自動車の電源電圧とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > 百科事典 > 自動車の電源電圧の意味・解説 

自動車の電源電圧

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/12 00:06 UTC 版)

ナビゲーションに移動 検索に移動

自動車の電源電圧とは自動車で使用される電源電圧。

概要

フォルクスワーゲン・ビートルの初期型をはじめ、1920 - 1950年代までは、電装品が少なく、バッテリの用途はヘッドライトやウインカー、始動用ぐらいだったので車載バッテリの電圧は6ボルトだった。1950年代後半から電力を使ったパーツ(補機類)が多くなり、12ボルトへの移行が始まり、現在まで50年ほどの間、乗用車の電圧は12ボルトが定着している。近年ではパワーステアリング等に電力が必要とされ、年々、電気化の割合が増えつつある。2000年代初頭には42ボルトの車種が一部で発売された[1][2]。近年では48ボルトへの高電圧化が模索される。高電圧化する事により、オームの法則により、同じ電力を送電する場合に電流が少なくて済む為、電流値に比例する送電損失を低減可能で、同じ電力量を細いハーネスで送電可能で、同じ出力のオルタネータ電動機を小型化可能なため、金属資源の節約、軽量化、燃費向上に貢献する。

高電圧化をめぐる動き

2000年代初頭に42ボルト化が模索されたものの、普及には至らなかった。当時は42ボルトに対応した補機類が不十分だったため、12ボルトに降圧して従来の補機類を使用したので12ボルト系と42ボルト系が混在する結果となり、効果が限定的だった。その後、環境規制の強化とパワーエレクトロニクスリチウムイオン電池の改良により、欧州を中心として車載電源電圧の高圧化の機運が高まり、2011年にフォルクスワーゲンポルシェアウディダイムラーBMWによって48ボルトの電源規格であるLV148が策定された[3]

主な電圧

6ボルト
フォルクスワーゲン・ビートル等、1950年代末まで使用された[4]
12ボルト
1960年代以降、現在まで一般的に使用される
24ボルト
トラック、バスで使用される
42ボルト
2001年8月に発売されたクラウン マイルド ハイブリッドマーチe-4WDで採用されたものの、普及には至らなかった。42ボルト車のバッテリ電圧は36ボルトだった[4]
48ボルト
マイルドハイブリッドへの適用を視野に欧州で進められる。鉛蓄電池を使用する場合のバッテリ電圧は42ボルトとなる[5]

脚注

[脚注の使い方]
  1. ^ 車載LANと42ボルト電源系の動向 ――高性能化,高機能化が求められる車載機器の開発”. 2016年11月22日閲覧。
  2. ^ “車両電源の42ボルト化” (PDF). デンソーテクニカルレビュー 8 (1). (2003). http://www.denso.co.jp/ja/aboutdenso/technology/dtr/v08_1/files/dissertation18-ib.pdf 2016年11月22日閲覧。. 
  3. ^ “48V電源、2016年に実用化へ”. 日経Automotive Technology. (2014年1月号). http://techon.nikkeibp.co.jp/article/HONSHI/20131122/318108/ 2016年11月22日閲覧。. 
  4. ^ a b 自動車の42ボルト化――そのメリットと課題”. 2016年11月22日閲覧。
  5. ^ 古川, 淳「自動車用バッテリー(鉛電池)の概要と動向 (PDF) 」 『JAMAGAZINE』第50巻、一般社団法人 日本自動車工業会、2016年2月15日、 12頁、2016年12月20日閲覧。

参考文献

関連項目




英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「自動車の電源電圧」の関連用語

自動車の電源電圧のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



自動車の電源電圧のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの自動車の電源電圧 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS