ベーダー一族
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/09 05:50 UTC 版)
異次元宇宙に潜む好戦的な別世界の人類の種族。幹部全員が顔出し俳優による人間である。爆発によって故郷のベーダー星を失っている。一般の宇宙とは全く異なる美醜の感覚を持ち、人間が美しいと思うものを醜いと感じて嫌悪し、ヘドロなどの汚いものを美しく感じる。デンジ星を始めとする多くの星々を滅ぼしており、地球もガスやヘドロで渦巻く腐った世界に改造しようとする。異次元空間に浮かぶ巨大なベーダー魔城を本拠地にしている。怪人までがヘドリアン女王のカリスマ性に忠誠を誓い、歴代でも屈指の結束の固さを誇る敵組織だが、客将バンリキ魔王の参入以降大きく引っ掻き回されることとなる。名前はヘドリアン女王と元々ベーダーではないバンリキ魔王一派を除き、全て「○○ラー」で統一されている。 各キャラクターの身長・体重などの設定はない。 ヘドリアン女王 ベーダー一族の最高権力を持つ女王。ベーダー一族に対する慈悲深さと、侵略目標となった惑星への果てしない憎悪が同居する。第35話では一度だけコミカルな描写があった。全宇宙で自分が最も美しい存在だと鏡に向かって豪語する。強力な超能力を持っており、呪いや妖魔術を得意とする。スリーサイズはB:98、W:98、H:98。年齢は7600歳。バンリキ魔王の反乱によってベーダー城を乗っ取られ、最終話までに全ての部下を失い、ついに魔王によって死に追いやられた部下たちの仇を討つため宿敵デンジマンにミラーが変身した水晶玉を介して妖魔術でバンリキモンスの弱点を教え、デンジマン逆転勝利の鍵を与えた。ベーダー城へ攻め入ってきたデンジマンにホログラフィーで別れの言葉を告げ、いずこともなく消え去る。その直後、ベーダー城は自爆した。デザイン段階で配役を曽我町子にすることが決定しており、初めから彼女を想定してのデザインがなされている。プロデューサーの吉川進からの要望により胸元が強調されている。衣装の白い部分は骨をイメージしている。 頭部の角はセットに引っかかることが多く、曽我本人からの苦情も出ていたため、次作での登場時には角のないデザインに変更された。 『太陽戦隊サンバルカン』 第4話から50話まで登場。北極の氷の中で眠っていたが、第5話でメカ心臓を移植され機械人間として蘇生し、人類征服のため共通の敵となるサンバルカンを倒すべくブラックマグマと手を組んだ。ブラックマグマではヘルサターンに次ぐナンバー2という高い地位を与えられている。ベーダー一族のころと同様に、強力な妖魔術を使いこなす反面戦闘力はほとんどなく、人間を精神面から破壊する頭脳的な作戦を好む。「道楽」で作戦行動を立案するといったように、ベーダー一族のころよりも軟派・コメディな一面が強調された。終盤、アマゾンキラーと共謀し機械帝国の乗っ取りを画策するもメカ心臓の腐食が原因で病死する。最終話にはヘルサターン総統とともに「全能の神」の使いとして登場した。 ヘドラー将軍 ベーダー一族の戦闘司令官。女王に絶対の忠誠を誓う、部下からの信頼も厚い武人である。バンリキ魔王参戦までは、唯一の男性幹部。バンリキ魔王の反乱時にバンリキ魔王と互角に渡りあうほど実力の持ち主であり、女装を含めた変装も巧みで、自ら作戦指揮を執ることもある。特に剣術を得意としており、サーベルを武器に戦う。バンリキ魔王との確執の末、遠回しに戦死を命じられ、「バンリキ魔王に手柄を奪われるくらいなら」と悲壮の覚悟を持ってデンジマンとの決着をつけるべく女王から授かったベーダーの剣を用い自ら巨大化してダイデンジンと戦うが、電子満月斬りで剣ごと両断されて敗れ去る。ヘドラーの武人気質は敵であるデンジマン、特にデンジレッドからも敬意を抱かれ、ヘドラー戦死直後、彼を破ったデンジマンから敬礼された。 第34話ではヘドラーの前任者として、誤ってビーダマラーの卵を地上に落としたヒダラー前将軍の名が語られている。ヘドリアン女王同様、鎧の白い部分は骨をイメージしている。 関連書籍では初期の髭の無いスチール写真が掲載されることも多いが、本編では貫禄を出すために立派な髭を蓄えている。「香山浩介さんは、最初は設定になかった口髭を自分で工夫して付けたりして頑張ってくれました」と吉川進は語っている。 ミラー 女スパイ。女王の姿鏡や女王の妖魔術をサポートする水晶玉などに変身。 最後は女王を守り、バンリキモンスの弱点を探り出すためにバンリキ魔王に寝返ったふりをして、その弱点が尻尾であることを探り出した。そして女王の下に参じて弱点が尻尾であることを伝え、自らも水晶玉に変じて、女王がアイシーに弱点を伝えることに成功する。バンリキモンスが倒されたことに怒り狂った魔王に急襲されるも、隙を見て魔王に光線を浴びせて失明を伴う致命的なダメージを負わせる。しかし失明で狂乱した魔王の槍をその身に受けてしまい、女王の腕の中で息絶えた。ヘドリアン女王と同様にデザイン段階で配役が決定しており、吉川の要望により色っぽくデザインされた。 黄金の衣装は『宇宙刑事シャリバン』第42話など、東映特撮作品にたびたび流用されている。 ケラー 女スパイ。変装を伴う諜報活動に関しては、ミラーより上手である。女王を守る盾に変身。頭にある緑色の石から催眠光線を発射する。最後は女王を庇いバンリキ魔王に倒される。セクシーなミラーに対し、小悪魔的なかわいらしいデザインで描き分けられた。 ベーダー怪物 ヘドラー将軍が作戦の度にベーダーの卵を選択し、孵卵器で育てられ、怪物製造レンジで孵化・誕生するベーダー一族の怪人。怪物製造レンジを経ずに誕生した場合人間の姿で孵化するが、成長期に入ると怪物としての本能が現われ始め、最終的に怪物と化する。ビーダマラーがこれに該当する。自らの細胞体の配列を組み換えることで、作戦に応じて自由自在に巨大化したり元の大きさに戻ったりできる上、逆にミクロ化することも可能。またダートラーなど人間体での活動が多い者も存在する。怪人は左右非対称のデザインのものが多い。 ベルトのバックル部には製造番号があしらわれている。第1話のムササビラーが「00番」であるため、番号は「話数-1」で設定されているが、第18話 - 第20話および第24話 - 第26話ではそれぞれナンバーが前後し、バンリキ魔王初登場となった第37話ではベーダー怪物は登場せず、前回(第36話)のノラネコラーは「35番」なのに対し、次回(第38話)登場のカマキラーは「36番」、その次回(第39話)のアクマラーは「38番」となっているため、「37番」の怪物は未登場となった。また劇場版登場のアンゴラーは、製造番号の代わりにベーダーの紋様が配されている。 ジシンラー以下7名はデンジマンやその関係者、デンジランドなどを狙う目的で使役され、サッカラーはテロ作戦を実行したが、勲章を餌に、バンリキ魔王について、ヘドリアン女王を裏切り、ケンダマラーに処刑された。 第4話までは、巨大化後ダイデンジンに首を切断されて倒されており、遺された首はベーダー側に回収されベーダー城に陳列されていた。デザインを担当した野口竜は、不安な存在であることを表現するために左右非対称のデザインとし、片側が「生」、反対側が「死」をイメージしている。初期は特にモチーフを設けず後付で名称が決められていたが、プロデューサーの吉川進の意向により子供たちにわかりやすいモチーフが取り入れられていった。 ダストラー 単純細胞によって作られる即席の下級兵士。1つの卵から複数体が孵化する。武器は大鎌。その死を女王に哀惜されるなど、大切に扱われるベーダー怪物以上の構成員と違い、女王の機嫌を損ねて(野球が下手など)処刑されることもあり、終盤ではバンリキ魔王の反乱に加担した者もいた。
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