国鉄分割民営化後の動向
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国鉄末期の1980年代になるとイメージチェンジを目論んで各地域ごとに独自の塗色変更が行われるようになり、国鉄分割民営化後にはその傾向が加速した。1990年代以降は新車への置き換えやリニューアル時の塗色変更などで全体を湘南色に塗装した鋼鉄製車体の車両は著しく減少している。 ただしJR東海に限っては、国鉄から引き継いだ車両に対しても多くが湘南色塗装のままで使われており、身延線にオリジナル色で登場した115系2600番台もJR化後に湘南色塗装に変更された。これ以外の国鉄型車両(オリジナル塗装をまとった119系やキハ40系など)も、後述する「白地に湘南色の帯」へと変更されることとなる。また、JR東日本では全体を湘南色に塗装した車両は置き換えられたものの、東海道線や宇都宮線、高崎地区の路線で運用される車両には引き続き湘南色の帯を採用している。 JR発足後も残った湘南色の車両は以下の通り。特記しない限り全体塗装または帯での塗装である。
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国鉄分割民営化後の動向
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「日本の電気機関車史」の記事における「国鉄分割民営化後の動向」の解説
1987年4月、事実上経営破綻した日本国有鉄道は分割民営化され、6つの旅客鉄道会社と日本貨物鉄道(JR貨物)が発足した。国鉄の電気機関車は、四国旅客鉄道(JR四国)を除くJR各社に引き継がれた。以後、電気機関車を新造して保有し続けているのはJR貨物のみで、他は国鉄から引き継いだ機関車のみを使用しているが、牽引すべき列車の減少や機関車自体の老朽化により、いずれの社においてもその数を減らしており、東海旅客鉄道(JR東海)では2008年に、九州旅客鉄道(JR九州)では2012年に、そして北海道旅客鉄道(JR北海道)でも2016年にそれぞれ使用を終えた。 JR貨物においては、折からの好景気に乗って輸送量が増加したことから、1989年度から電気機関車の新製を開始した。この時の新製機は、速成のため国鉄時代の機関車の設計を流用して細部に変更を行なったものとされ、直流用のEF66形、交流直流両用のEF81形、青函トンネル用の交流機ED79形が追造されている。 この頃には、パワーエレクトロニクス技術の進歩により、鉄道車両でも使用可能な大容量の半導体素子が実用化され、これとメンテナンス性の高い交流電動機(かご形三相誘導電動機)を組み合わせた、VVVFインバータ制御の新世代型電気機関車が開発されることとなった。1990年には、この技術を採用した試作機、直流専用のEF200形と交流直流両用のEF500形が落成した。これらの1時間定格出力は6000kWという未曾有の高出力機で、貨物列車の編成長大化、速度向上に寄与するものと期待された。試作機による試験の後、1992年にEF200形の量産機が現れたが、その出力ゆえ、変電所にかける負担が過大となり、出力抑制を行なって運用する羽目に陥ってしまった。そのためEF200形の量産は早々に打ち切られ、出力や装備の適正化を行なったEF210形に量産は移行した。また、交流直流両用機のEF500形の量産化は断念されている。また、両形式の開発に携わった日立製作所が独自に適正化のサンプルとして試作したED500形もJR貨物に車籍を置いて試用されたが、量産には至らず日立製作所に返還されている。その後、同社は電気機関車製造事業から撤退した。 交流直流両用機に新たな展開が訪れるのは1997年である。東北本線・津軽海峡線系統で使用されていたEF65形、ED75形重連、ED79形重連を単機で置き換えるため、EH500形が試作されたのである。同形式は、EH10形以来の2車体永久連結の8軸機となり、試験の後2000年から量産が開始された。 EH級大型電気機関車登場の背景には、JR貨物が大部分の線区でJR旅客鉄道6社や第三セクター鉄道会社に線路使用料を支払って列車を運行する第2種鉄道事業者であることがある。線路使用料抑制の観点から単機で国鉄形重連並みの性能と、保守経費抑制の観点から各線区を通しで運転できる汎用性の高さが求められたことによる。この政策に基づいて、勾配直流線区用のEF64形重連を置き換える目的でEH200形が、交流直流両用の一般機としてEF510形が量産されている。さらにはM250系のように高速運転を行うため、動力分散方式(電車)を貨物列車においても一部で導入する動きも現れた。 しかし一方では、機関車の新製には限度があることから、国鉄から引き継いだ機関車の延命のための更新改造が継続されている。 また、私鉄の貨物輸送は、大手は国鉄の分割民営化の段階で西武鉄道・東武鉄道に僅かに残るのみとなっており、後は地方の零細 - 中小私鉄に専用貨物が点在するのみであった。国鉄以外で唯一直流F級電機を運用した西武鉄道は1998年に貨物輸送を廃止し、以降は低出力のD級電機で事の足りる輸送量であった。このため、EF66形やEF64形といった車齢40年に満たない国鉄新性能機関車が廃車解体されていくのをよそに、地方私鉄の電気機関車の車齢は最若のものでも優に40年を越え、なお現役を貫くことになった。古いものでは上信電鉄のデキ1形や、遠州鉄道のED28形、福井鉄道のデキ10形等が、製造から90年以上を経て事業用として運用されている。一方で、2016年には名古屋鉄道でEL120形が新製されているのが特筆される。
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