外務省の機械式暗号の歴史とは? わかりやすく解説

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外務省の機械式暗号の歴史

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/03/13 16:02 UTC 版)

日本の機械式暗号」の記事における「外務省の機械式暗号の歴史」の解説

外務省における機械式暗号歴史は、同じ内容電文新旧暗号電信するというミス繰り返した歴史である。旧暗号解読によって原文判明したので、新暗号に対して暗号文原文との対照をする解読可能になった。 1921年海軍艦艇軍縮に関するワシントン軍縮会議開かれる米国務省情報部、MI-8俗称:ブラックチェンバー)が日本の外交電報Jp暗号)を解読。これは簡単なコードブックであった1928年ロンドン軍縮会議備え海軍で機械暗号化計画立てる。暗号機試作製造元海大尉である平尾誠一が経営する工場行われた1930年ロンドン軍縮会議では陸海軍および外務省がクリハ式と同じ原理試作暗号機使用。ただし製作できた暗号機械わずかに9台(全権2台、海軍随員2台、全権予備1台、外務省海軍局各2台)で米仏伊大使館には供用できなかった。したがって外務大臣全権間の電報大部在米大使宛て旧式暗号転電された。 1931年皇紀2591年に海軍九一式印字機として制式化外務省暗号機A型命名米陸軍レッド暗号と呼ぶ。7月22日ブラックチェンバー解読活動東京日日新聞掲載される1932年九一式印字機開発者である柿本中佐田辺技師への叙勲上奏文が作成されるプラグボードである「文字順序破装置」とクリハ暗号機模倣した文字跳躍装置」について「外国品にも其の類例見ず全く同官の独創的考案なり」と評価した(海電機第四二号 聯盟軍縮会議暗号機械ニ関スル件) 1934年英国レッド暗号解読成功1935年海軍技術研究所次世代暗号機設計開始設計主任田辺一雄開発生産海軍技術研究所電気研究部六課内で行った関係者は特別バッジを胸につけ、作業場には特別警備守衛配置出入り口や窓には警報装置設けた米陸軍レッド暗号解読着手英国は"J machine"と呼ばれるレッド模造機を作成する1936年米陸軍レッド暗号模造機を完成1937年皇紀2597年に米軍パープルと呼ぶ暗号機パープル暗号)が完成海軍九七式印字機外務省暗号機B型通称 九七式欧文印字機)と命名。独外務省解読機関であるPers Zはレッド暗号文を集めて解読着手する1938年Pers Zはレッドがクリハ式と似ている事に気付く。模造機は8月完成し9月には開始位置符号解明1939年2月パープル重要な海外公館であるワシントンベルリンロンドンパリモスクワワルシャワローマジュネーヴブリュッセルアンカラ上海北京運用開始一部在外公館ではレッド引き続き使用されていた。米陸軍パープル登場気付き解読着手。米情報部がニューヨーク総領事館から句読点コード盗み出す事に成功1940年9月パープル暗号解読作業転換期を迎える1941年年明け米陸軍パープル模造機を完成41年だけで227通のうち223通の解読成功4月大島浩駐独大使ドイツから「駐米大使宛の外交暗号米国務省解読されている」と警告を受ける。 8月在外公館でのレッド暗号運用終了12月真珠湾攻撃対米覚書文書の手交が遅れた12月末、外遊中の英領ビルマ自治政府ウー・ソオ首相が、在リスボン日本公使館独立支援要請する公使館より外務省へ暗号電が米軍解読されウー・ソオ翌年1月英国官憲逮捕された。 1943年11月ベルリン東京: フランス戦線視察報告解読されるノルマンディー上陸作戦貢献。) 1944年8月ベルリン東京: 大島大使アルベルト・シュペーア軍需生産に関する会談報告解読される秋頃陸軍参謀本部暗号班の釜賀一夫少佐九七式欧文印字機について学理検討行った結果極めて危険と判断する1945年1月ハノイ東京: ウラン鉱石採掘についての報告解読される5月ベルリン陥落の際に米軍日本大使館からパープル暗号機のスイッチ部分捕獲。これが現存する唯一のオリジナルとなった7月モスクワ東京: 佐藤大使によるソ連仲介和平工作についての報告解読される8月日本敗戦

※この「外務省の機械式暗号の歴史」の解説は、「日本の機械式暗号」の解説の一部です。
「外務省の機械式暗号の歴史」を含む「日本の機械式暗号」の記事については、「日本の機械式暗号」の概要を参照ください。

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