誤審を巡ってとは? わかりやすく解説

誤審を巡って

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/23 03:29 UTC 版)

マルちゃん杯全日本少年柔道大会」の記事における「誤審を巡って」の解説

2015年9月22日東京武道館開催された今大会小学生の部において誤審問題発生した決勝戦では神奈川県の朝飛道場茨城県無心飯島道場対戦となった先鋒戦は朝飛の選手相手背負投返して技あり優勢勝ち、次峰戦は無心塾の選手袈裟固一本勝ちした。1-1ながら無心塾側が内容差でリードして迎えた中堅戦において、朝飛の選手無心塾の選手終了間際抑え込んだ。しかし、9秒で解けたところで試合時間終了となったことから、本来はポイントなしで両者対戦引き分けに終わるところだった。ところが、試合終了直後主審抑えこんだ秒数の確認を行うために副審合議行ったこの際に、試合会場のデジタイマーが接触不良により「10の位」が表示されない状況にあったことを認識していた副審2名が、抑え込みの9秒を19秒と勘違いして主審提言すると、主審時計に対して正確な抑えこみ秒数の確認を経ることなく、それを受け入れてしまった。その結果、朝飛側に技あり言い渡す事態となった。この時点では審判委員長の平野弘幸もジュリーも、この決定何ら介入することなく事態静観していた。一方で無心塾の監督立ち上がってこれに抗議するものの、この抗議声を聞き取れ範囲内にいた副審無視するかの如く何の反応示さず試合副将戦に突入した。この時、無心塾の監督中堅戦の選手あくまでも畳に留まらせた上で誤審確認要求すべきであったし、副将戦にも選手送り出すべきではなかったとの意見出ている。 副将戦では無心塾の選手技あり先取したものの、朝飛道場選手横四方固逆転一本勝ち収めたことにより、3-1となって数字の上では朝飛道場優勝ということになってしまった。しかしながら、この試合では小学生禁止されている腕緘極めながらの横四方固入っていることから、主審抑えこみ宣告する以前に「まて」をかけるべきであったとの指摘なされている。 副将戦の終了後主審何らかの異変に気付いて先ほどの件で副審と再び合議に入ると、事態をようやく把握した審判委員長の平野呼び出された。そこで中堅戦に誤審があったことの説明受けて誤審認識する至った審判側は両監督納得してもらった上で誤審訂正すべきだと提案すると、審判委員長の平野もそれを受け入れた。早速、朝飛道場監督全柔連強化委員会委員をも務め朝飛大に事の経緯説明するも、旧「IJF試合審判規定第19条fの6項に記されている、「一度主審試合者に試合結果指示したならば、主審副審試合場離れた後には、主審はその判定変えることができない主審間違って、違う試合者に試合の勝ちを指示したときは、2人副審は、主審副審試合場離れる前に主審間違った判定直さなければならない主審副審とによる三者多数決によってなされたすべての動作判定は、最終的なものであり、抗議許されない。」という条項根拠誤審訂正拒否した。(なお、朝飛は後に述べ新規定の「2014年-2016年国際柔道連盟試合審判規定」を十分に把握していなかった。また、問題技ありポイント抑え込み前に相手選手抱きつき小外掛仕掛けて扱けたところを、自チーム選手がそれを浴びせる格好となった状況与えられたものだと勘違いしていたという)。その後無心飯島道場監督長島宏幸に相手側が誤審受け入れないために誤審訂正できないとの事情説明したが、当然のことながら長島はそれに納得しなかった。 しかしながら結果として審判委員長の平野は朝飛が誤審受け入れなかった事態容認して、「誤審があったが、試合成立している。よって訂正せずこのまま試合進める」と場内アナウンスをするに至ったその後大将戦では無心塾の選手指導2で勝利したものの、最終的に3-2で朝飛道場4年連続5度目の優勝を果たすことになったさらには決勝先鋒戦で勝利するなど今大会において初戦から5戦全勝した朝飛の息子最優秀選手贈られるマルちゃん賞を受賞したIJFの「2014年-2016年国際柔道連盟試合審判規定」(第19条 試合の終了 第1項)によれば次のように記されている。 「主審は、本条項に記載されている状況となったとき、「それまで」と宣告し試合終了させる。「それまで」と宣告したとき、主審は、試合者がその宣告気付かず試合続けることのないよう、常に試合者を視野入れておく。主審第8条記載されている動作によって試合結果示した後、試合者はそれぞれ一歩下がり、礼をした後、試合場横の定められ安全地帯から退場する試合者が試合場から退場する際、柔道衣を正しく着用してなければならない試合場内では柔道衣を脱ぐこと、あるいは帯を解いてならない主審は、必要に応じて試合結果を示す前に試合者に柔道衣を直させるべきである。2名の副審は、主審誤って違う試合者に勝ちを示したとき、主審副審試合場離れる前に主審訂正させなければならないその後試合結果変更できない審判委員会の委員その間違い気付いたとき、訂正指示するために主審副審を呼ぶことができる。主審副審による三者多数決によって判断され全ての動作判定が、審判委員会の委員によって合意受けた場合、その判定最終的なものであり抗議許されない。」 さらに、全柔連発行による「IJF審判規定決定版解釈)」」(15試合結果について)では以下のように記されている。 「審判員試合場降りた後でも、結果誤りがあり、その原因明らかに人為的ミスタイムキーパー記録違い)である場合は、試合者を再度試合場にあげて勝者宣告やり直しもしくはGSからの試合再開できることとする。」 今回誤審は「技効果評価」などではなく、「抑え込んだ秒数の計測違い」という明らかな人為的ミスよるものである以上、上の規定通り試合裁定やり直しが可能となり得るその際には両監督事態説明した上で訂正了承を得る必要など全くなく、単に審判委員長の平野やり直し裁定通達すればよいだけであったにもかかわらず不必要な挙に打って出たことで大いなる混乱を招く事態となった結果的に裁定責任当事者同士押し付けるともなった審判委員長の平野や、当事者として主体的に事の解決を図る努力怠ったジュリー責任は重いとの指摘なされている。 一方で、元世界チャンピオンである筑波大学柔道部総監督の岡田弘隆Facebookで今大会について取り上げてそもそも中堅戦の抑えこみ自体不十分な態勢であって成立していない可能性があると証拠写真添付した上で疑問投げかけるとともに、本来ポイント付かない場面で技あり付与した明らかな誤審発生したにもかかわらず、その誤審訂正頑なに拒否してチーム勝利あくまでも執着し続けた朝飛大姿勢次のように厳しく批判した。「しかし、この審判間違いよりも大きな問題は、朝飛道場監督試合結果訂正受け入れなかったことです。柔道家として、いや人として絶対に許せない行為です。さらに、e柔道コメントは、「投技評価が『技あり』だと思った」という内容でしたが、呆れてものが言えません。何故なら、投げてないからです。負けた無心塾の監督は、子供たちに対して物凄く責任感じてます。責任感じるべきは、優勝チーム監督では」。 これに対して柔道サイト eJudo編集長古田英毅は、「そもそも試合成立後変更が可能である」新規定を知らず疑義呈したところ自身責任あるかのごとくそれを判定反映され、ために恰好標的となってしまった朝飛大氏への、これまでの活動人格自体攻撃するような批判看過しがたいものと考える。ルール曲げたのは、朝飛大ではなく審判委員会と審判団である。ここだけは、絶対にはき違えてはならない」と、朝飛を擁護する声をあげた。 この見解受けて岡田次のように語った。「(誤審訂正同意求められた)朝飛監督立場であれば、当然、それを受け入れるべきでした。私は、百人聞けば百人受け入れると思っておりましたが、e-judoの見解はそうではありませんでした投げ技の「有効」があったかどうかではなく、9秒の抑え込みが「技ありかどうかという問題です。試合成立しているからと、明らかな誤り受け入れないという態度いかがなものかという主張を私はしただけです。朝飛先生これまでの実績や、人格全て否定したつもりはありません。同じ指導者立場で、今回のようなケースであれば、迷うことなく訂正受け入れるし、その前に自分から中堅戦の勝ち名乗り時点審判間違い申告します。私は、ほとんどの柔道指導者そうされるだろうと確信してます。たがってそうされなかったことに対して理解できなかったのです。残念でなりません。」。 なお、今大会から3週間以上が経過した10月16日になって、ようやく主催者である全柔連側より誤審に関する式見解が発表された。全柔連審判委員委員長西田孝宏名義出され声明によれば中堅戦で朝飛道場技あり与えたのは誤審だったとして、この一戦引き分け訂正することに決めたさらには当事者である審判員注意与えとともに審判員全体資質向上努めるとした。この結果両チーム対戦成績2-2ながら内容差により、朝飛道場優勝自体変更を及ぼすものとはならなかった。

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