子音の特徴
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/20 20:13 UTC 版)
参考文献: 南部では、[h]の具体音声は後続母音が[o],[a],[e]である場合無声声門音、[u]である場合無声両唇摩擦音、[i],[j]である場合無声硬口摩擦音で発音される。なお、無声両唇摩擦音の摩擦的噪音はかなり強く、無声硬口摩擦音の具体音声は共通語に比べ摩擦的噪音がかなり弱い。 破裂音[g]と鼻濁音[ŋ]とが区別される。 規則的ではないが、[ŋ]音が脱落する場合がある。例.わがまま[waamama] 北部では、共通語の[k]にあたるところに、語頭以外で時として半有声化がみられる。 「キ」の子音が摩擦音[ɣ]に発音される傾向が顕著であり、このことにより母音の無声化がより一層現れにくくなっている。また[ɣ]は時として脱落する場合がある。例.出来た[deita] 「ク」「コ」の子音が脱落する場合がある。 南部では、「ス」「ソ」「サ」「セ」の[s]にあたるところは、舌端が上歯の裏から歯茎前部に近づいて発せられるような摩擦音が聞かれる。また共通語の[s]のような狭い息の通路は形成されず、音調面は横に広い。そのため音色は共通語との隔たりが大きいという。人によっては舌のへりを多少そり気味に上の歯茎に近づけて無声摩擦音を出す。 [c]を構成する拍では、共通語にない「ツォ」「ツァ」を持つ。 特に南部では、[c],[z]の音声は共通語と比べ摩擦が弱く、[r],[d],[t],[z],[c],[s]が後続する場合とりわけ顕著である。 南部では、[r]にあたるところは、ふるえ音の[r]が対応する場合が多い。ふるえの回数は、通常の速度の発話で2〜3回程度。 「チ」「ツ」の前の「シ」音が「ヒ」音となる傾向がある。例.七[hici] 「ソ」音が「ホ」音となる傾向がある。例.それでは[hoizjaa] [a]に挟まれた[w]が脱落する傾向がある。例.瓦[kaara] 規則的ではないが、共通語の[m]に[b]が対応する場合がある。例.寒い[sabui]
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