かえり‐てん〔かへり‐〕【返り点】
漢文訓読
返り点
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/05 09:42 UTC 版)
レ点(雁点) レ点のついている字をまず読んだ後にその字の上の字を読む。レ点で済む部分は全てレ点で済まし、その他の二字以上返る返り点も上位の返り点がどうしても必要な部分以外は最下位の一二点で済ます。 レ点のつくところで改行すると、次の行の先頭にレ点がある。これは以下に紹介する返り点にはない属性である。 点の形がカタカナのレに似ていたことが呼び名の由来である。かつては雁金点(かりがねてん)と称された。当初は文字と文字の間に「∨」のように書かれ、その形が雁の飛ぶ様に見えたためである。 一二(三)点 一、二、(三)のついている順に読む。以下同様。二字以上返るときに使う。 上(中)下点 しくみは一二点と同じ。一二点の範囲をまたぐときに用いる。但し返るのが1回だけのときは中は使わず上と下を使う。 甲乙(丙)点 しくみは一二点・上(中)下点と同じ。上下点の範囲をまたぐときに用いる。また、一二点の範囲をまたぎ3回以上連続で2字以上返る場合は、一二点より上位の返り点が4つ必要だが、上(中)下点は3つまでしかないため、上(中)下点を飛ばしてこの甲乙(丙)点を使用する(甲乙丙点は理論上は癸までの10個あるといえる)。 天地(人)点 しくみは一二点・上(中)下点・甲乙(丙)点と同じ。甲乙丙点の範囲をまたぐときに用いる。但し返るのが1回だけのときは人は使わず天と地を使う。 元亨(利貞)点 もしくは 乾坤点 天地人点の範囲をまたぐときに用いるとされる。「元亨利貞」は易の言葉である。この記号を使わなければ訓読できないほど構造の込み入った文は、まれである。 ハイフン(竪点) 熟語をひとまとまりに扱う。2字以上の熟語に返ってくる時に使う必要が出てくる。例えば、吾日三二-省吾身一 は「吾日に吾が身を三省す」と読む。「身」を読んだ直後に「三省」を読むのである。また、この場合、二点はハイフンで繋がれた熟語の1字目の左下につける。
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