赤鉄鉱とは? わかりやすく解説

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せき‐てっこう〔‐テツクワウ〕【赤鉄鉱】

読み方:せきてっこう

鉄の酸化物からなる鉱物。結晶質のものは灰黒色、塊状で産出するものは赤色。三方晶系。最も重要な鉄の鉱石。ヘマタイト。


赤鉄鉱(Hematite)

赤鉄鉱 赤鉄鉱
岩手県北上市和賀町 和賀仙人鉱山
Fe2O3 画像の幅約1.3cm、標本の幅約2.7cm

和賀仙人鉱山産の水晶と赤鉄鉱の標本です。
写真では暗い鋼灰色に写っていますが、実物は鏡鉄鉱(Secularite)とも
呼ばれるように、鏡のように強い金属光沢を放っています。
(写真では白く飛んでしまうので、光輝を抑えて撮影しています)

赤鉄鉱(Hematite)

赤鉄鉱 赤鉄鉱
Payun volcano,Altiplano de Payun Matru,Mendoza,Argentina
Fe2O3 標本の幅約4.7cm

磁鉄鉱(Magnetite)の外観を残した仮晶の赤鉄鉱です。
大きな磁鉄鉱の結晶が赤鉄鉱に変化した面白い形状の標本です。

赤鉄鉱(Hematite)

赤鉄鉱
Rio Marina Mine,Elba Island,Italy
Fe2O3 画像の幅約1.8cm

リチア電気石の産地として有名なイタリア Elba島産の赤鉄鉱です。
分厚く立派な結晶が特徴的な標本です。

赤鉄鉱(Hematite)

赤鉄鉱
St.Gotthard,Switzerland
Fe2O3 画像の幅約3.1cm

鉄のバラ(Iron Rose)と呼ばれるスイス・アルプスの有名標本です。
赤鉄鉱の結晶が葉片状に集合して美しいバラのように見えます。

赤鉄鉱(Hematite)

赤鉄鉱
Cervandone,Italy
Fe2O3 画像の幅約2cm

鉄のバラ(Iron Rose)と呼ばれる赤鉄鉱の標本です。
白い母岩の上に野バラのような可憐な花が咲いています。

赤鉄鉱(Hematite)

赤鉄鉱
Lucendro,Tessin,Switzerland
Fe2O3 標本の幅約3.8cm

鉄のバラ(Iron Rose)と呼ばれる赤鉄鉱の標本です。
鉄のバラには花弁が厚いタイプと薄いタイプがありますが、この標本は薄い花弁
のタイプです。

赤鉄鉱(Moqui Marbles)

赤鉄鉱
Utah-Arizona,USA
Fe2O3 標本の幅約2.5cm

単なる鉄球のようですが、表面は赤鉄鉱で中心は砂岩で出来ています。
自然が作り出した面白い造形です。

赤鉄鉱(Hematite)

赤鉄鉱
Ibihara,Bhhia,Brazil
Fe2O3 標本の幅約6cm

中心部分が赤鉄鉱で、そこから放射状に金色のルチルが伸びています。

赤鉄鉱(Hematite)

赤鉄鉱
Taouz,Morocco
Fe2O3 標本の幅約3.7cm

腎鉄鉱とも呼ばれる腎臓状の外観をした赤鉄鉱です。

赤鉄鉱

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/08/12 07:07 UTC 版)

赤鉄鉱
分類 酸化鉱物
シュツルンツ分類 4.CB.05
Dana Classification 4.3.1.2
結晶系 三方晶系
へき開 なし
モース硬度 5 - 6.5
光沢 金属光沢
色 鉄黒色
条痕 赤褐色
比重 5.3
文献 [1][2][3]
プロジェクト:鉱物/Portal:地球科学
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赤鉄鉱(せきてっこう、英: hematite[4]、イギリス英語: haematite、ヘマタイト)は、酸化鉱物の一種。化学組成は Fe2O3(酸化鉄(III))、結晶系は三方晶系。赤鉄鉱グループの鉱物。

赤鉄鉱の形状はさまざまで、産状によって、鏡鉄鉱(きょうてっこう、英: specularite[5])、雲母鉄鉱(うんもてっこう、英: micaceous hematite[5])、腎臓状赤鉄鉱、血石、アイアンローズ(英: iron rose)、マータイト(英: martite)、レインボーヘマタイト、およびチタノヘマタイトと呼ばれるものがある。

産出地

赤鉄鉱は、地球上ではとてもありふれた鉱物で、特に上質の赤鉄鉱は、イングランド、メキシコ、ブラジル、オーストラリア、およびアメリカ合衆国とカナダのスペリオル湖で採取される。日本国内では岩手県北上市の和賀仙人鉱山が美晶を多く産出したことで有名である[6]。

性質・特徴

色は黒から銀灰色、茶色から赤茶色ないし赤色であるが、どれも条痕色は赤錆色である。

ときどき少量の二酸化チタンを含有する。

赤鉄鉱(α-ヘマタイト)はモーリン点(Morin transition, 250 ケルビン〈K〉)以下では反強磁性で、それより高温では反強磁性または弱強磁性に、さらにネール温度 (948 K) を超えると常磁性に変化する。

灰色の赤鉄鉱の層は、流れていない水があったかまたは鉱泉だった場所、例えばイエローストーンなどに多く見られる。この鉱物は水中で沈殿し、湖、鉱泉やその他の流れていない水の底に層をなして集積する。水がない場合でも、火山活動の結果として生成することもある。粘土レベルの大きさの赤鉄鉱の結晶は、土壌の風化作用によって形成される二次鉱物としても生じる。他の酸化鉄または針鉄鉱(FeO(OH))のような水酸化鉄と共に、熱帯、古代、または高度に風化した土壌が赤色を呈する原因になっている。

用途・加工法

主要な鉄鉱石として採掘されている。赤鉄鉱の色は顔料としてもよく用いられる。

美的価値の高い物は宝石となりえ、装飾品として加工されるときには、しばしばブラックダイヤモンドとも呼ばれる。

北海道の旧石器時代の2万年前の遺跡「柏台1遺跡」の調査から毛皮の着色料として赤鉄鉱が用いられたとみられ、褐鉄鉱を300 ℃程度の温度で焼いて赤鉄鉱にした可能性が指摘されており、赤鉄鉱を得るための一種の化学的技術が共用されていたと証拠とされる[7]。

磁気入り赤鉄鉱

「磁気入り赤鉄鉱」と呼ばれるものがある。赤鉄鉱は自然に産出されるが、磁気入り赤鉄鉱は「バリウムフェライト」という人工物。

サイド・ストーリー

英語の hematite という名は、ベンガラ(赤鉄鉱の粉末化したもの)のように、しばしば赤色であることから、ギリシア語の「血」に由来している[注 1]。

赤鉄鉱は、ローマ神話の戦いの神マルスの石といわれ、勝利に導くといわれている。「マルス」は火星をも意味している。

2004年に火星探査機オポチュニティが、部分的または大部分が赤鉄鉱でできていると思われる小さな球を発見した。この球は直径数ミリメートルで、火星がまだ水で覆われていた数十億年前に、水中で形成されたものだと考えられている。ローバーは、搭載した機器によって、火星のメリディアニ平原で見つかったその赤鉄鉱を分析した。

赤鉄鉱グループ

脚注

注釈

  1. ^ ヘモグロビンと同じ語源を持っている(ヘモグロビンは赤血球に含まれる酸素を運ぶ分子で、血液を赤く見せているのは鉄である)。

出典

  1. ^ 国立天文台編 編『理科年表 平成20年』丸善、2007年、639頁。ISBN 978-4-621-07902-7。 
  2. ^ Hematite (英語), MinDat.org, 2012年4月16日閲覧
  3. ^ Hematite (英語), WebMineral.com, 2012年4月16日閲覧
  4. ^ 文部省編『学術用語集 地学編』日本学術振興会、1984年、125頁。 ISBN 4-8181-8401-2。 
  5. ^ a b 日本地質学会編『地質学用語集 - 和英・英和』共立出版、2004年。 ISBN 4-320-04643-9。 
  6. ^ 蒲田理 (2025年). “和賀地方の熱水性鉱床概観”. 北上市立博物館研究報告 (北上市立博物館) (24): 11-13. 
  7. ^ 白石太一郎 編『倭国誕生』吉川弘文館〈日本の時代史 ; 1〉、2002年、121頁。 ISBN 4-642-00801-2。 
  8. ^ Mindat org, Tistarite

参考文献

関連項目

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