長子音とは? わかりやすく解説

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長子音

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/02/26 13:25 UTC 版)

長子音(ちょうしいん)は、子音の持続時間が長いものを指す。重子音: gemination)とも呼ばれる。長子音でない子音を区別する際は短子音と呼ぶ。国際音声記号では子音の後に [ː] を付けて表す。

破裂音破擦音の場合は、子音の持続時間が延長するのではなく、前に気流の停止が挿入され、これを合わせた時間が短子音より長くなる。

言語例

短子音と長子音を音韻的に区別する言語としては日本語アラビア語イタリア語エストニア語カタルーニャ語デンマーク語ハンガリー語フィンランド語ラテン語ロシア語などが存在する。長さは言語によって異なり、日本語のように1モーラ分長くなる場合もある(促音)。また、エストニア語においては短・長・超長の三段階で意味を区別する。

多くの言語において、長子音は語中にのみ現れる。しかし、インドネシアマルク州で話されるタバ語英語版では、[j w r dʒ] を除くすべての子音が長子音化し、語中よりもむしろ語頭に多く長子音が現れる[1]

表記

ラテン語、イタリア語、フィンランド語では子音を二つ重ねて pptt のように書き表す。アラビア文字ではシャッダを使用する。

ただし英語ドイツ語などでは子音字の重複は、長子音ではなく、その前の母音が短母音であることを表す。ロシア語では、子音字の重複が長子音を表す場合と表さない場合がある。朝鮮語で破裂音・破擦音・摩擦音の字母の重複は、長子音ではなく濃音を表す。

日本語では子音の前に「」を用いて表す場合が多いが(促音)、鼻音については子音の前に「」を用いて表す。

長子音を用いない言語の長子音

音韻的には英語に長子音は存在しないが、二つの単語の間にある子音が同じである場合、音声上は以下のように長子音化する事がある。

  • this saddle [ðɪˈssædəl]
  • black coat [blæˈkkoʊt]
  • back kick [ˈbækkɪk]
  • crack cocaine [ˌkrækkoˈkeɪn]

しかし、重なる子音が破擦音である場合は起こらない。また、いくつかの方言においては副詞を作る接尾辞 -ly/l/ の後ろに来た場合なども長子音化する。

  • orange juice [ˈɒrɪndʒ dʒuːs]
  • solely [soʊlli]

音節均衡の原則

ゲルマン語派のうち、特に北ゲルマン語群に属する言語(スウェーデン語ノルウェー語アイスランド語など)には、アクセントのある母音とその直後の子音は、原則としてどちらか一方が長音(長母音または長子音)として現れるという法則が存在し、これは「音節均衡の原則」と呼ばれる。このとき、二重母音は長母音に準じた扱いを受け、子音クラスターは長子音に準じた扱いを受ける。具体的には、アクセントのある母音が長母音または二重母音ならばその直後の子音は必ず単独の短子音であり、逆に、アクセントのある母音が短母音ならばその直後の子音は必ず長子音または子音クラスターである。

例外として、デンマーク語にはこの原則はない。

脚注

  1. ^ International Phonetic Association (1999) Taba

参考文献

  • International Phonetic Association (1999). Handbook of the International Phonetic Alphabet: A guide to the Use of the International Phonetic Alphabet. Cambridge University Press. ISBN 0521637511 

関連項目


長子音

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/03/06 14:19 UTC 版)

フランス語の音韻」の記事における「長子音」の解説

二重子音字フランス語数多くの語の正書法綴り出現するにもかかわらずそのような語の発音に長子音が現れることは比較的稀である。以下のような例が確認される。 [ʁʁ]という発音が、動詞courir(「走る」)とmourir(「死ぬ」)の未来形条件法出現する例えば、条件法il mourrait [ilmuʁʁɛ](「彼は死ぬだろう」)は半過去il mourait [ilmuʁɛ] (「彼は死につつあった」)と対立をなす。未来形条件法正書法を持つ他の動詞は単に[ʁ]と発音される――il pourra(「彼は出来るだろう」)、il verra(「彼は見るだろう」)。 接頭辞in-がnで始まる語幹結合する場合形成された語は任意で長子音[nn]としても発音される。これはim-、il-、ir-などの接頭辞でも同様である。 inné [in(n)e](「生来の」) immortel [im(m)ɔʁtɛl](「不死の」) illisible [il(l)izibl](「読めない」) irresponsable [iʁ(ʁ)ɛspɔ̃sabl](「責任のない」) syllabe(「音節」)、grammaire(「文法」)、illusion(「幻」)のような語でも任意の長子音化が観察されるこうした語の発音は、多く場合正書法影響綴り字発音英語版))によるものであり、話者によって差があり、幅広い文体的効果生じさせている。流音鼻音/m n l r/以外での長子音化は「概して気取ったもしくは衒学的なものと考えられている」。文体的なものとされる発音にはaddition [addisjɔ̃](「追加」)やintelligence [ɛ̃tɛlliʒɑ̃s](「知性」)などがある。 二重の'm'と'n'を長子音化するのはラングドック地域特有であり、他の南部訛り対照をなしている。 正書法上で二重の子音字とは対応しない長子音化の例も若干ある。単語内の曖昧母音後述)の欠失が、同一の子音の連続生じさせる場合もある。là-dedans [laddɑ̃](「その中に」)、l'honnêteté [lɔnɛtte](「誠意」)など。こうした文脈では必ず長子音で発音しなければならない目的語代名詞省略形l'は、母音後では(非標準的な口語において任意で長子音[ll]として発音されうる―― Je l'ai vu [ʒœl(l)ɛvy](「私はそれ(彼)見た」) Il faut l'attraper [ilfol(l)atrape](「それを捕まえないと」) 最後に強調強勢置かれた語ではその最初音節先頭の子音に長子音化が見られる場合がある―― formidable [ffɔrmidabl](「素晴らしい」) épouvantable [eppuvɑ̃tabl](「恐ろしい」)

※この「長子音」の解説は、「フランス語の音韻」の解説の一部です。
「長子音」を含む「フランス語の音韻」の記事については、「フランス語の音韻」の概要を参照ください。

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