多義性とは? わかりやすく解説

多義性

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/06 09:40 UTC 版)

中置記法」の記事における「多義性」の解説

次のようなBNF構文規則群で定義される中置記法文法について考える。 = | = = 0 | 1 | 2 | 3 | 4 | ... = + | - | × | ÷ この文法には多義性(ambiguity曖昧さ、とも言うが、「曖昧」という語には「輪郭はっきりしない」というような意味もあるがそちらの意味ではない)がある(「曖昧な文法」の記事参照)。たとえば、 "1 - 2 + 3" が、この構文規則からは「(1 - 2) + 3」と「1 - (2 + 3)」の、どちらに相当する構文木にも構文解析できてしまう。 加算のような結合法則成り立つ演算だけが対象である場合など、むしろ便利である場合もあるが、一般場合には補助的なカッコ多用して明示するなどの必要がある算術四則演算では、加減算両方使われている場合などについて、左から右という規則で意味の一意化が図られている。また、カッコ省略意図して加減算対す乗除算の優先という規則も、もっぱら付加されるyaccなどでは、BNFによる定義に、さらに「演算子の優先順位」と「演算子の結合性」(結合法則#プログラミング言語参照)に相当する規則付加することができ、これは大変に使い良い機能である。特に(yaccは違うが)再帰下降構文解析などLL法構文解析では、四則演算の式のような左から右の順をナイーブに実装すると左再帰問題があるので、問題避けて簡潔に定義する方法があると良い

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多義性

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/12/20 08:27 UTC 版)

歴史主義」の記事における「多義性」の解説

今日、「歴史主義」と呼ばれている思想的立場は、19世紀初頭ドイツから始まったとされているが、20世紀になってから、エルンスト・トレルチフリードリヒ・マイネッケ著書によって広く知られるようになった概念である。マイネッケは、歴史主義西欧社会体験した最大精神革命であるとして賛辞したが、トレルチはその諸問題克服説いた歴史主義極めて多義的な概念であり、その時代・論者によって意味が異なることから注意が必要である。 ナポレオン1世失脚後ウィーン体制引かれ19世紀初頭ドイツでは、フランス革命生んだ個人主義合理主義啓蒙主義的な思想対す保守的な反動としてロマン主義登場し人間的社会的世界合理的に割り切れるものでなく、生命躍動のうちに生成発展するプロセスであり、これを有機的全体として歴史のなかで捉えなければならないとの主張生まれていた。そのような時代背景の下、ランケは、国家歴史的に生起する一つ精神的集合体とみなし、啓蒙思想における合理主義的な国家観批判したのである科学的な史料批判に基づく歴史学は、新たな学問として西欧諸国広まっていった。この意味での歴史主義は、ドイツ観念論支配的であった時代対す反動としての自然主義的な実証主義意味した歴史主義は、ロマン主義と結びつけられて、歴史研究自己目的化するにいたった19世紀知識人層の根本気分とされることもある。そこでは、ある一定の規範価値がその民族歴史から導き出されることが正当化されたのであってヨハン・グスタフ・ドロイゼンによれば歴史理論倫理学等価であるとされたのであるヴィルヘルム・ディルタイは、自然科学と、これに対置される歴史学法学経済学などの精神科学区別し歴史的認識を範型とする精神科学認識論的特質了解であるとした。ディルタイによって歴史主義哲学的な基礎与えられると、トレルチによって、人間生活のあらゆる現象捉えるには物理的な時間空間概念とは別にある歴史的な流れのうちにおいて、その生成と発展とが捉えなければならない、と主張されるようになったこのような人間思惟根本的な歴史化によって、哲学法学経済学神学などの多く分野多大な影響与えられ個別学問歴史化により、哲学史法制史経済史教会史教義史等の新し学問分野生まれた歴史主義は、歴史的に構成され規範価値はその形成連関においてのみ妥当性有するにすぎず、その連関超えた普遍的妥当性有しないという歴史相対主義生んだこのように歴史主義多様な分野多く論者長い時間をかけて形成した主張集合体であったのである

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多義性

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/11/13 08:21 UTC 版)

曖昧」の記事における「多義性」の解説

一つ言葉複数の意味読み取れる状態、すなわち言葉が「多義性」をもつ状態を「曖昧」 (英語: ambiguous) という。 哲学論理学の歴史において「多義性」は古くから言及されており、例えアリストテレスソフィスト的論駁について』では、論理的誤謬に関する文脈言及されている。 近代以降では、文芸批評家ウィリアム・エンプソンが、著書曖昧七つの型』(Seven Types of Ambiguity)において書名通り曖昧」(多義性)を7つ分類し、多義性に積極的な価値を見い出しニュー・クリティシズム先駆となった。なお、彼は同書で多義性が生まれ理由をそれによって意味がより直接的に伝えられると思うからではないか推察している。 語あるいは文の構造同時に多様に働く場合 2つ上の意味が融け合い一つの意味になる場合 2つ上の意味を持つ語の各意味が、ともに適切である場合(すなわち地口) 文章にある2つ上の意味が、それぞれの意味が他と一致せず複雑な心理明らかにする場合 その観念生成過程であるため比喩正確にあてはまる対象ない場合 文章類語反復矛盾引き起こし、何も意味してない場合 語の2つの意味が、2つ対立する意味をなし、主体分裂示している場合

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