塀 現代日本における塀

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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/09 09:45 UTC 版)

現代日本における塀

法令による規定

建築基準法(施行令)におけるブロック塀の規定[4]
補強コンクリートブロック造 組積造(石・煉瓦等)
高さ 2.2m以下 1.2m以下
厚さ 高さ2m超の場合は15cm以上

高さ2m以下の場合は10cm以上

高さの1/10以上
基礎 高さ1.2m超の場合は、基礎高さ35cm以上、根入れ深さ30cm以上 根入れ深さ20cm以上
鉄筋 ・基礎部分に充分に定着させる。

・壁の両端・隅角部に入れる。

・80cm以内に縦筋と横筋を入れる。

・鉄筋先端は鉤状に折り曲げる。

・鉄筋周囲をモルタルで埋める。

控壁間隔 ・高さ1.2m超の場合は、塀の長さ3.4m以下毎に控え壁を設置。

・控え壁の長さは壁の高さの1/5以上。

・長さ4m以下毎に控え壁を設置。

・控え壁の長さは壁の高さの1.5倍以上。

ブロック塀の危険性

日本においては、1960年代以降の高度経済成長期、敷地の内部を見通すことのできないコンクリート製の高いブロック塀が多く設置されたが、地震によるブロック塀の倒壊が問題視されるようになったことや、内部が見通せないことは外から敷地内の犯罪に気付かないケースなど防犯上も問題があるとされ、近年ではブロックを2、3段程度重ねた上にアルミ製のフェンスを設置するケースが多く見受けられる。過疎地では震度6強、7の大地震でもエクステリア倒壊による死亡被害は発生しなかったが、震度5強でも大都市やその周辺で発生した場合は、死亡被害が発生していた。これは都市住宅密集地には、狭隘道路・敷地家屋が近接した隣地境界線などの理由で、古い危険なブロック塀がそのまま数多く取り残されていることが原因である。また、阪神・淡路大震災時には古いブロック塀が倒壊し、ガラスの破片状となって凶器となり道路をふさぐ要因となった[5]日本建築防災協会は、ブロック塀の点検の安全チェックポイントとして以下を挙げている[6][7]

1、塀の高さが地盤から2.2m以下であること。
2、塀の厚みが10cm以上であること(高さが2.2m超えの場合は15cm以上)。
3、塀の高さが1.2m超えの場合、塀の長さが3.4m以下ごとに控え壁があること。
4、コンクリートの基礎があること。
5、塀に傾き、ひび割れがないこと。
6、塀に鉄筋が入っていること(直径9mm以上で縦横共に80cm間隔以下で配筋されており、縦筋は絶頂部及び基礎の横筋に、横筋は縦筋にそれぞれかぎ掛けされているか、基礎の根入れ深さが30cm以上あること)。

[6] ※6に関しては、素人では判断できないため専門家に相談する必要がある[6]

塀のねっこ工法

金沢工業大学と民間企業との共同開発を行った「塀のねっこ」。耐震振動試験を国内では唯一実施しているプレキャストコンクリート塀製品。

ブロック塀に置き換わる工法として、工場製のコンクリート製品を用いたプレキャストコンクリート塀工法がある。ブロック塀の問題点はその構造体の脆弱さ(モルタル充填の薄さによる中性化・基礎とCBの間等からの水分侵入などによる鉄筋腐食)・施工監理の甘さ(基礎構造が適切でないことが多いが確認申請がほぼ行われていない)に由来する。従って基礎から塀壁体まで一体化されている工場製品の場合はこの問題点がなく、現場打の鉄筋コンクリート塀と比較して施工による不良も発生し難い。しかしながら現状、普及している製品は少なく、金沢工業大学と民間企業とで共同開発を行い特許取得をしている「塀のねっこ[8]」が知られている。「塀のねっこ」はプレキャストコンクリート塀として国内で唯一耐震振動試験を実施している製品である。[8]


FIT工法

岐阜大学農学部と民間企業との共同開発で可能となったFit Wall。「FIT工法」として特許を取得。

耐震エクステリア開発の新技術として、鉄筋コンクリート製の塀と比較して20%から25%の重量に軽量化されたパネル構法を採用した低重心の木質の壁が岐阜大学農学部と民間企業との共同開発で可能となった。木質壁の場合、雨水対策が問題となるが、完全防水処理技術を施したものが「FIT工法」として特許を取得し、岐阜県の事業可能性評価制度においてA評価と認定されたほか、リフォーム用のコンクリートブロック等耐震補強金具が開発され、防災安全協会から災害時に有効な「防災製品等推奨品」の認定を受け、岐阜県の事業可能性評価制度でA評価と認定された[7]。さらに新設、改修向けの「FIT WALL」は、コンクリート1m2当たり150kgに対し1m2当たり30-40kgで低重心で倒壊しにくい上、万が一倒壊しても人的被害が少なくて済む上、ユニット型であるため工事が1日で済み、デザインも自由にできる[5]

伝統的な日本家屋に新設された新素材も使用した塀

  1. ^ a b c コトバンク「塀」”. 2018年8月11日閲覧。[要出典]
  2. ^ a b c d e f g h i 西村亮彦・曽根直幸・栗原正夫・木村優介「わが国における塀・垣類に係る伝統的工法の地域的な特徴に関する研究 土塀・石塀」、土木史講演研究集 Vol.35 2015年 土木学会、2020年4月15日閲覧。
  3. ^ a b 住宅建築専門用語辞典、2020年4月15日閲覧。
  4. ^ 2-1. ブロック塀の主な規定
  5. ^ a b 『エクステリア&ガーデン』2013年秋号 112P 浦崎正勝
  6. ^ a b c 国土交通省 - 建築物の塀(ブロック塀や組積造)の安全点検等について”. 2018年8月11日閲覧。
  7. ^ a b 大林株式会社 - 耐震エクステリア開発の歩み”. 2018年8月11日閲覧。
  8. ^ a b ハウジング・トリビューン vol.593. (株)創樹社. (2020年2月28日) 


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