音素配列
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/03/05 00:09 UTC 版)
ダハロ語の語は一般に2〜4音節の長さである。子音が母音間で長子音化する場合を除いて、音節はもっぱらCVパターンのものからなる。他の多くのアフロ・アジア語の言語と同様に、長子音化は文法的に生産的である。有声の子音は部分的に無声になり、前鼻音化した破裂音は文法的な機能の一部として長子音化したときに無声化する。しかしながら、語彙的な前鼻音化短破裂音も発生する。 子音/b/と/d̠/は体系的に語頭の位置から除外される。 (/ʜáŋ̊|ana/のように、母音間に複数の吸着音がある単語は数個しか知られていないが、声門音と吸着音は長子音としては発生しない可能性が高い) ダハロ語には高低アクセントがあり、通常は1つの語根に0個から1個(まれにそれ以上)の高音調の音節が含まれる。高音調がある場合、それは最初の音節にあることが最も多い。二音節の語の場合は、必ずそうなる。例/ʡani/「頭」、/pʼúʡʡu/「突き刺す」。
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音素配列
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/12 10:41 UTC 版)
グルジア語の特徴として非常に長い子音連結が存在する。そこでグルジア語特有の音素配列を研究することで各音素の配列規則や配列制限を明確にすることができる。例えば日本語には /st/ という子音連結は配置できないといったものがわかるようになる。以下はグルジア語でも有名な長い子音が連続する例である。მწვრთნელი(mts'vrtneli、コーチ)、 გვფრცქვნი(gvprtskvni、君は我々の皮を剥す)。後者はその意味上、通常の会話で用いられることはない。
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音素配列
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/05/28 06:37 UTC 版)
子音連結に関する音素配列ルールは、言語によって異なる。 多くの言語では、子音連結が全く見られない。例えば、マオリ語やピラハン語では2つの子音が連続することはない。マレー・ポリネシア語派のほぼ全ての言語(タヒチ語、サモア語、ハワイ語など)にも子音結合は存在しない。 日本語にも子音連結はほとんどないが、子音+ /j/ という並び方(「東京」( /toːkjoː/ )など)があり、2つの音節にまたがるケースでは/n/ /m/ /ng/ /N/+子音という組み合わせ(「本州」( /hoNɕuː/ )、「天ぷら」( /tempuɽa/ )など)もある。促音が破擦音の前にくると、子音連結である。(「一致」/ittɕi/、「みっつ」/mittsu/)。 ほとんどのセム語派言語(標準アラビア語など)では、頭子音(音節核の前に来る子音、英: onset )には子音クラスタが全くないが、他の位置では最高2子音までの子音クラスタが見られる。例外として、現代イスラエルのヘブライ語では頭子音に2子音の子音クラスタが見られ(「pkak」(帽子)、「dlaat」(かぼちゃ)など)、モロッコのアラビア語ではベルベル語の影響によって数個の子音が連なるケースがある。 ほとんどのモン・クメール語派言語(クメール語など)では、頭子音でのみ子音クラスタが見られ、それも1音節あたり3子音までと制限されている。 フィンランド語の場合、南西方言と借用語でのみ、頭子音のみに子音クラスタが認められ、子音クラスタの数も1語あたり最高3つまでと制限されている。 ビルマ語の場合、頭子音としては最高3つまでの子音(1番初めの子音+2つの介子音( /-j-/ と /-w-/ ))が表記されるが、実際に発音されるのは2つまで((1番初めの子音+1つの介子音)である。なお、これらの子音クラスタに使用できる文字とできない文字がある。方言によっては、 /-l-/ という介子音を加えた4子音までの子音クラスタが見られる。 ジョージアの南コーカサス語族では、さらに多くの子音を含む子音連結が見られる。グルジア語では、4つから6つの子音が連なることも珍しくない。例えば、 /brtʼqʼɛli/ ( flat )、 /mt͡sʼvrtnɛli/ ( trainer )、 /prt͡skvna/ ( peeling )などがある。さらに、文法的接辞を用いれば、 /ɡvbrdɣvnis/ ( he's plucking us )のように8子音の子音クラスタも起こり得る。グルジア語では子音が音節核になることは有り得ないため、この音節は CCCCCCCCVC と分析される。 スラヴ語派言語(スロバキア語など)でも多くの子音が連結することがある。例えば、「štvrť」( /ʃtvr̩tʲ/ )、「zmrzlina」( /zmr̩zlɪna/ )、「žblnknutie」( /ʒbl̩ŋknutje/ )など。ただし、スロバキア語では流音( /r/ 、 /l/ )が音節核となることが可能で、これらのケースでは音韻論的に母音のようにふるまっていることになる。しかし、「vzhľadom」( /ʋzɦʎa.dom/ )のように流音を含まない子音クラスタも存在する。 セルビア・クロアチア語には「opskrbljivanje」( /ɔpskr̩bʎiʋaɲɛ/ )という例があるが、 ”lj” と ”nj” はそれぞれ /ʎ/ と /ɲ/ を表す二重音字である。 セイリッシュ語族では、母音なしで子音ばかりが連なっている単語も存在する。例えば、ヌーハルク語( ベッラ・クーラ語とも)の /xɬpʼχʷɬtʰɬpʰɬːskʷʰt͡sʼ/ ( he had in his possession a bunchberry plant )という言葉がそうである。これらの子音のうち、どれが音節核として機能しているかを見極めるのは非常に困難であり、これらの言語は従来の「音節」という概念そのものに挑戦状を叩きつけているとも言える。 東アジア地域の言語(中国語、ベトナム語など)において、子音クラスタが短縮される傾向が見られる。上古音には /r/ または /l/ (あるいはその両方)も介子音として存在していたが、中古音や現代北京語ではそり舌音に取って代わられた。例えば、「江」は北京語では「jiang」、広東語では「kong」と読まれるが、上古音では「klong」か「krung」だった可能性が高い。さらに、近年の再建分析によると、上古音における頭子音クラスタの歯擦音(「tk」「sn」など)は後世に口蓋化したとされる。 上古音については、尾子音(または末尾子音、英: coda )や尾子音の直後に起きる子音連結の分析もされている。中古音や現代南部方言において「-p」「-t」「-k」で終わる去声音節と入声音節の間に同根語が含まれている場合がある。去声音節の尾子音の直後に歯擦音が付け足された「-ps」「-ts」「-ks」という子音クラスタが発生し、それが「-ts」または「-s」に短縮され、やがて消えてしまった結果、その前後の母音が現代のいくつかの方言で二重母音化したという分析である。 古ベトナム語にもさまざまな頭子音クラスタが存在したが、17世紀頃までに徐々に融合して単一子音となり、硬口蓋鼻音として発達したものもある。
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