橘(たちばな)家の人々
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「カムカムエヴリバディ」の記事における「橘(たちばな)家の人々」の解説
橘金太(たちばな きんた) 演 - 甲本雅裕 安子編(岡山編)に登場。 「たちばな」の二代目で、算太と安子の父で稔の舅。るいの母方祖父。ひなたと桃太郎の曽祖父。店のあんこの味を大切に守っている。実直な性格。演芸好き。父・杵太郎には頭が上がらない。安子を自慢の娘として誇っているが一方で家業に興味を示さない息子・算太とは何度も衝突し、借金を抱えた算太を勘当後は彼の出征の見送りも拒むが、後に後悔を抱き続ける。 稔の人柄を認めつつ、戦時下の物資不足から安子を砂糖会社の次男と政略結婚させようと考えていたことや、家柄の違いから、安子と稔の結婚に難色を示していたが、最終的に2人の仲を認める(後に稔が出征した事ですぐに稔との結婚を認めてあげられなかったことを後悔して安子に謝罪している)。 岡山大空襲時に小しずとひさに防空壕を指定のうえ避難指示し自身は消火作業に向かうも、その防空壕が焼かれ2人が死去したことで心に深い傷を負う。以後、鬱状態となり寝込む日々を送るが、安子が作ったおはぎを口にし意欲を取り戻す。安子と共に焼失した「たちばな」の立て直しを目指した矢先、心臓の病で倒れ、算太の復員姿や一家団欒の幻を見ながらこの世を去る(この場面ではナレーションで翌朝に彼が亡くなっている知らせが入った事を明らかにしている)。 橘小しず(たちばな こしず) 演 - 西田尚美 安子編(岡山編)に登場。 算太と安子の母で稔の姑。るいの母方祖母。ひなたと桃太郎の曽祖母。いつも家族の幸せを願う優しい母親。実家は小豆農家で、金太とは見合い結婚である(ひさ曰く「美人で有名だった」)。夫とともに「たちばな」を切り盛りする。安子の結婚には、当初は2人が家柄の違いを乗り越えられるのかを心配していたが、稔の強い決意を聞いたことで応援する。 岡山大空襲時、姑のひさと共に避難した防空壕で死去。 橘算太(たちばな さんた) 演 - 濱田岳(幼少期:宇治本竜ノ助) 1920(大正9)年8月1日(日)生まれ。金太と小しずの長男で安子の兄。るいの伯父。ひなたと桃太郎の大伯父。 安子編(岡山編)に登場するが、サンタ黒須としてひなた編にも登場する。 トラブルメーカーで周囲との諍いが絶えない一方、安子に対しては面倒見が良く、妹思いの優しい一面を見せる。 1934年時点では「たちばな」で修行していたが興味の無さからサボりや悪事を繰り返し、何度も金太と衝突していた。映画館で『黄金狂時代』を鑑賞したことをきっかけにダンサーを志し、「ものにならなければすぐに帰ってくる」ことを条件に家を出て大阪に移る。その後はダンスホールで講師を務めるなどしていたが、1941年職場の閉鎖をきっかけに突如帰郷する。まもなく行方をくらました直後にこわもての田中が「たちばな」に借金の取り立てに来たことで、多額の借金を抱えていることが明るみになり金太から勘当される その後しばらく行方不明だったが、1943年に赤紙が届いたために一旦帰郷。しかし、金太が許さず家に入れてもらえぬまま出征する。1948年のクリスマスに復員し、安子の嫁ぎ先雉真家に居候し、兄妹で力を合わせ「たちばな」の再興を目指す。雉真家の女中雪衣に思いを寄せていたが、勇の部屋から寝巻姿で出てきた雪衣を見たことで、二人が男女の仲だと確信。自暴自棄になった末に、安子が「たちばな」再建のために稼いだ貯金を持ち逃げして蒸発するという裏切り行為を行い、再び消息不明となる。 それから12年後の1963年、「妖術七変化 隠れ里の決闘」を上映していた映画館で二代目剣之介(当時は団五郎)と偶然出くわしたことから交流が始まる。この時に団五郎には主役を演じてもらいたいのではという見解や、「あんこのおまじない」を話している。 更にそれから21年が経った1984年、ひなた編にて二代目桃山剣之介の旧友である老振付師「サンタ黒須」として再登場。「条映太秦映画村」のテレビCMの撮影にダメ出しして演出を指導。後日ひなたに「棗黍之丞 妖術七変化 隠れ里の決闘」のリバイバル上映のチケットを手渡す。 その時点でひなたが自分の姪孫であることは知らないが、彼女に安子の面影を感じている。「大月」の前まで立ち寄り、回転焼きを買おうとしたが、ひなたの母親が「るい」という名前であることがわかると、復員後に幼かったるいを膝の上に乗せたことを思い出し、るいの名前を呟いて再び姿を消す。 ひなたと出会ってから約10年が経った1993年のクリスマスイブの日、「大月」にるいを訪ねて再び現れ、るいとは42年ぶりの再会を果たす。実はこの時、彼の身体は重篤な病に侵されており、入院していた病院を抜け出して「大月」を来訪し、錠一郎の厚意に甘え一晩宿泊する。るいからは、42年前に突然姿を消した理由や、安子がなぜ急いで大阪まで行ったのかを尋ねられるが、よく覚えていないとはぐらかす。クリスマス当日、商店街の福引を手伝うが、そこへやって来たひなたと吉右衛門のやり取りを見て、岡山にいた時の記憶を思い出す。その直後に幼い安子の幻と会い、ダンスを踊って欲しいと頼まれ、商店街でダンスを披露する。踊り終えて「たちばな」の幻を目に焼き付けた後に倒れ、るいに「安子は何も悪くない、わしがみんな悪い。」と詫び、大月家の4人と彼のことを思い出し駆け付けた清子と吉右衛門に看取られて死去する。1993年12月25日逝去。享年73歳。 亡くなる間際、持ち逃げした「たちばな」の再建資金が入った口座の通帳と、1984年に開設して毎月入金していた口座の通帳をるいに手渡す。錠一郎は「伯父さんは、るいとるいのお母さん(安子)に謝りたくて現れたんだと思う」と推察し、るいの質問に何も答えなかったのは、「最後に家族と過ごす時間が欲しかったからだと思う」と慮った。 岡山に一時帰省したるいが、再興した「Dippermouth Blues」を訪れた際に店主の健一が算太と知り合いだと知った際には、るいが思わず「何か伯父がご迷惑を掛けたのでは?」と尋ねている。 安子は2004年に「大月」を訪れた際に、るい達が彼を看取ったことを知り、最後の最後まで踊っていたことに目を細める。 橘杵太郎(たちばな きねたろう) 演 - 大和田伸也 安子編(岡山編)に登場。 御菓子司「たちばな」の創業者で金太の父。算太と安子の父方の祖父。るいの曽祖父。ひなたと桃太郎の高祖父。息子の金太や職人らには厳しい(ただし孫の算太には厳しくも優しく諭す場面がある)が、孫娘の安子には甘い面がある(このことで金太から反感を買っている)。雉真繊維で作られた足袋を愛用し、「チェリー」を愛煙。ひさとは恋愛結婚した。 戦時中に再び腰痛が悪化して寝ている時間が多くなり、のちに肺も患う。安子に幸せを願う言葉を残し、程なくして死去する。 彼の願いもむなしく、以降の安子は苦難の道を歩む事になる。 橘ひさ(たちばな ひさ) 演 - 鷲尾真知子 安子編(岡山編)に登場。 杵太郎の妻で金太の母。算太と安子の父方の祖母。るいの曽祖母。ひなたと桃太郎の高祖母。しっかり者で頭の回転が速く、物事に動じない。彼女が作るお汁粉は絶品で、「たちばな」のあんこの原点になった。 岡山大空襲の際、金太の指示で避難した防空壕内で小しずと共に死去。 黒鉄正治 演 - 松木賢三 安子編(岡山編)に登場。 「たちばな」の住み込み従業員。従業員三人の中の中では最後まで「たちばな」で働いていたものの出征。生死は不明。 菊井三郎 演 - 杉森大祐 安子編(岡山編)に登場。 「たちばな」の住み込み従業員。1941年、従業員三人の中で最初に召集令状が届き出征した。生死は不明。 丹原茂 演 - 中村凜太郎 安子編(岡山編)に登場。 「たちばな」の住み込み従業員。「たちばな」の中では菊井の次に出征。生死は不明。
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