議会議員とは? わかりやすく解説

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議員

(議会議員 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/05/02 23:55 UTC 版)

議場に集まった国会議員

議員(ぎいん、: legislator)とは、地方自治に設置されている議会を構成し、表決権を行使することを通じて有権者の意思を反映させることのできる立場にある者を指す[1][2][3]

現代の議員の選出は原則として公選制であり、その国の法律で定めるところの選挙権を有する有権者からの投票によって選出される。なお、日本公職選挙法第10条において、被選挙権日本国民が有するものと定められている。

概要

国権の最高機関としての国会(議会)あるいはそれに類する組織を設置している国家には、定員こそ違えど議員としての権限を有する者がいることになる。また、その国の地方自治体にも議会が存在し、それを構成する議員達がいる。ほとんどの議会制民主主義国家では、国民による選挙で選出された議員によって議会が構成されている。議会は「国民の代表」である議員によって構成されていることから、国民が政策の決定に直接関与していなくても、国民全員が決定したものと見做される(議会の審議機能)。

議員は「議院自律権」を持ち、議長事務局の選出、議員の資格争訟・懲罰・会議運営等について議会が自ら行うこととされ、他からの干渉を受けないというもので国権として独立した機関を保っている。

議員は有権者の代表として、予算法律の制定、政府の監視などの権能を有している。現在ほとんどの議会制民主主義国家では、権力分立の観点から議会と政府との役割は分担され政治権力の分散が図られている。基本的に議会は「議決機関」、政府は「執行機関」と位置づけられ、それにより議員は立法を、政府は行政を司ることとされている。

役割

主な仕事は、自らが所属する議院や委員会において議案の審議に参加し、修正などの作業に関わり最終的に表決することである。また、陳情を聞いたり集会に参加することで選挙民の意見を伺い、国や地方自治体の政策に反映させることである[3]

国会議員は立法の権限を司っており、国家における最高機関及び法治国家の根幹である法律を制定する議決機関としての役割を担当している。対して地方議会議員は、その地方での条例を制定する権能を有している。

行政に対しては、予算承認権をはじめとした政府に対する監視・監督のための様々な権限を持つ。議会の立法権能に付随したものといわれることもあるが、国政全般について質問するために証人を喚問し、資料を提出させる「国政調査権」は重要な権能である。また、議会が制定する法律が本来的な上位の法であり、政府が定める政令は補完的・従属的である。

司法に対しては、裁判官の選任または在任について何らかの関与をすることが多い。日本では国会において、議員で構成された裁判官弾劾裁判所裁判官訴追委員会を設置する。

議員の公務遂行においては、資質(立法能力、質問能力)だけではなく、廉直性(汚職に関与しないことなど)、さらには私生活上の道徳性についてまで、国民の厳しい監視を受けるに至っている。議員の権限は、行政府の権力集中に対する重要な牽制となっている。

議員の種類

国家の最高議決機関を両院制としている国では、上院下院に分かれていることが多い。これらに所属している議員をそれぞれ上院議員下院議員と呼び、英語でもupper house, lower houseなどと呼ばれる。ただし上院や下院はいずれも便宜的な名前であり、正式名が各国で別に存在する。例えば、アメリカ連邦議会アメリカ合衆国上院は直訳すると「合衆国元老院」であり、アメリカ合衆国下院は「合衆国代議院」である。

世界的な視点で見れば、日本の参議院議員が上院議員に、衆議院議員が下院議員に相当するが、日本の国会議員を指す場合に普通は上院議員、下院議員という言葉は用いない。日本の新聞ニュースではほとんどの国の上下院議員を「アメリカ上院議員」などと国名を付けて呼び、大統領選挙のときなど国名が自明である場合や、複数の議員の名前を挙げるときなど繰り返しになる場合には国名を省略する。

所属する議会の権限によって、議員の権利や権限も大きく変わる。日本でいえば、国会議員には不逮捕特権免責特権があるが、地方議会議員にはこれがない。

日本の議員

脚注

  1. ^ 小項目事典, デジタル大辞泉,精選版 日本国語大辞典,百科事典マイペディア,日本大百科全書(ニッポニカ),ブリタニカ国際大百科事典. “議員(ギイン)とは? 意味や使い方”. コトバンク. 2025年2月9日閲覧。
  2. ^ 小項目事典, デジタル大辞泉,精選版 日本国語大辞典,改訂新版 世界大百科事典,ブリタニカ国際大百科事典. “政治家(セイジカ)とは? 意味や使い方”. コトバンク. 2025年2月9日閲覧。
  3. ^ a b 「政治家」の職業解説【13歳のハローワーク】”. 13歳のハローワーク公式サイト(13hw) -中高生のための…未来のヒントに出会う場所。-. 2025年2月9日閲覧。
  4. ^ 皇室典範28条。
  5. ^ 皇室経済法8条1項。

関連項目

外部リンク


議会議員

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/15 19:19 UTC 版)

第2回全国同時地方選挙 (韓国)」の記事における「議会議員」の解説

広域議会議員690名(前回972名) 広域議員選挙制度小選挙区比例代表並立制地域区:最多得票得た候補当選小選挙区制比例区候補者名簿提出した政党で、地域区における有効投票総数の5%以上を得た政党対し得票比率比例区定数をかけた数字議席配分する広域議会議員定数内訳市・道内訳前回比地域区比例区合計全国合計616 74 690282 首都圏ソウル特別市 94 10 10443 仁川広域市 26 3 29▼7 京畿道 88 9 9739 忠清道大田広域市 14 3 17▼9 忠清北道 24 3 2713 忠清南道 32 4 3625 全羅道光州広域市 14 3 17▼9 全羅北道 34 4 3820 全羅南道 50 5 5520 江原道42 5 4711 慶尚道釜山広域市 44 5 4912 大邱広域市 26 3 2912 蔚山広域市 14 3 170 慶尚北道 54 6 6033 慶尚南道 46 5 5143 済州道14 3 17▼3 広域議会議員選挙党派立候補者数ハンナラ党国民会議自民連国民新党無所属440 478 268 41 344 基礎議会議員:3,490名(前回4,541名):政党による公禁止基礎議会選挙制度地域区(小選挙区制基礎議会議員定数内訳市・道議席前回合計3,490 ▼1,051 首都圏ソウル特別市 520286 仁川広域市 13571 京畿道 466133 忠清道大田広域市 7532 忠清北道 14634 忠清南道 20617 全羅道光州広域市 8144 全羅北道 24934 全羅南道 29548 江原道19550 慶尚道釜山広域市 22595 大邱広域市 14657 蔚山広域市 59 0 慶尚北道 34257 慶尚南道 309142 済州道4110

※この「議会議員」の解説は、「第2回全国同時地方選挙 (韓国)」の解説の一部です。
「議会議員」を含む「第2回全国同時地方選挙 (韓国)」の記事については、「第2回全国同時地方選挙 (韓国)」の概要を参照ください。

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