漢文の訓読によりて伝えられたる語法とは? わかりやすく解説

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漢文の訓読によりて伝えられたる語法

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/14 15:04 UTC 版)

漢文の訓読によりて伝えられたる語法』(かんぶんのくんどくによりてつたえられたるごほう)は、山田孝雄の著書。1939年宝文館より出版された。

概要

普通文の、漢文訓読体に由来する単語語法を挙げ、解説する。全46項。この本の主題である漢文訓読体に特徴的な語彙という観点は、戦後の漢文訓読体の研究(訓点語学)にも受け継がれ、漢文訓読体の語彙に関するテーマの一つでもある。

項目

全46項のうち、1項(現代語法の本質),2項(漢文の訓読法の史的概観),3項(漢文の訓読に伝われる語法の概観)項と46項(結論)を除いた42項が単語・語法の解説である。

ごとし・かくのごとし(4項)、いわく・おもえらく(5)、ねがわくは・おしむらくは(6)、いわゆる(7)、なんなんとす(8)、かえんなん(9)、なんすれぞ(10)、なかりせば・なかっせば(11)、しかり・しかれども(12)、しこうして(13)、しむ・して(14)、べし・べからず・すべからず(15)、あに(16)、いまだ(17)、かつ(18)、かつて(19)、けだし(20)、すでに(21)、すなわち(22)、むしろ(23)、もし・もしくは(24)、あい(25)、あえて(26)、いたりて・きわめて(27)、すべて・はたして(28)、よりて(29)、幸に・しきりに・みだりに(30)、あるいは(31)、および・ならびに(32)、おいて(33)、ために(34)、ゆえに・ゆえん(35)、もって(36)、ところ(37)、いえども(38)、欲す(39)、がえんぜず(40)、あたわず(41)、のみ(42)、いわんや(43)、これあり・これなし(44)、再帰格のこれ(45)

扱われている語数

42項のうち、異なる単語・語法が一つの項で言及されているので、あつかっている単語・語法の数と項目の数は一致しない。個々に数えると、ごとし、いわく、おもえらく、ねがわくは、こいねがわくは、おそらくは、うらむらくは、こうらくは、おしむらくは、いわゆる、なんなんとす、かえんなん(=成句 かえんなんいざ)、なんすれぞ、なかりせば(なかりせばとなかっせばは発音の違うだけで、同一の単語であるので一つと数える)、しかり(しかるに、しかれどもが挙げられているが、「しく+あり」からなる「あり」の部分の活用したものであり、しかりと同一の単語と数える)、しこうして、-しむ(助動詞)、して(用言連用形+しての場合の「して」)、べし、まさに~すべし、よろしく~すべし、すべからく~すべし、べけむ(形容詞未然形-け)、あに、いまだ、かつ、かつて、けだし、すでに、すなわち、むしろ、もし、もしくは、あい-(「あう」の連用形に由来する接辞的な要素)、あえて、いたりて、きわめて、すべて、はたして、よりて(「~なり。よって~す」のように文頭に用いる「よりて」)、幸に、しきりに、みだりに、あるは、あるいは、および、ならびに、おいて(「~において」の「おいて」)、ために、為~所―による受け身、ゆえん(所以)、もって、ところ(所+動詞を「~するところ」と読む語法)、いえども(逆接を表す「~といえども」)、いうとも(仮定の逆接を表す「~というとも」)、欲す(欲+動詞を「~せんとほっす」と読むこと)、がえんぜず、あたわず(不可能をあらわす「~するあたわず」)、のみ(文末の「而已」を「のみ」を読むこと)、いわんや、これあり、再帰格のこれ、の62語(単語でない語法も含む)があつかわれている。

関連項目

参考書籍

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