登場人物と設定
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/05/05 04:10 UTC 版)
「ベッツィーとテイシイ」の記事における「登場人物と設定」の解説
「ベッツィーとテイシイ」シリーズの各作品はフィクションではあるものの、その登場人物はラブレイスの家族や友人をモデルにしている。多くの登場人物はモデルとなった人物と一致する一方で、複数の人物の様々な出来事から抽出し、つなぎ合わせてできた登場人物もいる。 ベッツィー・ウォリントン・レイ(Betsy Warrington Ray): シリーズの主人公。ラブレイス(旧姓ハート)自身がモデル。社交的、楽しいことが大好きで、想像力豊か。シリーズ初期には、自分で考えた物語を友人に披露する場面も見られる。作家になりたいという夢を持ち、最終的には叶える一方で、書くことへの情熱とそれ以外とのバランスを取ることを学ぶ上で、シリーズ全体を通じてテーマになっている社会問題をはじめとした、様々な困難に立ち向かう。 レイ家の人物: ハート家をモデルにしている。ボブ・レイ(Bob Ray): ベッツィーの父。ラブレイスの父トーマス・ハートがモデル。実在したトーマスと同様、ボブも作中で靴屋を営んでおり、また日曜日の夕食には家族や友人にタマネギのサンドイッチを作る。 ジュール・レイ(Jule Ray): ベッツィーの母。ラブレイスの母ステラ・ハートがモデル。やはり実在したステラと同様、赤毛で、活発な性格。ピアノで2曲の弾き語りができる。 ジュリア・レイ(Julia Ray): ベッツィーの姉。ラブレイスの姉カスリーン・ハートがモデル。音楽に関心を持ち、なまめかしい。やはり実在したカスリーンと同様に、ヨーロッパで音楽を学び、オペラ歌手になる。 マーガレット・レイ(Margaret Ray): ベッツィーの妹。ラブレイスの妹ヘレン・ハートがモデル。 アナスタシア・「テイシイ」・ケリー(Anastacia "Tacy" Kelly): ベッツィーの親友。ラブレイスの生涯の友人フランシス・「ビック」・ケニーがモデル。恥ずかしがり屋で繊細、しかし楽しいことが大好き。レイ家の向かいに引っ越してきたアイルランド系の大家族の娘。 セルマ・「ティブ」・ミュラー(Thelma "Tib" Muller): ベッツィー、テイシイに次ぐ3番目の登場人物。マージョリー・「ミッジ」・ガーラックがモデル。金髪で、体は小さいが、怖い者知らずで能力が高く、男たちを手玉に取ることを覚えていく。ティブとその家族は、アングロアメリカ的な雰囲気にあふれるディープバレーと、ミルウォーキーのドイツ系コミュニティとの間を行き来する。ティブはバイリンガルで、行き来に伴って異なる社会からの期待や文脈に適応していく力を身に付ける。 ジョー・ウィラード(Joe Willard): ベッツィーの夫。ラブレイスの夫で、ジャーナリスト・小説家のデロス・ウィーラー・ラブレイスがモデル。実際には、モード・ハートがデロス・ラブレイスに出会ったのは1917年、彼女が25歳の時だが、作中ではHeaven to Betsyから登場している。ジョーの高校生活、およびそれ以前の物語の描写は、デロスの少年時代が基になっている。ジョーは孤児であるが、野心家で、自給自足でき、勤勉である。高校時代を描いた4作の中で、ジョーとベッツィーの関係は、良きライバルから恋愛へと発展していく。 ザ・クラウド(The Crowd): ベッツィーの友人たちの大集団。ラブレイスの友人たちがモデル。モデルとなった人物と1対1で対応する者もいれば、複数のモデル人物をつなぎ合わせてできた者もいる。カーニー(マリオン・ウィラード)やキャブ(ジャベス・ロイド)など、生涯の友人をモデルにした構成員もいる。 これらの設定は、ラブレイスの記憶のみならず、ラブレイス、および4作目の挿絵を描いたロイス・レンスキーによる、徹底的な調査を反映している。シリーズのほとんどの作品は、ラブレイスの生まれ故郷であるミネソタ州マンケイトをモデルにした、ミネソタ州ディープバレー、およびその周辺を舞台としている。レイ家の人物をはじめ、その他多くの登場人物は、住んでいる家も実在のものと一致させている。ラブレイスの家(333番地)と親友ビック・ケニーの家(332番地)が建つセンター・ストリートは、作中では近隣のビッグ・ヒルにちなんで、ヒル・ストリートとしている。ベッツィーが成長するにつれて、彼女の視野も広がり、町のより多くのものが作中に登場するようになる。例えば、Betsy and Tacy Go Downtownでは、ディープバレーのカーネギー図書館、町の中心部と店舗、オペラハウスが登場する。ベッツィーの高校時代を描いた作品では、町周辺の農村部も描かれている。 ラブレイスは執筆にあたって、自身の日記やスクラップブック、雑誌やカタログといった当時の情報源、旧友やマンケイトの住民たちと交わした手紙など、あらゆるものを駆使した。これについては、ラブレイスは次のように記している。 I could make it all up, but in these Betsy-Tacy stories, I love to work from real incidents. (訳)全てを創作することもできました。しかし、ベッツィーとテイシイの物語は、本当にあったできごとからつむぎ上げたかったのです。 明らかに創作された場面にも、詳細にわたるまでこうした調査の跡を見ることができる。例えば、Betsy in Spite of Herselfでは、ベッツィーがミルウォーキーにいるティブとその家族を訪ね、ベッツィーとミュラー一家がティブの祖父であるグロスパパ・ミュラーの家でクリスマスイブを過ごす場面がある。しかし、実在のミッジ・ガーラックの父方の祖父は、作中では訪問した年とされる1907年には、既に亡くなっている。ここで描かれているドイツの裕福な家庭におけるクリスマスは、カスリーン・ハートがドイツ留学中にしたためた手紙を基にしている。また、グロスパパが夏の間、庭に飾っている鋳鉄製の小人像は、執筆当時は直近であった1940年に出版された、小説家エドナ・ファーバーの回想録A Peculiar Treasureにある、ファーバーが1906-09年にかけてミルウォーキーに新聞記者として赴任していた際に目にした、裕福な家庭が庭に小人像を飾っている光景についての記述を基にしていると見られている。
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登場人物と設定
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「海が走るエンドロール」の記事における「登場人物と設定」の解説
茅野 うみ子(ちの うみこ) 主人公。夫と死別した65歳の女性。 うみ子の65歳という年齢は、話し合いの末に決められた設定である。年金の支給開始年齢であり、シニア割引などがある「おばあちゃん」枠に入れられてしまう中で、「まだいろいろできるんじゃないか」ということを示せる年齢として、65歳に決定している。たらちねは「ステレオタイプなおばあちゃん」ではなく、「うみ子さんという人がどうやって生きてきたのか」について描こうと考えている。65歳で美大に入学すると、大学卒業時には70歳に近い年齢となるが、たらちねの友人の映画監督によると、海外にはそういう監督もいるため、「まぁまぁ不自然ではない範囲」であるとたらちねは話している。たらちねの母親が60代後半であるため、インスピレーションを得て制作されている。 作中のうみ子と孫と娘による「スマホでテレビ通話をする場面」の、ボーイズラブ作家の娘が「ペンネームを聞かれるのが恥ずかしい」ということがうみ子には理解できないシーンは、たらちねと母親のやり取りを参考にしている。作品を発表し、「社会に評価をされたことがないからこそ、無邪気に踏み込んでくる」様子が、当初のうみ子にあるのではないかと考えられ、描かれている。 初期のキャラクター設定では「インスタグラマーとして注目されていたニューヨークのファッションストリートのおしゃれなおばあ様」のイメージであったが、うみ子らしく「現実に添わせる」格好に変更されている。 たらちねの好みではなく、うみ子が好きそうな作品としてたらちねが考案したことにより、作中で『老人と海』や『LEON』の映画が登場する。 濱内 海(はまうち カイ) 「不思議な雰囲気」を持つ、映像専攻の男子美大生。20歳。甘え上手で素直だが、尖っている性格。 モデルは『新世紀エヴァンゲリオン』シリーズに登場する綾波レイで、「中性的なきれいさ」や「実在の人間っぽくはないキャラクターアイコン的なところ」が参考にされている。「人の容姿について本当に興味がない人」としてデザインされ、第2話の扉絵ではワンピースを着用していたり、恋愛映画に対する関心が薄いなど、「典型的な性規範からは外れた立ち振る舞いをするキャラクター」として描かれている。セクシュアリティに関しては、海が自認することであるため、海自身が「自分はこうかもしれない、と考える場面は描く」かもしれないが、「外から断定するような描き方はしない」よう意識されている。 海が制作した作中の作品は、たらちねの大学の後輩の作品を参考に描かれている。
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