子音体系とは? わかりやすく解説

子音体系

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/09 15:27 UTC 版)

上代日本語」の記事における「子音体系」の解説

唇音舌頂音硬口蓋音軟口蓋音無声阻害音*p *t *s *k 前鼻音化した有声阻害音*mb *ⁿd *ⁿz *ŋɡ 鼻音*m *n 接近音/はじき音*w *ɾ *j 上記のごとく音素目録は非常に単純であり、現代日本語大差ないが、音価については異なった点がある。 ハ行/p/の子音は奈良時代には [p] であったとする説が現在一般的である。 サ行/s/の子音は現代の[s]のような摩擦音ではなく[ʦ]・[ʧ]などの破擦音であった可能性がある。 サ行子音音素上は/t͡s/であり、異音が以下のように立ったという説もある。しかし、21世紀初頭当時最新中古音基づいた音価推定である Miyake (2003) では破擦音異音は完全に否定されている。 母音語頭語中i, e t͡ʃ ʃ それ以外s s タ行ダ行はチ・ツ・ヂ・ヅについても現代語のような破擦音ではなく、[t]・[ⁿd]であった。すなわち、それぞれティ」「トゥ」「ンディ」「ンドゥ」に近い発音がされていた。

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子音体系

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/02 09:39 UTC 版)

琉球諸語」の記事における「子音体系」の解説

北琉球諸語大部分では、母音半母音直前声門破裂音ʔの有無弁別される。例えば、ʔami)、ʔwaː(豚)などがある。 北琉球諸語には、p、t、k、ʧの有気音無気喉頭音の区別のある地域がある。区別には濃淡の差があり、奄美大島沖縄本島北部などでははっきりした音韻的対立がある。与那国語にも、出自異にする無気喉頭化音がある。また、宮古語八重山語ではfuni(舟)とpuni(骨)のように、無声唇歯摩擦音のfが他の子音と区別される宮古語奄美大島南部には、閉音節があり、子音のみで拍を成すことができる。

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子音体系

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/03 05:59 UTC 版)

日本語」の記事における「子音体系」の解説

子音は、音韻論区別されているものとしては、現在の主流学説によれば「か・さ・た・な・は・ま・や・ら・わ行の子音、濁音「が・ざ・だ・ば行の子音、半濁音ぱ行の子音である。音素記号では以下のように記されるワ行ヤ行語頭子音は、音素 u と音素 i の音節内の位置応じた変音であるとする解釈もある。特殊モーラの「ん」と「っ」は、音韻独立音素であるという説と、「ん」はナ行語頭子音 n の音節内の位置応じた変音、「っ」は単なる二重子音化であるとして音韻独立音素ではないという説の両方がある。 /k/, /s/, /t/, /h/(清音) /ɡ/, /z/, /d/, /b/濁音) /p/(半濁音) /n/, /m/, /r/ /j/, /w/(半母音とも呼ばれる一方音声学上は、子音体系はいっそう複雑な様相を呈する。主に用いられる子音を以下に示す(後述する口蓋化音は省略)。 唇音舌頂音舌背音咽喉音両唇音歯茎音そり舌音硬口蓋音軟口蓋音口蓋垂音声門音破裂音p b t d k ɡ 鼻音m n ɲ ŋ ɴ はじき音 ɾ ɽ 摩擦音ɸ s z ç ɣ h 接近音(β̞) j ɰ 側面音はじき音 ɺ 側面接近音 l ɕ ʑ歯茎硬口蓋摩擦音 破擦音歯茎音歯茎硬口蓋音無声音s t͡ɕ 有声音z d͡ʑ 基本的にか行」は [k]、「さ行」は [s]([θ] を用い地方話者もある)、「た行」は [t]、「な行」は [n]、「は行」は [h]、「ま行」は [m]、「や行」は [j]、「だ行」は [d]、「ば行」は [b]、「ぱ行」は [p] を用いる。 「ら行の子音は、語頭では [ɺ]、「ん」の後のら行は英語の [l] に近い音を用い話者もある。一方、「あらっ?」というときのように、語中語尾現れる場合は、舌をはじく [ɾ] もしくは [ɽ] となる。 標準日本語およびそれの母体である首都圏方言共通語)において、「わ行の子音は、上で挙げた言語の「う」と基本的な性質共有しもう少し空気通り道の狭い接近音である。このため、[u] に対応する接近音[w] と、[ɯ] に対応する接近音[ɰ] の中間もしくは微円唇という点で僅かに [w] に近いと言え軟口蓋後舌母音の舌の位置)の少し前よりの部分主な調音点とし、両唇僅かに使って調音する二重調音接近音といえるこのため五十音図配列では、ワ行唇音入れられている(「日本語」の項目では、特別の必要のない場合は [w] で表現する)。外来音「ウィ」「ウェ」「ウォ」にも同じ音が用いられるが、「ウイ」「ウエ」「ウオ」と2モーラ発音する話者も多い。 「が行の子音は、語頭では破裂音の [g] を用いるが、語中では鼻音の [ŋ](「が行鼻音いわゆる鼻濁音)を用いることが一般的だった。現在では、この [ŋ] を用い話者減少しつつあり、代わりに語頭同じく破裂音用いるか、摩擦音の [ɣ] を用い話者増えている。 「ざ行の子音は、語頭や「ん」の後で破擦音破裂音摩擦音合わせた [d͡z] などの音)を用いるが、語中では摩擦音([z] など)を用い場合が多い。いつでも破擦音用い話者もあるが、「手術しゅじゅつ)」などの語では発音難しいため摩擦音にするケースが多い。なお、「だ行」の「ぢ」「づ」は、一部方言除いてざ行」の「じ」「ず」と同音帰しており、発音方法は同じである。 母音「い」後続する子音は、独特の音色呈するいくつかの子音では、前舌面硬口蓋近づける口蓋化が起こる。たとえば、「か行の子音は一般に [k] を用いるが、「き」だけは [] を用いるといった具合である。口蓋化した子音後ろ母音「あ」「う」「お」が来るときは、表記上は「い段」の仮名後ろに「ゃ」「ゅ」「ょ」の仮名用いて「きゃ」「きゅ」「きょ」、「みゃ」「みゅ」「みょ」のように記す。後ろ母音「え」が来るときは「ぇ」の仮名用いて「きぇ」のように記すが、外来語などにしか使われない。 「さ行」「ざ行」「た行」「は行」の「い段音の子音も独特の音色であるが、これは単なる口蓋化でなく、調音点硬口蓋移動した音である。「し」「ち」の子音は [ɕ] [ʨ] を用いる。外来音「スィ」「ティの子音は口蓋化した [] [] を用いる。「じ」「ぢ」の子音は、語頭および「ん」の後ろでは [d͡ʑ]、語中では [ʑ] を用いる。外来音「ディ」「ズィ」の子音は口蓋化した [] [d͡ʑʲ] および [] を用いる。「ひ」の子音は [h] ではなく硬口蓋音 [ç] である。 また、「に」の子音は多く口蓋化した [] で発音されるが、硬口蓋鼻音 [ɲ] を用い話者もある。同様に、「り」に硬口蓋はじき音用い話者や、「ち」に無声硬口蓋破裂音 [c] を用い話者もある。 そのほか、「は行」では「ふ」の子音の無声両唇摩擦音 [ɸ] を用いるが、これは「は行」子音が [p] → [ɸ] → [h] と変化してきた名残りである。五十音図では、奈良時代音韻・音声でp、平安時代に[ɸ]であった名残で、両唇音カテゴリー入っている。外来語には [f] を用い話者もある。これに関して現代日本語で「っ」の後ろや、漢語で「ん」の後ろハ行が来たとき、パ行(p)の音が現れ連濁でもバ行(b)変わり、有音声摩擦音[ɦ]ではないことから、現代日本語でも語種和語前近代漢語等の借用語に限れば(ハ行由来しないパ行近代以降のもの)、ハ行音素はhでなくpであり、摩擦音化規則で上に挙げた場合以外はhに変わるのだという解釈もある。現代日本語母語話者直感には反するが、ハ行連濁や「っ」「ん」の後ろでのハ行音の変化をより体系的合理的に表しうる。 また、た行」では「つ」の子音のみ [t͡s] を用いる。これらの子音に母音「あ」「い」「え」「お」が続くのは主として外来語場合であり、仮名では「ァ」「ィ」「ェ」「ォ」を添えてファ」「ツァ」のように記す(「ツァ」は「おとっつぁん」「ごっつぁん」などでも用いる)。「フィ」「ツィ」は子音口蓋化が起こる。また「ツィ」は多く「チ」などに言い換えられる。「トゥ」「ドゥ」([tɯ] [dɯ])は、外来語用いことがある促音「っ」(音素記号では /Q/)および撥音「ん」(/N/)と呼ばれる音は、音韻論上の概念であって前節述べた長音併せて特殊モーラと扱う。実際音声としては、「っ」は [-k̚k-] [-s̚s-] [-ɕ̚ɕ-] [-t̚t-] [-t̚ʦ-] [-t̚ʨ-] [-p̚p-] などの子連続となる。ただし「あっ」のように、単独出現することもあり、そのとき声門閉鎖音となる。また、「ん」は、後続の音によって [ɴ] [m] [n] [ŋ] などの子音となる(ただし、母音の前では鼻母音となる)。文末などでは [ɴ] を用い話者が多い。

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子音体系

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/21 00:11 UTC 版)

モンゴル祖語」の記事における「子音体系」の解説

以下の15子音再構される。軟閉鎖音(英: weak stops)と硬閉鎖音(英: strong stops)の VOT は確定材料がないが、その名の通り現代モンゴル諸語音韻体系から、硬閉鎖音の方が VOT が長く、軟閉鎖音の方が VOT が短かった考えられている(*t/*d においた音声表記実現の例)。 モンゴル祖語の子唇音歯茎音硬口蓋音軟口蓋音閉鎖音 *t [t/tʰ/tʰ] *c *k 軟閉鎖音*b *d [d/t/d] *j *g 摩擦音 *s *x 鼻音*m *n *ng 流音 *r, *l 接近音 *y

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子音体系

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/27 09:12 UTC 版)

ツングース祖語」の記事における「子音体系」の解説

以下の子音が再構される。ヴェラ・ツィンツィウス(ロシア語版)(1949b) は口蓋化子音 *ḿ, *d́, *ś をも再構したが、体系簡略化のため多くツングース語学者は *mi-, *di-, *si- というiを含んだ二重母音(英: i-diphthongs)をこの代わりに再構する。 通説上の子音体系唇歯硬口蓋軟口蓋無声破裂音*p *t *k 有声破裂音*b *d *g 無声破擦音有声破擦音摩擦音 *s *x 鼻音*m *n *ń *ŋ 流音 *r, *l 渡り音*w *j

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子音体系

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/30 05:43 UTC 版)

日琉祖語」の記事における「子音体系」の解説

日琉祖語の子音は下記のものが考えられており、このうちwとj以外は広く合意得られている。 日琉祖語の子両唇音歯茎音硬口蓋音軟口蓋音鼻音*m *n 破裂音*p *t *k 摩擦音 *s 接近音*w *j 流音 *r

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