ゲロゴンとは? わかりやすく解説

ゲロゴン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/04/10 09:57 UTC 版)

ローデンストック」の記事における「ゲロゴン」の解説

アポ・ゲロゴン (Apo-Gerogon) 4群6完全対称・オルソメター型で、完璧なアポクロマート補正なされている業務用プロセス・レンズで色収差を高度に補正している。現行のアポ・ロダゴンシリーズの前身とも言えるが、主目的屋外使用考慮され製版用プロセスレンズであったため、長焦点レンズ主体である。1/10×から10倍の撮影倍率のために最適化されているが、広い用途使用される完璧なアポクロマート補正をすると球面収差激増するので、それを抑えるためにF9など開放F値大きくしている。写真製版などの業務需要縮小に伴いすでに製造停止である。 大まかに前期型中期型後期型などがある。前期型は、アルミ削りだしのレンズ鏡筒絞り環などがゼブラ仕上げの総金属製鏡筒になっている中期型は、鏡筒前期型同様に金属鏡筒だが、鏡筒デザインは、最近[いつ?]のロダゴンシリーズの金属鏡筒製の高級品と部品共有している関係上、レンズ前群は同じデザインである。このタイプも総金属鏡筒である。カラー印刷主流になり、それに合わせてコーティング改善されたがモノコート主体であった中期型にはドイツ製の他に日本製個体存在している。中期型日本製アポ・ゲロゴンはマルチコーティングである。後期型品目によっては、現行ロダゴン同様の合成樹脂鏡筒変更されたものもある。プロセスレンズでありながらウォーターハウス[要曖昧さ回避]型アタッチメントスロットを備えていないが、プリント引き伸ばしから、写真製版一般撮影まで多目的に使用した場合でも描写性能が高い。 古い年代の品目によっては、開放絞り色収差レンズフレアが出るものもあるが、いずれも絞りを1段絞ればほぼ完璧な描写である。240 mm以下のレンズ前期型 - 後期型まで、絞り開閉寄与する内部リング樹脂製である。前期型は透明樹脂絞り番号印刷されているが、中期型以降黒色樹脂絞り番号印刷されたものに変更されている。クリックストップ機能は、一般的なボールベアリングではなく一貫して簡易な金属片バネ落とし込み式であるため、メンテナンスが容易である。後期型絞り環クリックストップ機構は、全て樹脂製のため、摩耗すれば機能しなくなる。 135 mm F9 - ライカLマウントアタッチメントはφ40.5 mmねじ込み。5絞り後期型合成樹脂鏡筒の物が確認されている。現行ロダゴンシリーズの短焦点製品と共通の鏡筒であり、レンズマルチコーティングである。 150 mm F9 - ライカLマウントアタッチメントはφ40.5 mmねじ込み。5絞り一般的なマウントねじの上焦点距離短く取り回ししやすいことから、一般撮影接写利用するケースも多い。前期型ゼブラ仕上げ金属鏡筒で、これは無垢アルミニウムからの削り出し製作されており、アルマイト処理により黒色着彩されている。中期型は、現行ロダゴン150 mm F5.6の縮小のようなスタイル金属鏡筒後期型鏡筒現行ロダゴンシリーズの短焦点製品同様の合成樹脂鏡筒になったが、レンズマルチコーティング変更された。画質的には画素ピッチの細かい3600万画素の高解像力デジタル一眼レフカメラ使用してレンズ側に充分余裕がある。 210 mm F9 - φ50 mm P=0.75 ねじマウントアタッチメントはφ49 mmねじ込み。7絞り前期型ゼブラ仕上げ金属鏡筒、これは無垢アルミニウムからの削り出し制作されており、アルマイト処理により黒色着彩されている。中期型現行金属鏡筒ロダゴン150 mm F5.6に似たデザイン。アポ・ゲロゴンシリーズの中では古いタイプレンズで、一度リニューアルして中期型までは作られたが、その後絶版になった。そのため後期型はない。前期型レンズイメージサークル大きく5×7 in判までカバーできる反面、マウントネジよりもレンズの後群がかなり大きく広がったラッパ状のデザインなので、レンズ前後分離してから機器装着するタイプとなっている。そのため制約多く、短い焦点距離の割にメンテナンスしづらい絞り羽根開閉させる内部リングは透明樹脂製である。劣化するので機械油グリスの類は使えない前期型はレンズ・コーティングが未熟な上、広い角度カバーするレンズのため、一般撮影においては逆光弱く絞り開放の時レンズフレア目視では判断できない程度色収差が出るが、一段絞り込む色収差は非常に良好になる。レンズフレアハレ切りして回避することが推奨される前期型は、オメガOEM供給していたオメガロン135 mm F4.5と絞りユニット共有している。アポ・ゲロゴン240 mm F9よりも設計古く解像力レンズだが、レンズフレアがとても出やすいので使いにくいところがある。中期型現行金属鏡筒ロダゴン150 mm F5.6と同じデザインであり、絞りユニット部分などは共有している。また中期型は後群レンズもアポ・ゲロゴン240 mm F9デザイン似たようなものに変更しラッパ状には開いていない。レンズ・コーティングもアポ・ゲロゴン240 mm F9中期型と同じものになった。ただしモノコートレンズフレアが出やすいところは変わっていない。マウントはφ50 mm P=0.75ねじマウントアタッチメントはφ52 mmねじ込み。7絞り210 mm F16 - φ40 mm P=0.75ねじマウントアタッチメント使用不可。F16の固定円形絞り極めて限定的な使用のために設計されレンズで、良好なアポクロマート補正なされているが、撮影倍率 1:1 に対して絞った設計になっている現行品のアポ・ロダゴン-D (Apo-Rodagon-D) と同様に高速等倍デュープリケーションのマクロレンズとして開発されたもの。レンズ固定絞りなのだがそのちょうど真ん中の前群と後群で半分のところでレンズをねじると前後分かれる。そこに黒色ドーナツ状に穴の開いた金属円盤があり F16 の固定をなしている。これを外して、穴の大小異な同様の円盤製作して挟みレンズ組み上げれば多少絞り開け閉め可能になる光学系異なるので他のゲロゴンシリーズとは別系譜のレンズである。1:1 を外れた撮影をすると大幅に画質悪化する4×5 in判のポジデュープ用。精度の高いシステム高速ポジ複写をする場合用いられた。生産本数少なく一般人目にする機会滅多にないプロラボ用の特殊レンズまた、一般に再利用仕方もない。写真需要縮小に伴い既に廃盤である。 240 mm F9 - φ50 mm P=0.75ねじマウントアタッチメントはφ52 mmねじ込み。7絞り事実上4×5 in判カメラ標準レンズ存在。このレンズ現行の金属鏡筒ロダゴン150 mm F5.6と全く同じデザインであり、絞りユニット部分なども共有している、そのため、絞りナンバー光らせるための採光窓がユニットには存在するが、実際にレンズの後群に完全に隠されてしまうので機能しない絞り窓も光を通さないタイプである。アポ・ゲロゴン210 mm F9前期型異なり、後群レンズ広がっていないので、機器への装着が簡単である。絞り羽根開閉させる内部リング黒色樹脂製である。劣化するので機械油グリスの類は使えない。アポ・ゲロゴンの中では一番流通量多かった品目日本製個体確認されており、これはレンズ外見現行金属鏡筒ロダゴン150 mm F5.6と同様のものだが、マルチ・コーティングのものとモノコートのものが存在しており、この日本製レンズ絞りユニットには採光窓がないところがドイツ製のものと異なりレンズ名のロゴ書体異なる。鏡筒周囲Made in Japanプリントされている。ドイツ製のレンズでは引き伸ばし機メーカーのベセラーにもベセラーアポHD 240 mm F9という名前でOEM供給していた。このレンズ画角を欲張った設計にしていないため、強逆光でもレンズフレアが出にくい。画質的には画素ピッチの細かい、3600万画素の高解像力デジタル一眼レフ1600万画素のマイクロ・フォーサーズ・カメラで使用して解像力にまだ充分に余裕がある。 270 mm F9 - φ50 mm P=0.75ねじマウントアタッチメントはφ58 mmねじ込み金属鏡筒ゼブラ仕上げ前期型中期型流通していた。マウントネジよりもレンズの後群がかなり大きく広がったラッパ状のデザインのため、レンズ前後分離してから機器装着するタイプとなっている。アポ・ゲロゴン-S 270 mm F11よりも集光率を高めた分、イメージ・サークル8×10 in判限界である。 300 mm F9 - φ58 mm P=0.75ねじマウントアタッチメントはφ67 mmねじ込み金属鏡筒ゼブラ仕上げ前期型中期型流通していた。マウントネジよりもレンズの後群がかなり大きく広がったラッパ状のデザインのため、レンズ前後分離してから機器装着するタイプとなっている。ロットナンバー11000000番台レンズ中期型だが、Rodenstock のロゴ明らかに今までの古いものと異なりまた、これはモノコート主体だが日本製である。このレンズ画角広くとっているが、1600万画素のマイクロ・フォーサーズ・カメラで使用して解像力にまだ余裕がある。 360 mm F11 - φ58 mm P=0.75ねじマウントアタッチメントはφ77 mmねじ込み金属鏡筒事実上8×10 inカメラ標準レンズ存在ゼブラ仕上げ前期型中期型流通していた。マウントネジよりもレンズの後群がかなり大きく広がったラッパ状のデザインのため、レンズ前後分離してから機器装着するタイプとなっている。 アポ・ゲロゴン-S 270 mm F11 - φ58 mm P=0.75ねじマウントアタッチメントはφ77 mmねじ込み。8角形絞り採用中期型流通していた。マウントネジよりもレンズの前群と後群がかなり大きく広がった鼓状のデザインのため、レンズ前後分離してから機器装着するタイプとなっている。ドイツ最大のライバル・メーカー、シュナイダー・クロイツナッハ8×10 in判用に開発した解像力描写を誇る接写マクロレンズ・Gクラロン対抗して設計製作されたのが本製品で、画角70度もある巨大なイメージ・サークルカバーするレンズである。主に屋外での接写風景撮影使用された。8×10 in判よりも大きなフォーマット用にも対応できるイメージ・サークル確保するために、レンズの後群がラッパ状に広がっている。メーカーでは使用形態曖昧にしていたので、このレンズ撮影をして、このレンズ引き伸ばしプリント制作もされた。このクラスレンズ汎用性の高さも重要視される。Gクラロンよりもレンズシャッター組み込むのが困難な光学系のため、真っ暗にしてストロボ・ライト撮影したり、ジナー・シャッターやローラーブラインドシャッター併用して使用されたが、昨今[いつ?]ではデジタルバックカメラや1億画素のラインセンサー・カメラなどでの使用もでき、撮影自体楽になった。画角を欲張ったので後群が巨大化したが、レンズ集光率を犠牲にして絞り開放F値をF11に留めているので、残存色収差補正はほぼ完璧にできている。F90まで絞れるがメーカーでのアナウンスでは、F22で最高の性能発揮できるように設計されている。Gクラロン対抗馬なだけに1:1の等倍接写での解像力は優秀である。Gクラロン残存色収差激し個体多く設計古さ否めないが、本レンズ真のアポクロマート謳っているだけあり、残存色収差目視では気にならない。リンホフ・ボードに取り付ける際、専用締め付けナットはすでに入手できないのだが、一般的なφ67→φ58 mmのステップダウン・リングを流用できる。また、8×10 in判よりも大きなフォーマット用に開発されたため、イメージサークル極端に大きいので、4×5 in判120フィルムサイズのフイルムバック、デジタルバック、また高解像力デジタル一眼レフなどを使用する極端なアオリ撮影も可能である。

※この「ゲロゴン」の解説は、「ローデンストック」の解説の一部です。
「ゲロゴン」を含む「ローデンストック」の記事については、「ローデンストック」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「ゲロゴン」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ



英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「ゲロゴン」の関連用語

1
8% |||||

ゲロゴンのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



ゲロゴンのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaのローデンストック (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS