ヴェノマニア・ハーレム (Venomania's harem)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/17 06:54 UTC 版)
「七つの大罪シリーズ」の記事における「ヴェノマニア・ハーレム (Venomania's harem)」の解説
ヴェノマニア公が気に入った女性たちを洗脳して誘拐し、地下に作り上げたハーレム。悪魔をその身に宿したヴェノマニア公と情交をすると、徐々に精気が悪魔に吸収されていってしまう。ヴェノマニア公がカーチェスに討たれた時点ではひとりが死亡しており、解放された女性たちも何人かはその後間もなく衰弱死している。 ヴェノマニア公との間に子を宿していたのは、ルカーナ、ミクリア、メイリスの三名だけであった。そのうちのミクリアの息子は子孫を残すことなく子どもの頃に亡くなった為、ヴェノマニアの血族はコンチータ家に引き取られたメイリスの娘と、世界各地に散るルカーナの娘から流れることになる(殆どがルカーナの子孫であるとのこと)。またグミナの子孫がコンチータ家に嫁いだ為、バニカ=コンチータの代からはメイリスの子孫にグミナの血筋も汲まれるようになる。 グミナ=グラスレッド (Gumina Glassred) モチーフ:GUMI 年齢:21歳 宗教:レヴィン教エルド派 ヴェノマニア公爵家と強い繋がりを持つグラスレッド侯爵の一人娘。ケルビムとサテリアジスの幼馴染みで、サテリアジスの婚約者。貴族らしく絵画等の趣味も持ち合わせる。サテリアジスに強く執着されており、父親の留守中にサテリアジスに屋敷を襲撃され臣下のカロルと共にハーレム入りとなる。典型的な貴族のお嬢様であった為、庶民であるミクリアやローランとは犬猿の仲であったが、ハーレムの人数が増えるにあたって心身共に余裕ができはじめた。 実は親の言いなりになるのが嫌で、サテリアジスとの婚姻を破棄しようとしていた。それが原因でケルビムを暗殺しようとしていることを知ってしまい、サテリアジスが盗み見ている時にわざとケルビムを罵ったが、そのことで彼の心を壊してしまう。洗脳が解けた時に顔が戻りつつあったケルビムを一瞬見たが、その手を取ることなく最後に屋敷から出て行った。ケルビムに好意を持っていたのかは不明だが、カロルの推測に本人は否定はしなかった。 事件終結後は風聞を嫌って縁戚のいるエルフェゴート国に亡命し、官僚として女性の地位向上に努めた。晩年は同国初の女性宰相にまで上り詰める。カルガランドの町ではミクリア(実際は既に死んでいたミクリアに成りすましていた「怠惰の悪魔」)と再会し、領主と結婚した彼女とその夫の肖像画を残している。 グミナの子孫がバニカ=コンチータの母メグル=コンチータである。後にエルルカの弟子となる精霊グーミリアは、グミナの姿をモデルにしている。 ルカーナ=オクト (Lukana Octo) モチーフ:巡音ルカ 年齢:20歳 アスモディン地方ミスティカに住む仕立て屋でルーブ・オクトパス族「女性連続失踪事件」最初の犠牲者である。アイアールが目をつける程の強い魔力を秘めており、「紫の夢」と呼ばれる予知能力を持つ。幼少時代にエルルカと面識があり、水が豊富なミスティカが干ばつする夢を見て誰に話しても信じてもらえなかった中、たまたま街を訪れていたエルルカのみが彼女の話を信じて街を救うために旅立ち、やがて干ばつが街を襲った際に戻ってきたエルルカが「とてもすごいタコ」を生贄に雨乞いで街を救った。 ヴェノマニア公には個人的に好意を抱いており、洗脳されつつも彼の身を案じていた。気配り上手な性格からかハーレム内での人間関係のまとめ役でもあり、ハーレムの女性たちが着ている服も全て彼女が仕立てている。後半に同じくハーレム入りとなった親友リリエンとの再会と、ローランが死んだことに悲しむ素振りすら見せなかったヴェノマニア公に対する憤りから、徐々に洗脳が解けていった。 事件終結後は友人のリリエン、ラージフと共に身籠っていた子を連れてアイアールの追跡をかわすも、彼女の身を案じたエルルカの一計により互いの身体を交換する。 ミクリア=グリオニオ (Mikulia Greeonio) モチーフ:初音ミク 年齢:18歳 アスモディン地方アビト村に暮らす農民。 赤ん坊の時、道端に捨てられていたところをある夫婦に拾われる。少々知恵遅れなところがありそのことから愛に恵まれず、自分は高貴な血筋でいつかは不幸な境遇から救ってくれる王子様が現れるのだと本気で信じてしまっている。彼女の無邪気な妄想はヴェノマニア公の凶行を目撃したことにより、口封じに現れた彼の誘惑にあえて乗ったことである意味で叶えられた。 原罪者そのものの姿をしており、彼女の血族は代々「怠惰の悪魔」をその身に宿してきた。祖母の死後ミクリアに「怠惰の悪魔」が宿り、その恩恵からヴェノマニア公の洗脳が効かず、ハーレムの中では唯一洗脳されずに自分の意志でハーレム入りをしていた。後に彼女に「怠惰の悪魔」が宿っていたことに気付いたアイアールから人形を与えられ、ミクリアに宿っていた悪魔は人形に移る。ハーレム生活の後半では長い付き合いであったローランがヴェノマニア公の悪魔のせいで死んだ事で、彼女にも思うところができはじめ、ヴェノマニア公に深入りすることを避けていた。 事件後はラサランドの町で娼婦として暮らし、その後ヴェノマニアの子を出産している。『プラトーの花』では高原のカルガランドの町に移り住んだミクリアが描かれ、領主のギルベルドと結婚しているが、実は本物のミクリアはカルガランドの町に行っておらず、子を産んで間もなくエルルカに看取られて亡くなっている。夫ギルベルドとミクリアが娼婦だったことを知る男と母親を訪ねてきたミクリアの息子を殺害したのは、器を得て催眠で彼女に成りすましていた「怠惰の悪魔」ことイブ=ムーンリットであった。 ローラン=イブ (Lolan Eve) 年齢:32歳 リザ・アの町にある劇場の花形の踊り子。浅黒い健康的な肌の持ち主で、周辺に噂が広まる程の美女だが、同性愛者であった為に男性経験は殆どなかったらしい。彼女の噂を聞いていたヴェノマニア公に誘惑され、ハーレム入りとなる。ミクリアと同じくグミナとは非常に仲が悪かった。 元々の性嗜好を洗脳で無理矢理変えられたことから精神的な負担が多く、そのせいで悪魔の影響を強く受けてしまい、床に伏せがちになってしまった。ある日の晩にヴェノマニア公と情交を交わした後、朝食を運んできたルカーナが死亡している彼女を発見した。遺体はアイアールによって運ばれ、事件発覚時には白骨化した状態で見つかっている。 ハクア=ネツマ (Hakua Netsuma) 年齢:22歳 ネツマ族の女性。アイアールが使用している身体であるハル=ネツマの姉。悪い魔術師(ハル=ネツマの身体を乗っ取ったアイアール)によって故郷が滅ぼされた後、放浪していたところをヴェノマニア公に出会い、洗脳されハーレム入りとなる。ヴェノマニア公が彼女を選んだ理由は単に「アイアールに似ているから」という理由だったらしく、姉であることを知らずに連れて来たらしい。 ハル=ネツマがアイアールに身体を乗っ取られていることを知らず、妹との再会を喜び彼女にべったりしている。アイアールは常にべったりしてくる事と、ハル=ネツマに残るわずかな意識が「お姉ちゃんを殺すな」と訴えてくることから、ハクアに苦手意識を抱いている。 リリエン=ターナ (Lilien Turner) モチーフ:Lily 年齢:24歳 アスモディン地方ミスティカに住むパン屋の娘。ルカーナの幼馴染であり、農夫の息子であるラージフと共に仲良し三人組であった。 大きくなってからなかなか会う機会はなかったものの、行方不明になっていたルカーナの身を案じていたようで、ヴェノマニア邸で再会した際に互いの再会を心から喜んでいた。同時にルカーナはヴェノマニアに抱かれるリリエンの身を案じるようになっていき、ルカーナの洗脳が徐々に解けていくきっかけとなった。 ヴェノマニアが討たれた後は、ヴェノマニアの子を身ごもっていたルカーナ、そして幼馴染みのラージフと共にミスティカを離れて各地を転々としている。 カロル=シールズ (Carol Shields) グラスレッド侯爵に仕えるグミナの従者。赤毛の髪が特徴的で、スレンダーな身体に反して武芸の腕を持つ。サテリアジスとケルビムとも顔見知り。 ヴェノマニア公がグミナを奪うためにグラスレッド邸を強襲した際、悪魔と化したヴェノマニアに対抗するも洗脳され、グミナと共にハーレム入りとなった。グミナへの忠誠心は高く、洗脳されてもヴェノマニアの命令よりもグミナの指示を優先させる程。ヴェノマニアが討たれた後は、グラスレッド侯爵やグミナと共にエルフェゴートに移り住んだ。 ユフィーナ=マーロン (Yufina Marlon) 年齢:26歳 マーロン王国の王妃。当時のマーロン王家の血を引く唯一の後継者で、ベルゼニア皇帝家の次男マルチウスを婿養子に迎えた。しかし、その一方で夫に対してやや不満を抱いており、マーロン国の貴族カーチェス=クリムと不義の関係にある。 大罪の器のひとつ「黄金の鍵」の持ち主で、そのことが理由でアイアールに目をつけられ、ヴェノマニアに洗脳されハーレム入りとなった。彼女を捜しにきたカーチェスがヴェノマニアを打ち取ったことで解放され、そのまま駆け落ちした事で、マーロン国及びベルゼニア帝国から追われる身となる。後にカーチェスは周辺貴族を味方につけ、彼女が正当なマーロン王家の血を引いていることを利用して「正統マーロン国」を建国。様々な経緯を経て結果的に「マーロン国」と「正統マーロン国」は統合されることになった。 テット=セトラ (Tette Cetera) 年齢:31歳 ベルゼニア帝国士爵(騎士) 魔道師アイアールのシンパの一人で、貴人を誘拐する前提として情報の漏洩や数々の裏工作に協力していた。 引き換えに執着していた若さという恩恵を得ており、三十代に関わらずとてもそうは見えない。が、次第に見境をなくしたヴェノマニアの誘惑によってハーレム入りとなり、その事からアイアールの情報網に瑕疵が出ることになってしまう。 ネルネル=ネルネ (Neruneru Nerune) 年齢:19歳 ベルゼニア帝国に仕える工作員。 「女性連続失踪事件」の調査をしておりメイリスに定期的に報告を届けていたが、ヴェノマニアの魔の手にかかる。 その繋がりからメイリスをヴェノマニアの足元へと案内した。 メイリス=ベルゼニア (Maylis Beelzenia) モチーフ:MEIKO 年齢:22歳 ベルゼニア帝国第三皇女。年の離れた末子であったため、父の皇帝からは甘やかされ育った、好奇心が強いじゃじゃ馬姫。 肥満体である他の兄姉達とは違ってスレンダーでありながら肉感的な女性であり、そのこともあって内心では隔意を持っていた。世話役であり、既婚者であるコンチータ男爵に好意を抱いており、初恋と失恋を経験した事でじゃじゃ馬ぶりは影を潜めていた。しかし義姉のユフィーナがカーチェスと不倫関係にあると知って、それを羨ましく思うようになり、好奇心とユフィーナを案じる両面からコンチータ男爵を通じて事件に首を突っ込む。 意を決してヴェノマニアの懐へ飛び込むものの術には逆らえず、ハーレム入りとなった。事件解決後にヴェノマニアの子を宿していた事が判明し、周囲の反対を押し切って女児を出産。しかし皇家の子とは認められず、思案の果てにコンチータ夫妻に託す事にした。 アンリー=スイーツ (Annlee Sweets) 年齢:62歳 ヴェノマニアがローランの死をきっかけにハーレム構成員の健康を気遣って連れてきた医師。 容貌に見るべきところはあるが、年齢が示す通りに明らかな老女であり肉体関係を結ぶために連れてきたわけではないと明言されている。
※この「ヴェノマニア・ハーレム (Venomania's harem)」の解説は、「七つの大罪シリーズ」の解説の一部です。
「ヴェノマニア・ハーレム (Venomania's harem)」を含む「七つの大罪シリーズ」の記事については、「七つの大罪シリーズ」の概要を参照ください。
- ヴェノマニア・ハーレムのページへのリンク