品種分類とは? わかりやすく解説

品種分類

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/25 08:25 UTC 版)

トウモロコシ」の記事における「品種分類」の解説

トウモロコシは、長い栽培の歴史の中で用途合わせた種々の栽培品種や一交配種開発されている。糖度実のやわらかさ食味などに焦点当てて品種改良進み世界中地域さまざまな品種つくられている。雑種強勢異な品種同士交配すると、その子供の生育が盛んとなる交配組み合わせ)を利用したハイブリッド品種が、1920年代からアメリカ合衆国開発され以後収量飛躍的に増加したまた、近年では遺伝子組換えされた栽培品種広がりつつある。 一般にトウモロコシ分類用いられるのは、粒内のデンプン構造によって種を決める粒質区分である。種によって用途栽培方法違いがある。デント種、ポップ種、フリント種などがあるが、スイート種の未熟果用、缶詰用に利用され、他は食品加工用や飼料用にされる。なお、スウィート・コーンスイートコーン)とは「甘いトウモロコシの意味で、甘味全般指した呼び名である。 食品用途品種 甘味種(スイート種、スウィートコーン)(Zea mays var. saccharata) 食用品種茹でる、焼く(焼きトウモロコシ)、蒸す調理方法がある。 加工食品用の材料でもあり、例えコーンフレークコーンミールなどの材料にもなる。種子含まれる糖分多く強い甘味感じるが、収穫後の変質呼吸による消耗激しく夏季室温中では数時間食味落ちる。劣化対策は、コールドチェーン徹底か、収穫後すぐに加熱すること。ベビーコーンヤング・コーン生食用甘味種の雌穂を若どりしたもの、あるいは多穂性の品種の若い未熟果を摘み取ったもの。サラダ煮込み料理用いられる。幼果のため栄養少ない。水煮缶詰加工されることが多くサラダシチューアクセントにも使われる甘味黄色粒種 実が黄色甘味が多い品種。味来(みらい) 1990年代から出回った生食可能なスーパースイート種の先駆けで、平均糖度12度。やや小ぶりで、繊維やわらかくハニーバンタムよりも甘味が強いがさっぱりしている。 恵味(めぐみ) スーパースイート種で甘味が強いが、フルーツのような爽やかさがある。繊維しっかりしていて、シャリ感のある歯切れ良さをもつ。 サニーショコラ 糖度15度以上、生食可能。 ゴールドラッシュ 実が柔らかく糖度の高い品種生食可能。 ミエルコーン 粒の皮が薄く糖度の高い品種生食可能。ミエルとは、フランス語で「蜂蜜のような甘さ」という意味を表している。 ピクニックコーン 味来の改良型平均糖度18度以上と高く自然交配からできた小振り品種生食可能。種苗会社では、火を通した後に冷やすことにより甘み増加されることをPRし火を通した冷たくして食べることを推奨している。 嶽きみ(だけきみ) 青森県弘前市岩木山麓の嶽地区作られる2008年4月地域団体商標登録認定されブランド品種。昼夜気温差が大き高原栽培されるため、糖度18度以上と高く生食もできる。 みわくのコーン スーパースイート種の新し品種で、味来(みらい)と恵味(めぐみ)の中間的な特徴備える。繊維やわらかく歯触りシャリ感があり、甘味も強いがさっぱりしている。 甘味バイカラー種 実が白、黄色系など色が混ざった混合品種ハニーバンタム 甘味の強い品種で、日本昭和40年代から全国的に栽培されるようになり、主流となった代表的なスーパースイート種。スープコロッケどどんな料理にも向く。その後品種改良により「ピーターコーン」が登場して以来生産減少し市場流通より姿を消しつつある。 ピーターコーン 黄色い実に白い実が3対1の割合混ざり合っている品種。粒皮がやわらかく糖度が高い。日本昭和60年代から登場しハニーバンタムより軟らかく甘味がある。 ウッディコーン 黄色白色茶色がかった紫色の3色の実が混在している。粒がしっかりしていて歯ごたえもよく、もちもちした食感特徴ゆめのコーン 実が柔らかく糖度の高い品種生食可能。 カクテルコーン 黄・白粒が混ざりカクテル)、実が柔らかく糖度の高い品種生食可能。 甘々娘かんかんむすめ) 糖度高く、生でも食べられる品種時間経過による糖度低下が遅い。しかし発芽率が低く栽培難し品種でもある。 甘味白色種 実白色甘味が多い品種シルバーコーン(ホワイトコーン) 「シルバーハニーバンタム」ともよばれるハニーバンタム白粒種。小粒乳白色ツヤがあり、皮がやわらかくて甘味が強い。サラダに向く。 ピュアホワイト 実が白く甘さジューシーさが特徴。白いとうもろこしとうきび)や幻のとうもろこしとうきび)とも呼ばれ平均糖度17度以上とも謳われている。生食も可能で、火を通す甘味が増すが、甘味黄色バイカラー種に比べる食味はやや劣る。 雪の妖精 ピュアホワイト改良種平均糖度17度で生食も可能。 ホワイトショコラ ピュアホワイト改良種平均糖度17度で生食も可能。 以上に示されているのは、色や食味による分類であるが、それらに関わる遺伝子については多く特定されている。甘味関わる遺伝子では、su遺伝子se遺伝子sh2遺伝子が特に重要で、それらの組み合わせによって、スイート種・スーパースイート種・ウルトラスーパースイート種に分類される遺伝子組み合わせによって、糖の含有量や糖の種類風味)の違い生まれる。スイート種は缶詰用で、青果として流通することは無い。青果として利用されるのは、スーパースイート種やウルトラスーパースイート種であるが、ウルトラスーパースイート種では「甘すぎる」と感じる人もいる。 硬粒種フリント種、フリントコーン)(Zea mays var. indurata) 食用家畜飼料工業用原料に主に使用される爆裂種(ポップ種、ポップコーン)(Zea mays var. everta) 菓子ポップコーン原料となる。乾燥させた実を加熱して爆裂させて、ポップコーンにしてから食べる。粒がかたく、アメリカ大陸古くから栽培されてきたもので、実が完熟してから収穫する糯種ワキシー種、ワキシーコーン)(Zea mays var. seratina) 別名「モチトウモロコシ」「モチキビ」「糯(もち)種トウモロコシ」ともよばれる。英名の Waxy corn(ワキシーコーン)は、完熟種子表面ワックスたようにツルツルしているのでこの名が付けられた。実の色は白色黄色黒色紫色がある。加熱するモチモチした食感になり、デンプンもち性を示すため、もち米代替品として、加工原料使われる。 軟粒種(ソフト種、ソフトコーン、スターチ・スイートコーン)(Zea mays var. amyrae-saccharata) 子実が軟質澱粉により形成されている。 ジャイアントコーン 種子大きいのが特徴家畜飼料となる品種 馬歯種デント種、デントコーン)(Zea mays var. indentata) 成長する果実含まれる糖分が、ほとんどデンプンに変わるため通常食用はしない。主に家畜飼料デンプンコーンスターチ)の原料エタノール生産使用米国トウモロコシ生産といえば通常デント種の生産で、飼料向けとエタノール向けが同程度であり、これらが全体の7割超を占め、約1~2割が海外への輸出向けとなっている他、残り約1割が工業用などとなるその他向けとして大きな増減なく安定している。 アメリカ合衆国農務省連邦穀物検査局(FGIS)によると、デントコーンハイブリッドには2つカテゴリがあり、穀粒の色(黄色または白)で分類される黄色デント種は、主に動物飼料およびエタノール食用油産業用用いられる。FGISは、「食品加工肉トルティーヤチップススナック食品コーングリッツ)、食用グレードコーンスターチ、紙といったものには、一般的に白色デント種が使用されている」と確認したデンプン含有量に応じて黄色デント種も、ヒト消費する食品生産使用される

※この「品種分類」の解説は、「トウモロコシ」の解説の一部です。
「品種分類」を含む「トウモロコシ」の記事については、「トウモロコシ」の概要を参照ください。

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