南下政策の諸相とは? わかりやすく解説

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南下政策の諸相

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/15 19:30 UTC 版)

南下政策」の記事における「南下政策の諸相」の解説

第2次ウィーン包囲1683年)後の戦争で、中央ヨーロッパカトリック諸国中心とする神聖同盟加入しオスマン帝国対し参戦1700年コンスタンチノープル条約アゾフ海制海権得た最初積極的な南下外征オスマン帝国支配されていた黒海沿岸クリミア半島であった。この政策計画したのは皇帝エカチェリーナ2世。この治世下では積極的な外交政策によってロシアコーカサスまでも獲得した黒海航行獲得のためエジプト・トルコ戦争の際にオスマン帝国支援。しかしイギリスの軍事介入によって挫折1853年クリミア戦争によりオスマン帝国直接開戦戦争優位に運ぶも、欧州列強オスマン帝国支持したため失敗。しかし1856年パリ条約でのウィーン議定書ロシアにとって妥協的なものであった1854年嘉永7年千島列島、全樺太島カムチャツカ半島までも明記した改正蝦夷全図」なる(加陽豊島 毅作)。 1855年日本江戸幕府)との間に樺太方面での国境定めない日露和親条約締結1858年太平天国の乱アロー戦争同時進行混乱した大清帝国との間で黒竜江北岸ロシアへ割譲烏蘇里江以東外満洲を清露共管理地とするアイグン条約締結1860年太平天国の乱アロー号戦争弱体化した大清帝国との間に、アイグン条約共同管理地とされた烏蘇里江以東外満洲ロシアへ割譲決めた北京条約締結外満洲全土獲得不凍港ウラジオストクを得る。 1867年日露間樺太島仮規則締結1875年樺太千島交換条約締結樺太全島ロシアになった1877年露土戦争によってオスマン帝国に完全勝利。サン・ステファノ条約によりバルカン半島覇権握った翌年列強圧力によりサン・ステファノ条約破棄されるも(ベルリン会議)、セルビアルーマニアなどが、オスマン帝国から独立した。ただし全ての南下政策終了したではなくバルカン半島スラヴ民族独立抵抗継続され、これに欧州列強による帝国主義関わり衰退するオスマン帝国対す東方問題南下政策代わるロシア帝国汎スラヴ主義バルカン半島火薬庫として燻り続け第一次世界大戦伏線となる。 ヨーロッパにおける南下限界知ったロシアアジアにおける南下進出を図る。アジア対す南下政策は、すでに17世紀末からあった。シベリア遠征結果ロシア勢力圏1697年には太平洋まで達していた。これは直接的には、南下政策とは関係がなかったが、シベリア遠征完了するロシアの目は中国注がれた。しかし当時東アジア最大大国清に阻まれている(ネルチンスク条約)。しかしアジア弱体化した18世紀末以降不凍港問題解決するために、ロシアインドペルシア目を付け当時海上覇権確立しつつあったイギリス衝突する様になる19世紀末には中国北東部拠点として朝鮮半島中国中央地域支配もくろむも、当時国力を高めつつあった日本干渉により難航1891年ウラジオストクから太平洋進出するルートとなるシベリア鉄道着工される。 1895年三国干渉により、東アジアにおける第2の不凍港となる旅順租借地獲得シベリア鉄道全線開通が迫る1902年大韓帝国支配権ロシアと争う日本と、ロシア海洋進出恐れイギリスにより、日英同盟締結される1904年日露戦争勃発しポーツマス条約によって日本旅順東清鉄道南満州支線(後の南満州鉄道)と南樺太奪われ朝鮮進出絶望的になると、中央アジア進出積極的に行うようになった1922年ロシア革命により、ソヴィエト社会主義共和国連邦誕生する政情不安のため一時期南下政策中断された。 第二次世界大戦通じてソ連ドイツ侵攻巻き返し東欧諸国支配下におき衛星国家とする。西側諸国はこれを鉄のカーテン呼んだ1945年ソ連対日参戦をし、南樺太千島列島占領戦後北方領土問題となる。さらに北海道半分ソ連占領地とする要求出されたがハリー・S・トルーマン大統領拒否された。 1970年代から南イエメンアデン湾ベトナムカムラン湾シリアタルトゥースイラクウンム・カスルなどでソ連海軍不凍港確保という念願達成されたが、陸軍偏重軍事体制敷かれたこと、1980年代に入ると経済難も重なりアメリカ並み外洋艦隊の編成挫折することとなった

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