子音の調音方法
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/14 14:48 UTC 版)
子音 部位 →唇舌頂舌背無方法 ↓両唇唇歯歯口蓋後部歯茎硬口蓋軟口蓋軟口蓋鼻 [m] [n̪] [nʲ] 破裂[p] [b] [t̪] [d̪] [tʲ] [dʲ] [k] [ɡ] 破擦 [t͡s] [d͡z] [t͡sʲ] [d͡zʲ] [t͡ʃ] [d͡ʒ] 摩擦 [f] [s] [z] [sʲ] [zʲ] [ʃ] [ʒ] [x] [ɦ] 震 [r] [rʲ] 接近 [ʋ] [l] [lʲ] [j] 正書法はベラルーシ語同様、表音主義であるため、ロシア語等とは異なり、発音どおりに綴る傾向が強い。原則として、子音連続は認められていない。例;ロシア語Россия /rossija/ [rɐˈsʲijə] - ウクライナ語Росія /rosija/ [roˈsʲijə]。обличчя[ɔˈblɪt͡ʃʲːɑ]のような場合は子音が連続するが、発音は長子音となる(この単語の場合、「オブルィーチャ」ではなく「オブルィーッチャ」のように発音される)。 硬母音Оに対応する軟母音(いわゆる「ヨ」)は、Оの前に子音Й、軟音記号Ьをつけて表す。例;цього、йому ロシア語のЪが原則として接頭辞の直後にのみ現れるのに対し、それに相当するウクライナ語のアポストロフィはそれ以外の位置にも来る。例;любов'ю アクセントのある母音は強く、やや長めに発音する(ロシア語と比較した場合、それほど顕著ではない)。音声学的には、アクセントの無いところではиがеに近い音に、оがуに近い音に変化する(母音弱化)。例:дивитися(デヴィーテシャ)、зозулька(ズズーリカ) И /ɪ/ は現在の正書法では語頭に来ず、Ї /ji/ は子音の後に来ない。 в - у の音の交替 в は語頭/音節の初めの母音の前や母音の間にある場合は/ʋ/と発音されるが、語末、摩擦音・破裂音の前では/w/ (有声両唇軟口蓋接近音)、または/u̯/のように発音される。この音は決してアクセントを伴わず、音声学ではЎという文字を用いて区別して説明され、у нескладове(ウー・ネスクラドヴェー)(音節を形成しないу)と呼ばれる。基本的には、子音の前では/u/、母音のあとや語末では/w/となる。ただし、その発音については厳密にはいくつかに細分される(例えば、воを/wɔ/と発音するなど)。例;вона (vona) /ʋoˈna/ 及び /woˈna/(ヴォナー、ウォナー)、мова (mova) /ˈmɔʋa/ (モーヴァ)、Львів (l'viv) /ˈlʲʋʲiw/(リヴィーウ)、вдома (vdoma)/ удома(udoma) /uˈdɔma/ (前が母音の場合 /wˈdɔma/)(ウドーマ) в-уの音は/ʋ/,/w/,/u̯/と3つあり、語中の位置や前後の音によって交替する: 1)/ʋ/ー母音і, и, е(, а)の前 2)/w/―単語の語末、及び子音の前、母音о, у, а(, е, и)の前 3)/u̯/ー母音の後ろ в - у の表記の交替 字母 у で書かれる場合: 1)子音と子音の間にある場合 例:наш учитель / вихід у місто / Вони працюють у нас. / Світ учить розуму. 2)文頭にあり、次の文字が子音である場合 例:Учора відбулися змагання. У нас все гаразд. 3)次の文字が в 或いは ф である場合(前に来る文字が母音であっても常に у が書かれる) 例:Вона зайшла у фойє. / Він був у фотографа. / Це записано у вимогах до уроку. 4)文中の休止符(読点、コロン、セミコロン、ハイフン等)の後ろに置かれ、次に来るのが子音である場合 例:Синочки зросли-у школу пішли. 字母 в で書かれる場合: 1)母音と母音の間にある場合 例:Вона живе в Одесі. 2)母音が前にあって、в 或いは ф 以外の子音が後ろに来る場合 例:Пішла в садок у вишневий.(タラス・シェウチェンコ)
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