応竜とは? わかりやすく解説

応竜

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2026/03/05 04:28 UTC 版)

応竜
『山海経』より「応龍」
各種表記
繁体字: 應龍
簡体字: 应龙
拼音: Yìnglóng
日本語読み: おうりゅう
英文: Yinglong / Responsive Dragon
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応竜(おうりゅう)は、中国神話に現れる水神・神獣である。竜の一種とされ、四霊の一種とされる[1]。唯一の有翼中華竜である。4本足で蝙蝠ないし鷹のような翼があり、足には3本の指がある。

『述異記』には、「泥水で育った虺(き)は五百年にして蛟(雨竜)となり、蛟は千年にして竜(成竜)となり、竜は五百年にして角竜(かくりゅう)となり、角竜は千年にして応竜になる」とある[2]。応竜は竜種の進化の究極と見做され、黄竜と同一視される。『瑞応記』では、「黄竜は神霊の精・四竜の長」と記されている[3]。四竜とは蒼竜(青竜)、赤竜(紅竜)、白竜、黒竜のこと。

異説では、応竜は天馬(麒麟)を生み、飛竜は鳳凰を生むといわれている[4]。

伝承

『和漢三才図会』より「応龍」(龍の頭、魚の体、翼のある姿)

『山海経』では、伝説の王である黄帝に直属していた竜。天地を行き来することができる。また、水を蓄えて雨を降らせる能力があり、黄帝と蚩尤軍団(巨人の夸父と悪神の風伯・雨師)が争った時は、嵐を起こして黄帝の軍の応援をした[5]。しかし涿鹿の戦いで蚩尤と夸父を殺害するという殺生を行ったため邪気を帯び、神々の住む天界へ登ることができなくなり、以降は中国南方の地に棲んだという。このため、応竜のいる南方の地には雨が多いのに、それ以外の北方の地は旱魃(天女魃)に悩むようになったという[6]。下界が日照りに見舞われると、凶犂土丘(きょうりどきゅう)の人々は応竜の姿を模して土竜(どりゅう)を作り、南の最果てに住む応竜に祈ると、大雨を招く[7]。

『淮南子』によれば、太古の昔、応竜は雲に乗り飛び[8]、雷の車を牽引し、天空を修復した神・女媧を載せ、九重天の門に登り、天帝に謁見した[9]。

『楚辞』では、大洪水の時代に、応竜は夏王朝の開祖・禹の治水事業に助力した。応竜は尾で地面に絵を描き、河川の流路を創造し、排水を要する河川を海へと導いた[10]。この伝承における応竜は、黄竜あるいは神竜(しんりゅう)とも記される[11]。

『岳瀆経』には、淮河と渦河の水神・無支祁が暴れ回り、禹王と敵対した。応竜は無支祁を駆逐し、亀山の下に封印し、水害を平定した[12]。版本と異なる『古岳瀆経』での神将・庚辰(こうしん)と応竜が混同されている[13]。

『雲笈七籤』などの道教経典には、『山海経』の改編が存在する。応竜を逆に蚩尤の臣下と設定し、風伯・雨師と共に水攻めを発動させ、黄帝が召喚した天女魃と戦わせている。黄帝軍が勝利し、犂山之丘で蚩尤を殺し、応竜を南方の最果てへと駆逐した[14]。同位の替代として、文中の黄帝の乗騎は竜翼を持つ神獣・騰黄(とうこう)とされ、「天下を巡遊できる八翼の竜」と描かれている[15]。

脚注

  1. ^ 【天鳳堂資料室】瑞祥・瑞獣
  2. ^ 『述異記』「水虺五百年化為蛟、蛟千年化為竜、再五百年為角竜、千年為応竜」
  3. ^ 『瑞応図』「黄竜者、四竜之長、四方之正色神霊之精也」
  4. ^ 『淮南子』「応竜生建馬、建馬生麒麟、羽嘉生飛竜、飛竜生鳳凰」
  5. ^ 『山海経』大荒北経「蚩尤作兵伐黃帝、黃帝乃令応竜攻之冀州之野。応竜畜水、蚩尤請風伯雨師、縱大風雨」
  6. ^ 『山海経』大荒北経「応竜已殺蚩尤、又殺夸父、乃去南方処之、故南方多雨」
  7. ^ 『山海経』大荒北経「有山名曰凶犁土丘。応竜處南極。殺蚩尤與夸父、不得復上。故下數旱、旱而為応竜之狀、乃得大雨」郭璞注「今之土竜本此。気応自然冥感、非人所能為也」
  8. ^ 『淮南子』主術訓「夫螣蛇遊霧而動、応竜乘雲而舉」
  9. ^ 『淮南子』覽冥訓「往古之時、四極廢、九州裂、天不兼覆、地不周載、火爁炎而不滅、水浩洋而不息、猛獸食顓民、鷙鳥攫老弱。於是女媧煉五色石以補蒼天、斷鼇足以立四極、殺黑龍以濟冀州、積蘆灰以止淫水……乘雷車、服駕応竜、驂青虯、援絕瑞、席蘿圖、黃雲絡,前白螭、後奔蛇、浮游消搖、道鬼神、登九天、朝帝於靈門」
  10. ^ 『楚辞』天問「応竜何畫?河海何歷?」王逸注「或曰禹治洪水時、有神竜以尾畫地、導水徑所當決者、因而治之」
  11. ^ 『拾遺記』「禹尽力溝洫、導川夷岳、黄竜曳尾於前、玄龜負青泥於後」
  12. ^ 『山海經廣注』引『岳瀆經』「巫支祈爲孽。応竜駆之淮陽龜山足下、其後水平」
  13. ^ 『古岳瀆經』「庚辰以戰逐去。頸鎖大索、鼻穿金鈴、徙淮陰之龜山之足下」
  14. ^ 『雲笈七籤』軒轅本紀「蚩尤率魑魅魍魎、請風伯雨師、從天大風而來、命応竜蓄水以攻黃帝。黃帝請風伯雨師及天下女魃、以止雨於東荒之地、北隅諸山、黎土羌兵、駆応竜以處南極、殺蚩尤與誇父……殺蚩尤於黎山之丘、東荒之北隅也」
  15. ^ 『雲笈七籤』軒轅本紀「又有騰黃神獸、其色黃、狀如狐、背上有兩角、竜翼。 一本云竜翼而馬身、一名乘黃、一名飛黃、或曰古黃、又曰翠黃。出日本國、壽三千歲、日行萬里、乘此令人壽二千歲。 黃帝得而乘之、遂周旋六合、所謂乘八翼之竜游天下也」

関連項目


応竜

出典:『Wiktionary』 (2016/06/23 14:24 UTC 版)

名詞

応 竜 (おうりゅう、おうりょう)

  1. 水を蓄えて雨を降らすといわれる中国の伝説上の動物。鳳凰、霊亀、麒麟と共に四霊と総称されている。

類義語


応龍

出典:『Wiktionary』 (2016/06/23 14:24 UTC 版)

名詞

応 竜 (おうりゅう、おうりょう)

  1. 水を蓄えて雨を降らすといわれる中国の伝説上の動物。鳳凰、霊亀、麒麟と共に四霊と総称されている。

類義語




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