所からだけなので、効率を重視してエネルギーが大きなものを優先して狙う。
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蛟龍(こうりゅう)
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「セイテン大戦フリーダーバグ」の記事における「蛟龍(こうりゅう)」の解説
米国連合に追われている謎めいた青年軍人。バグをヤマト・セイクンのパイロットに登録し、ほかの8体のセイクンも手に入れ、地球その物を作りかえようと目論んでいた。だが護国寺大和がヤマト・セイクンのパイロットになったため、大和を従わせようとする。鞭を振るうと巨大ロボットをバラバラに切断する技量を持つ。
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蛟龍
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「ゲゲゲの鬼太郎 (1985年の映画)」の記事における「蛟龍」の解説
ぬらりひょんの部下。豪華客船へ向かう鬼太郎達を襲うも、ぬりかべに阻止された。その後、一反木綿に目を塞がれ、鬼太郎のオカリナで脳天を刺されそのまま豪華客船にぶつかり、船もろとも沈んだ。
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蛟竜
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