子音体系
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唇音舌頂音硬口蓋音軟口蓋音無声阻害音*p *t *s *k 前鼻音化した有声阻害音*mb *ⁿd *ⁿz *ŋɡ 鼻音*m *n 接近音/はじき音*w *ɾ *j 上記のごとく音素目録は非常に単純であり、現代日本語と大差ないが、音価については異なった点がある。 ハ行/p/の子音は奈良時代には [p] であったとする説が現在一般的である。 サ行/s/の子音は現代の[s]のような摩擦音ではなく[ʦ]・[ʧ]などの破擦音であった可能性がある。 サ行子音は音素上は/t͡s/であり、異音が以下のように立ったという説もある。しかし、21世紀初頭の当時最新の中古音に基づいた音価の推定である Miyake (2003) では破擦音の異音は完全に否定されている。 母音語頭語中i, e t͡ʃ ʃ それ以外 t͡s s タ行・ダ行はチ・ツ・ヂ・ヅについても現代語のような破擦音ではなく、[t]・[ⁿd]であった。すなわち、それぞれ「ティ」「トゥ」「ンディ」「ンドゥ」に近い発音がされていた。
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子音体系
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/02 09:39 UTC 版)
北琉球諸語の大部分では、母音・半母音の直前で声門破裂音ʔの有無が弁別される。例えば、ʔami(雨)、ʔwaː(豚)などがある。 北琉球諸語には、p、t、k、ʧの有気音と無気喉頭化音の区別のある地域がある。区別には濃淡の差があり、奄美大島や沖縄本島北部などでははっきりした音韻的対立がある。与那国語にも、出自を異にする無気喉頭化音がある。また、宮古語・八重山語ではfuni(舟)とpuni(骨)のように、無声唇歯摩擦音のfが他の子音と区別される。 宮古語や奄美大島南部には、閉音節があり、子音のみで拍を成すことができる。
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子音体系
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/03 05:59 UTC 版)
子音は、音韻論上区別されているものとしては、現在の主流学説によれば「か・さ・た・な・は・ま・や・ら・わ行」の子音、濁音「が・ざ・だ・ば行」の子音、半濁音「ぱ行」の子音である。音素記号では以下のように記される。ワ行とヤ行の語頭子音は、音素 u と音素 i の音節内の位置に応じた変音であるとする解釈もある。特殊モーラの「ん」と「っ」は、音韻上独立の音素であるという説と、「ん」はナ行語頭子音 n の音節内の位置に応じた変音、「っ」は単なる二重子音化であるとして音韻上独立の音素ではないという説の両方がある。 /k/, /s/, /t/, /h/(清音) /ɡ/, /z/, /d/, /b/(濁音) /p/(半濁音) /n/, /m/, /r/ /j/, /w/(半母音とも呼ばれる) 一方、音声学上は、子音体系はいっそう複雑な様相を呈する。主に用いられる子音を以下に示す(後述する口蓋化音は省略)。 唇音舌頂音舌背音咽喉音両唇音歯茎音そり舌音硬口蓋音軟口蓋音口蓋垂音声門音破裂音p b t d k ɡ 鼻音m n ɲ ŋ ɴ はじき音 ɾ ɽ 摩擦音ɸ s z ç ɣ h 接近音(β̞) j ɰ 側面音はじき音 ɺ 側面接近音 l ɕ ʑ歯茎硬口蓋摩擦音 破擦音歯茎音歯茎硬口蓋音無声音t͡s t͡ɕ 有声音d͡z d͡ʑ 基本的に「か行」は [k]、「さ行」は [s]([θ] を用いる地方・話者もある)、「た行」は [t]、「な行」は [n]、「は行」は [h]、「ま行」は [m]、「や行」は [j]、「だ行」は [d]、「ば行」は [b]、「ぱ行」は [p] を用いる。 「ら行」の子音は、語頭では [ɺ]、「ん」の後のら行は英語の [l] に近い音を用いる話者もある。一方、「あらっ?」というときのように、語中語尾に現れる場合は、舌をはじく [ɾ] もしくは [ɽ] となる。 標準日本語およびそれの母体である首都圏方言(共通語)において、「わ行」の子音は、上で挙げた同言語の「う」と基本的な性質を共有し、もう少し空気の通り道の狭い接近音である。このため、[u] に対応する接近音[w] と、[ɯ] に対応する接近音[ɰ] の中間、もしくは微円唇という点で僅かに [w] に近いと言え、軟口蓋(後舌母音の舌の位置)の少し前よりの部分を主な調音点とし、両唇も僅かに使って調音する二重調音の接近音といえる。このため、五十音図の配列では、ワ行は唇音に入れられている(「日本語」の項目では、特別の必要のない場合は [w] で表現する)。外来音「ウィ」「ウェ」「ウォ」にも同じ音が用いられるが、「ウイ」「ウエ」「ウオ」と2モーラで発音する話者も多い。 「が行」の子音は、語頭では破裂音の [g] を用いるが、語中では鼻音の [ŋ](「が行」鼻音、いわゆる鼻濁音)を用いることが一般的だった。現在では、この [ŋ] を用いる話者は減少しつつあり、代わりに語頭と同じく破裂音を用いるか、摩擦音の [ɣ] を用いる話者が増えている。 「ざ行」の子音は、語頭や「ん」の後では破擦音(破裂音と摩擦音を合わせた [d͡z] などの音)を用いるが、語中では摩擦音([z] など)を用いる場合が多い。いつでも破擦音を用いる話者もあるが、「手術(しゅじゅつ)」などの語では発音が難しいため摩擦音にするケースが多い。なお、「だ行」の「ぢ」「づ」は、一部方言を除いて「ざ行」の「じ」「ず」と同音に帰しており、発音方法は同じである。 母音「い」が後続する子音は、独特の音色を呈する。いくつかの子音では、前舌面を硬口蓋に近づける口蓋化が起こる。たとえば、「か行」の子音は一般に [k] を用いるが、「き」だけは [kʲ] を用いるといった具合である。口蓋化した子音の後ろに母音「あ」「う」「お」が来るときは、表記上は「い段」の仮名の後ろに「ゃ」「ゅ」「ょ」の仮名を用いて「きゃ」「きゅ」「きょ」、「みゃ」「みゅ」「みょ」のように記す。後ろに母音「え」が来るときは「ぇ」の仮名を用いて「きぇ」のように記すが、外来語などにしか使われない。 「さ行」「ざ行」「た行」「は行」の「い段」音の子音も独特の音色であるが、これは単なる口蓋化でなく、調音点が硬口蓋に移動した音である。「し」「ち」の子音は [ɕ] [ʨ] を用いる。外来音「スィ」「ティ」の子音は口蓋化した [sʲ] [tʲ] を用いる。「じ」「ぢ」の子音は、語頭および「ん」の後ろでは [d͡ʑ]、語中では [ʑ] を用いる。外来音「ディ」「ズィ」の子音は口蓋化した [dʲ] [d͡ʑʲ] および [zʲ] を用いる。「ひ」の子音は [h] ではなく硬口蓋音 [ç] である。 また、「に」の子音は多くは口蓋化した [nʲ] で発音されるが、硬口蓋鼻音 [ɲ] を用いる話者もある。同様に、「り」に硬口蓋はじき音を用いる話者や、「ち」に無声硬口蓋破裂音 [c] を用いる話者もある。 そのほか、「は行」では「ふ」の子音のみ無声両唇摩擦音 [ɸ] を用いるが、これは「は行」子音が [p] → [ɸ] → [h] と変化してきた名残りである。五十音図では、奈良時代に音韻・音声でp、平安時代に[ɸ]であった名残で、両唇音のカテゴリーに入っている。外来語には [f] を用いる話者もある。これに関して、現代日本語で「っ」の後ろや、漢語で「ん」の後ろにハ行が来たとき、パ行(p)の音が現れ、連濁でもバ行(b)に変わり、有音声門摩擦音[ɦ]ではないことから、現代日本語でも語種を和語や前近代の漢語等の借用語に限れば(ハ行に由来しないパ行は近代以降のもの)、ハ行の音素はhでなくpであり、摩擦音化規則で上に挙げた場合以外はhに変わるのだという解釈もある。現代日本語母語話者の直感には反するが、ハ行の連濁や「っ」「ん」の後ろでのハ行の音の変化をより体系的・合理的に表しうる。 また、「た行」では「つ」の子音のみ [t͡s] を用いる。これらの子音に母音「あ」「い」「え」「お」が続くのは主として外来語の場合であり、仮名では「ァ」「ィ」「ェ」「ォ」を添えて「ファ」「ツァ」のように記す(「ツァ」は「おとっつぁん」「ごっつぁん」などでも用いる)。「フィ」「ツィ」は子音に口蓋化が起こる。また「ツィ」は多く「チ」などに言い換えられる。「トゥ」「ドゥ」([tɯ] [dɯ])は、外来語で用いることがある。 促音「っ」(音素記号では /Q/)および撥音「ん」(/N/)と呼ばれる音は、音韻論上の概念であって、前節で述べた長音と併せて特殊モーラと扱う。実際の音声としては、「っ」は [-k̚k-] [-s̚s-] [-ɕ̚ɕ-] [-t̚t-] [-t̚ʦ-] [-t̚ʨ-] [-p̚p-] などの子音連続となる。ただし「あっ」のように、単独で出現することもあり、そのときは声門閉鎖音となる。また、「ん」は、後続の音によって [ɴ] [m] [n] [ŋ] などの子音となる(ただし、母音の前では鼻母音となる)。文末などでは [ɴ] を用いる話者が多い。
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子音体系
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/21 00:11 UTC 版)
以下の15子音が再構される。軟閉鎖音(英: weak stops)と硬閉鎖音(英: strong stops)の VOT は確定の材料がないが、その名の通り、現代モンゴル諸語の音韻体系から、硬閉鎖音の方が VOT が長く、軟閉鎖音の方が VOT が短かったと考えられている(*t/*d においた音声表記は実現の例)。 モンゴル祖語の子音唇音歯茎音硬口蓋音軟口蓋音硬閉鎖音 *t [t/tʰ/tʰ] *c *k 軟閉鎖音*b *d [d/t/d] *j *g 摩擦音 *s *x 鼻音*m *n *ng 流音 *r, *l 接近音 *y
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子音体系
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/27 09:12 UTC 版)
以下の子音が再構される。ヴェラ・ツィンツィウス(ロシア語版)(1949b) は口蓋化子音 *ḿ, *d́, *ś をも再構したが、体系の簡略化のため多くのツングース語学者は *mi-, *di-, *si- というiを含んだ二重母音(英: i-diphthongs)をこの代わりに再構する。 通説上の子音体系唇歯茎硬口蓋軟口蓋無声破裂音*p *t *k 有声破裂音*b *d *g 無声破擦音 *č 有声破擦音 *ǯ 摩擦音 *s *x 鼻音*m *n *ń *ŋ 流音 *r, *l 渡り音*w *j
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子音体系
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/30 05:43 UTC 版)
日琉祖語の子音は下記のものが考えられており、このうちwとj以外は広く合意が得られている。 日琉祖語の子音両唇音歯茎音硬口蓋音軟口蓋音鼻音*m *n 破裂音*p *t *k 摩擦音 *s 接近音*w *j 流音 *r
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