橘家・橘組関係者
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橘 征五郎 東京大学法学部政治学科4年で中本研究室在籍、本編の主人公。 頭脳だけでなく、体力も抜群であり関東学生リーグで万年最下位だった東大アメフト部を日本一に導き、さらにはオールアメリカン大学選抜チームとの試合にも勝ち、東大アメフト部を文字通り世界最高にまで押し上げた。 母親は神奈川県下最大の暴力団・橘組組長である橘征蔵の2番目の愛人・芳子。大侠客であった征蔵の方針で、妾腹ながら橘姓に入ったが、少年時代より本妻の子供たちからいじめられた過去がある。幼少期の辛い体験が、征五郎の暴力至上主義の原点となった。同じ妾腹同士であり、少年時代に可愛がってくれた異母兄征二郎を慕っているのだが、これが橘組の実権を握るためには兄征二郎を抹殺しなければならないという内面的な苦悩となる。橘組内若獅子会会長。 登場時の髪型は当時の大学生に普通にみられる男性レイヤードカットであったが、後半では完璧なマレットになっている。 片岡 仁 東京大学法学部政治学科4年で中本研究室在籍。法学部首席の座を征五郎と争う、知力体力とも互角の存在。 征五郎とはお互いの野望を知り協力し合うことを誓った盟友。 父親は同じく東大法学部を卒業後、国家公務員上級試験をパスして大蔵省に入ったエリートだったが、疑獄事件の罪を着せられた上、拘置所内で自殺に見せかけて殺された。この悲惨な体験が、裏世界の暴力で表の権力を支配するという野望をいだくきっかけとなった。 橘征五郎の異母妹である文子とは相思相愛の仲。橘組内若獅子会副会長。 橘 征二郎 29歳、既婚。母親は故橘征蔵の愛人花森高子。自身が幼い頃から本家の兄弟にいじめられた経験から、同じ境遇の征五郎を可愛がっている。橘征蔵の死後、長兄・征一郎が死亡したことによって橘組組長に就任。県下の国会議員、公安委員長、県警本部長をも影響下におく実力者。昔気質の侠客の親分といった風格であり人望もあるが、いったん事を起こすと容赦はしない武闘派でもある。 征五郎の野望を内心では見抜いており、兄弟愛と征五郎の野望の達成との間で彼も終始苦しみ続ける。 徳田 栄治(徳田 徳一) 通称トク。橘組内若獅子会頭取。征五郎、片岡が計画した作戦を実行面で指揮する行動隊長。 父親は橘組の鉄砲玉として死亡。その後は親戚中をたらい回しにされたあげく、橘征蔵の下に引き取られた。少年時代の征五郎とそこで知り合い、盟友となった。中学卒業後、ヤクザの世界に入って資金を貯め、徳田建設を設立。若獅子会の発足式典では徳田栄治と紹介されていたが、少年時代は徳一と名乗っており、本作品の謎のひとつになっている。 橘 文子 18歳。橘征蔵の妾腹の娘で征二郎の実妹。征五郎の異母妹。橘組本家に征二郎と同居しているが、荒事には関わらず清楚な奥ゆかしい性格。内心で片岡を慕っており、暴力の世界に身をやつす征二郎・征五郎・片岡たちの身を常に案じている。 橘 英介 橘征二郎の幼い一人息子。先天性の病で車椅子の生活を強いられている。やがて征二郎と敵対した柿崎にその身を狙われる。 赤寺 十郎 橘征二郎組長の腹心の部下であり絶対的な忠誠を誓っている。身長2メートル以上の大男。 かつて横浜の敵対組織の組長を征二郎とふたりで暗殺し、ひとりで自首して7年の刑期を勤め上げた。15歳で長男を生ませて以後子宝に恵まれ、六男四女の父親。 狡猾、残忍な性格であり、柿崎署長に逮捕された征二郎を拘置所から救い出すために、陽動のための京浜工業地帯の爆破、鉄道の脱線事故、川崎競馬場暴動と売上金強奪等の大事件を数時間のうちに同時発生させた。 征二郎同様、橘征五郎の内心の野望を喝破しており、征二郎にしばしば警告を発していた。 橘 征一郎 橘組組長橘征蔵と本妻民枝の子。30歳。橘家の長男であり傲岸粗暴な性格で通夜の準備に顔を出した征五郎の服装に突っかかるなど、他の本家の男たちと同じく妾腹の征五郎を蔑視しており兄弟仲は悪い。野望に火を灯した征五郎と片岡の戦いの犠牲者第一号として本家内で殺害され、刺客にドスで12回も刺されるという壮絶な死に際を見せた。既婚者で、作中には登場しない邦夫という息子がいる。また愛犬家としての一面を持ち数多くの名犬を育て上げており、これらは彼の死後に征五郎によって疋矢に対する餌として使用されている。 橘 征三郎 橘組組長橘征蔵と本妻民枝の子、橘征四郎とは双子の関係。28歳。征一郎死亡後の橘組告別式での混乱に乗じて征五郎片岡の放った刺客によって刺殺され、燃え盛る慈徳寺に果てた。 橘 征四郎 橘組組長橘征蔵と本妻民枝の子、橘征三郎とは双子の関係。28歳。大吉会の勢力を預かった征五郎に不満を述べるなど征一郎と同じく妾腹の征五郎を軽んじている。征一郎死亡後生じた跡目争いで征五郎の口車に乗せられ征二郎への疑惑と恐怖を抱き征二郎への戦闘態勢を敷いた。二人は征五郎の思惑通り川崎を舞台にした戦争を開始。当初は優勢に事を進めていたものの征二郎の狡知に長けた圧倒的な攻撃ににあえなく敗北、他の部下たちともども拉致され、征二郎に手ずから処刑され、澄んだ瞳で自分の愚かさを認め征二郎に許しを請って果てた。 作中数コマのみ登場する妻の有子と作中に登場しない息子の康宏がいたが、征四郎の屋敷とともに焼死した模様。
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