組織「フィーネ」
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/20 14:25 UTC 版)
「戦姫絶唱シンフォギア」の記事における「組織「フィーネ」」の解説
ナスターシャ・セルゲイヴナ・トルスタヤ 声 - 井上喜久子 通称ナスターシャ教授。F.I.S.のブレーンとしてマリア達を従える老女性技術者で、聖遺物の研究に携わっている。6年前のネフィリムの暴走の際、マリアを助けるために瓦礫の下敷きとなり、その後遺症で右眼と歩行能力を失い、眼帯と電動車椅子を使用している。その身は病に侵され余命は短く、ウェル博士の処置を以て延命している。 フィーネ=了子がもたらした月の落下、及び特権階級の事実隠蔽を知り、F.I.S.を武装組織として蜂起させ、可能な限り人命を救済すべく「フロンティア計画」を立案し実行に移す。自分を「マム」と呼ぶマリア達装者を大切に思っているが、計画のために厳しく接する。しかし計画が暗礁に乗るにつれ、愛する装者達にテロリスト紛いの行為をさせてしまった選択を後悔するようになり、自分達単独での計画遂行断念を決意。米国政府との講和を図るも裏切りに遭い追われる身となる。フロンティア内で月の遺跡を起動させることで軌道を元に戻す方法を見つけるが、それを疎んだウェルによって彼女のいた区画ごと宇宙空間に飛ばされてしまう。最後はマリアが集め響が調律した70億人分のフォニックゲインを月の遺跡に注ぎ込んでその起動を確認し、モニター越しに響たちの歌を聴きながら力尽き死亡した。後に遺体は国連調査団の手によりフロンティアの異端技術の一部と共に回収された。 第4期にてマリアの記憶の中の存在として登場した際には、過去、幼い頃のマリアを含めたレセプターチルドレンを過剰なまでに厳しく、体罰も厭わず戦闘訓練を受けさせていた様子が描かれている。しかし、その度に辛そうな表情を浮かべていたナスターシャの行動は、武力の只中に送り込まされることを強いられるレセプターチルドレンたちを何としても生き延びさせんとする真意に基いたものであった。そんなナスターシャの計画によりF.I.S.は武装決起したが、それにより世に明るみに出たレセプターチルドレンたちは誰一人として欠けることなく全員が解放されている。過去の真実を知り、ナスターシャの情の深さを改めて理解したマリアは感涙した。 ジョン・ウェイン・ウェルキンゲトリクス 声 - 杉田智和 通称ウェル博士又はドクター・ウェル。F.I.S.の生化学研究者。病に冒されたナスターシャの延命と、制御薬「LiNKER」の研究といった装者の管理に携わっている。世界を救う「英雄」になりたいという執念を燃やし、「フロンティア計画」で多くの人命を救うことでそれが叶うと考えると共に、ナスターシャがマリアを偽の新生フィーネというシンボルに仕立て上げたことで、武装蜂起した彼らの協力者として加わった。 正体を隠した上で響とクリスの警護のもとソロモンの杖を岩国基地に移送する任務を受け、あらかじめ隠し持っていたソロモンの杖で自陣営をノイズに襲撃させる自作自演の作戦で、紛失に見せかけて杖を奪取。理想を果たすための必要な犠牲と嘯き、ノイズを操り米国政府の追っ手や無関係な目撃者の始末を嬉々として行うなどの凶行を繰り返す。マリアが転生したフィーネであるとの偽りを確認すると、スカイタワーで米国政府に聖遺物関連のデータを引き渡して講和に臨んだナスターシャ及びマリアもろとも巻き込んで、ノイズによる大量破壊を引き起こした。辛くも逃れたナスターシャはF.I.S.の面々に事後的にも計画の中断を示したが、それには意にも介さず逆にナスターシャを糾弾、独断で行動し続け、未来を神獣鏡の装者に仕立て上げフロンティアの浮上に利用する。 フロンティア起動後は自身にネフィリムの細胞とLiNKERを投与してその力を手に入れ、フロンティアの機能を手中に収める。そして「自分の管理できる数の人類のみを助け、その中で英雄となる」という野望を露わにし、月を強引に引き寄せ落下を早めるという暴挙に出る。しかし、マリアの呼びかけにより届けられた世界中の人々の歌によって月落下は阻止、さらにネフィリムの端末も装者たちに討たれ、自身も弦十郎に捕えられる。その寸前、フロンティアの心臓部と融合していたネフィリムを暴走させ世界ごと焼失させようとするが、それすらも阻止され、英雄になれなかったことを嘆きながら軍に連行されていった。 その後は国際取引の結果、それまでの罪状もろとも人権も存在も抹消された上、その身にネフィリムの力を宿していることから「人」ではなく「モノ」として扱われ、異端技術の管理特区「深淵の竜宮」に監禁されていた。クリスたちとキャロルたちの戦いを契機に牢獄から脱出し、キャロルに同行。チフォージュ・シャトーをネフィリムの力で起動、制御させることに成功する。キャロル自身はウェルを利用した後、始末する予定でいたが、英雄に固執するあまり、キャロルが果たそうとする目的を小馬鹿にしたことで彼女の逆鱗に触れ、腹部を刺される致命傷を負いシャトーの深部へ転落。その後はマリア達と取引する形で共闘し、チフォージュ・シャトーのプログラムを分解から再構築に書き換えることで世界の分解を阻止。再構築に伴う反動とキャロルの放った光線が命中したことでシャトーを崩壊へと導いた。最後はシャトーの崩落に巻き込まれ瓦礫の下敷きとなるも、マリアに改良型LiNKERのレシピを記録したチップを託し、自身の行いが「英雄の行動」であることに満足しながら息絶えた。 第4期においてはマリアの深層意識に残る存在として登場、性格は相変わらずであるもののマリアとエルフナインにLiNKERの要たる部分のヒントを遺す。 およそ他人に理解しがたい、狂人にも近い言動を見せるが、その実、確固たる信念に基づき生きており、何人にも顧みることなく妄執とも言える自らの目的、「英雄になること」を目標に罷り通る。また、改良型LiNKERを開発するなど、生化学者としての能力は極めて高い。なお、かつてイェール大学に在籍しており、同大学内にあるいくつかの秘密結社と接触を果たしていた。
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