器物・道具
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/18 17:41 UTC 版)
「ベルセルク (漫画)」の記事における「器物・道具」の解説
大剣「ドラゴンころし」 ガッツが背に帯びる両刃の大剣。鉄板のように身幅が広く、斧の数倍もの厚みのある大きな刃を備え、その全長は成人男性の背丈を上回る。鍔は無く、柄は長め。作中で「それは剣というにはあまりに大きすぎた。大きく、ぶ厚く、重く、そして大雑把すぎた。それはまさに鉄塊だった」と語られる、ガッツの、ひいては本作の代名詞的存在となっている。 かつてゴドーが領主から「ドラゴンを撃ち殺せるような剣を献上しろ」と注文を受けた際に(華美な武器ばかりを要求する領主への皮肉を込めて)製作したものだが、破壊力のみを追求した結果、常人には持ち上げることすら不可能な重量となってしまい、長らく倉庫に死蔵されていた。ゴドーにとっては若気の至りを自戒するために残したものであったが、ガッツが使徒狩りの旅に出る際に偶然倉庫から発見し、以来ガッツの愛剣となった。その後、2年以上に渡って酷使され続けひどく刃こぼれしたため、死ぬ間際のゴドーによって鍛え直された。 甲冑を着た人間複数人を一振りでまとめて両断し、巨岩や巨大な大木も軽々と叩き斬ることができ、強力な使徒にも十二分に対抗することができる。武器としてだけでなく、その巨大さを活かした「盾」としても使用される。 髑髏の騎士によると、斬り倒した使徒や悪霊の怨念により鍛えられた結果、上位の霊的存在に対しても武器として通用するようになったという。実際に、スランの顕現体を入滅させ、ガニシュカ大帝にも傷をつけることができた。 「ドラゴンころし」は、エリカがリッケルトにこの剣を紹介した時の呼び名である。ゾッドからは「斬魔刀」と称されている。 義手砲 ガッツが左腕に装着している大砲内蔵の鋼鉄製義手。リッケルトが、ゴドーの武器庫にあった有り合わせの部品から製作した。外見は通常の義手だが、前腕部を小型大砲の砲身が構成している。 砲身部分の後端、義手の手の甲側の肘に近い部分に撃針が露出しており、基本的にはコッキング状態の様である。雷管を使うタイプの弾薬ではなくまた火皿を持たないため、いわゆる火縄銃の様な点火方式ではなくタッチ・ホールを通して装薬に火花を直接落とすタイプのフリントロック式だと思われる。 肘部分の金具、もしくは金具につないだ鎧の左肩口にある紐を引くと、義手の手首部分が動いて砲口が開き、砲弾が発射される。 常に携帯できる隠し武器であるだけでなく、使徒に対しても絶大な威力を発揮する。ただし砲弾は単発で、一度発射した後は火薬と弾丸を再装填しなければ使うことができない。 肘にあるバネが関節の役割を果たしているほか、掌部分に磁石が埋め込まれており、剣を握ることもできる。その頑丈さから盾としての役割を果たすこともあり、人間や弱い死霊相手なら撲殺することもできる。 連載当初は瓶入りの火薬と砲弾を別々に装填していたが、妖精島の章においてサボットで弾薬と火薬を固めたカートリッジを使用している描写がある。 大砲で敵を狙い撃ち、その反動を利用して別の敵にドラゴンころしで斬りつける戦法を使うこともあり、ゲーム版や原作でイシドロから「大砲回転斬り」と呼ばれている。 連射式ボウガン ガッツの武器の一つ。ゴドーの武器庫にあったもので、義手に装着して本体上部に矢を装填し、右についた取っ手を回すと連射される。後にリッケルトの手で改良され、自動組み立て式となった。 投げナイフ ガッツの武器の一つ。笹の葉に似た形状の小型のナイフ。投げ方のコツはかつてジュドーから教わった。また、ガッツは通常のナイフも一振り携帯している。 炸裂弾 ガッツの武器の一つ。製作者はリッケルト。新型ボウガンと共にリッケルトから渡された。擦過により導火線に着火、3つ数えた後に爆発する。イシドロが使用することもある。 ベヘリット 人間の眼・鼻・口のレリーフが乱雑に配置された、卵型の物体。人間の運命を司る「何か」が現世へ送ったもので、「魔法の石」「異界への喚び水」とも呼ばれる。 普段は無害だが、所有者が現世の力では贖い難い渇望・絶望に襲われた時、所有者の流した血によって発動し、目鼻が正しい位置に配置され、目と口を大きく開いて血涙を流す。そして現世と幽界の深層を繋ぐ扉を開く鍵となり、ゴッド・ハンドが召喚され「降魔の儀」が行われる。 ただの物体ではなく生きており、時々瞼や口を開いたり、手荒く扱うと冷汗をかいたり落涙したりする。使徒やゴッド・ハンドの引き起こした超常現象に共鳴して小刻みに震えたり、目鼻が正しい位置に配置され表情を作ったりする。 因果律によって選ばれた者が様々な形で手に入れることになり、たとえ紛失しても然るべき時に然るべき者の手に必ず戻る。逆に因果律に選ばれていない者が入手しても何事も起こらず、やがて手元を離れてゆく。ゴッド・ハンドを意図的に呼び出すこともできない。 ガッツが所持しパックが玩具にしているベヘリット「ベッチー」は、チーズが好物であるという。覇王の卵 ゴッド・ハンドに転生する資格がある者のみが手にすることができる、真紅のベヘリット。216年に一度現世に出現し、生贄と自らの肉体を引き換えにゴッド・ハンドへと転生させる。覇王の卵の呼応時には日蝕をともなう。 喚び水の剣 髑髏の騎士が使徒から奪ったべへリットを飲み込み、自らの体内で作り上げた異形の剣。無数のベヘリットが溶解し、刀身となっている。髑髏の騎士はこの剣の制作のために、ベヘリットを回収し続けていた。通常では入れない幽界への入り口を開くことができるほか、空間を切ってワープすることもできる。ゴッド・ハンドを葬るための切札として準備しているものだという。 魔子宮 呪術師ダイバが製作した人造のベヘリットとも言うべき「転生器」。クシャーン妖獣兵団の鬼兵を生み出すために使用されていた。使徒の体が生きたまま繋ぎ合わされており、外見は魔物と人の肉体が溶解し混ざり合った巨大な肉の塊で、内部は羊水で満たされている。妊娠した状態の人間の女性を羊水の中に入れると、魔を宿した鬼の子が母親の体を食い破って生まれてくる(クシャーン軍は侵略・蹂躙した先で捕虜にした女性を強姦や輪姦で無理矢理妊娠させた上で使っていた)。使徒の再転生もでき、その際には周囲の生物の命を吸い込む。ガニシュカ自らが入って再転生すると共に崩壊し、魔子宮は失われた。 戦輪(チャクラム) バーキラカの武器のひとつ。縁が鋭利な刃物となっている、掌大の大きさの金属の輪。投擲して用いる武器で、空中で軌道を自在に変えることができる。 ウルミン バーキラカの武器のひとつ。布状の長く薄い刃で、非常に軽く、鞭のように大きくしなる。実在するカラリパヤットの武具で、ウルミンとは「雷鳴」の意。 妖精の鱗粉 妖精の羽の鱗粉。即効性の鎮痛・止血作用がある。また長く妖精と共にいると、鱗粉の作用で多少の裂傷なら傷跡も無くすぐに治癒するようになる。人間社会の中でもわずかながら流通している。 悪女の軟膏 アーモンドオイル、セロリ、ベラドンナ、トリカブトなどを調合した麻酔薬。体に塗布すると五感が鈍くなり、幽体を知覚しやすくなる。 銀の鎖帷子・ナイフ 銀製の武具・防具。銀の鎖帷子には悪霊を寄せ付けない効果があり、銀のナイフで切りつけられた悪霊は深刻な傷を負う。霊樹の館でファルネーゼとキャスカに授けられた。 作中では魔術とは関係ない技術で作られた銀製品(燭台など)でも、そこそこの効果を発揮している。 聖別した木の実 実が房状になった小さな木の実。魔物に投げつけると瞬間的に拒否反応を起す。霊樹の館でイシドロに授けられた。
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