藩政時代の史跡
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「長崎県指定文化財一覧」の記事における「藩政時代の史跡」の解説
国指定史跡には、島原藩の史跡として旧島原藩薬園跡が挙がっている。前述のとおり石田城は早々に破却されたが、五島氏の庭園が造営されており、こちらも国指定史跡となっている。藩主墓所としては、対馬万松院の宗家墓所に続き、大村本経寺の大村家墓所も国指定を受けている。 名称位置指定日解説諫早家墓所 諫早市西小路町 1977年5月4日 天祐寺に置かれた諫早氏歴代の墓所。龍造寺家晴が佐賀藩諫早領に着任し、子の直孝が諫早氏を名乗って以来、領主18・家族25・家臣30・一族4・雑塔56など多数の墓碑が揃う。家晴が没した慶長18年(1613年)以来18代家興まで300年、営々と造営されてきた。 大雄寺の五百羅漢 諫早市富川町 1977年5月4日 宝永6年(1709年)に諫早領主の諫早茂晴が完成させた磨崖仏。元禄12年(1699年)に発生した本明川の氾濫のため、諫早は死者487名の犠牲者が出た。供養と防災祈願のため、上流に大雄寺を建立し、10年掛けて刻んだものである。 積徳堂跡 平戸市岩の上町 1954年12月21日 平戸に設置された山鹿素行ゆかりの道場。素行が生前に浅草田原町に開いた積徳堂をルーツとする。延享2年(1745年)、孫の山鹿高通が平戸に移し、私塾として藩士を育成した。素行の蔵書を多数所蔵するため、蔵書または積徳堂を「山鹿文庫」と称する。 五教館御成門 大村市玖島 1967年2月3日 大村城に設置された大村藩の藩校跡。御成門は天保2年(1831年)に移転した際に建てられた。藩士を養成した集義館を拡張し、寛政2年(1790年)に学問所五教館と道場治振軒に分割した。五教館は農民や町人にも門戸を開き、広く人材を育成した。 三方境傍示石(三領石) 波佐見町村木郷 2015年10月22日 寛保2年(1742年)、大村藩・平戸藩・佐賀藩の境界を示すために幕の頭山頂に設置された石碑。幕の頭は波佐見焼・三川内焼・有田焼の産地を麓に擁し、薪炭材の争奪戦で紛争が絶えなかったため、三藩の役人が立会いの下、境界を設定した。 大村藩お船蔵跡 大村市玖島 1969年4月21日 元禄年間に大村城直下の海岸に設置された船蔵。石積み堰堤3本で2船渠を仕切り、かつては屋根が葺かれており、現在は礎石を残す。大村藩も長崎警備を担当したため、緊急時に備えて大村湾を横断する最短経路の船便を備え、平時は海上輸送に従事させた。 対馬藩お船江跡 対馬市厳原町久田 1969年4月21日 寛文3年(1663年)に久田川河口に設置された係船施設。九州や朝鮮との交流に欠かせない施設である。河口を浚渫した上で石積み突堤4本で5船渠を仕切る。門・倉庫などの付帯設備の遺構が確認され、奥には造船所・修船所と大工や水夫の小屋があったと推測される。 石田城跡 五島市池田町 1966年9月30日 幕末の文久3年(1863年)に落成した五島藩の居城。慶長19年(1614年)に江川城を焼失して以来、藩主五島氏は石田陣屋にあったが、異国船対策のため数十年にわたる請願が実って築城できた。僅か9年、明治5年(1872年)に廃城となった。 江迎本陣跡 佐世保市江迎町長坂 1998年2月18日 元禄年間には機能していたと推測される平戸往還の本陣跡。平戸藩の参勤交代の折は、必ず江迎本陣に泊まる旅程が組まれた。造酒屋の山下家が維持管理する。現存する本陣は天保3年(1832年)に10代藩主松浦煕監修のもとで整備された。 鯨組主益冨家居宅跡 平戸市生月町壱部浦 2008年2月22日 江戸中期~明治初期に活動した鯨組主の住宅敷地で、現存する主屋・座敷・恵美須神社・御成門の4棟は2004年に国の登録文化財に選ばれている。壱岐から五島にかけて5つの組・総勢3000名を統率し、江戸末期には国内最大規模の沿岸捕鯨主であったといわれる。 楠本端山旧宅と楠本家墓地土墳群7基 佐世保市針尾中町・針尾東町 1968年12月23日 幕末期の平戸藩で儒学を指導していた楠本端山・楠本碩水兄弟の生家と楠本家の墓である。天保3年(1832年)建った生家は典型的な中流武家の屋敷として知られる。墓地は儒教思想に忠実で、墓標の書式や間取、父子兄弟夫婦の並びまで考慮されている。 島原城跡 島原市城内 2016年2月18日 島原城は廃城令に従って廃棄解体されたが、昭和35年(1960年)より島原市が本丸・二の丸の復元工事を実施した。4年後に天守を復元し、初年の西櫓を皮切りに巽櫓・丑寅櫓が昭和55年(1980年)までに復元され、長塀も加えて県内5城の中で最大となった。
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