松本電化完成後
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1965年4月1日に松本運転所(現・松本車両センター)が開設され、同年5月20日には上諏訪 - 松本間電化が完成した。7月1日ダイヤ改正で新宿 - 松本・飯田・信濃森上間で運転されていた気動車急行「アルプス」「上高地」「白馬」「赤石」7往復のうち3往復がキハ58系から置換えられ165系化。編成は既存の「たてしな」も含み基本8両+付属4両の12両編成とされ、松本運転所へ新製車76両と三鷹区から転入車11両の計85両が配置された。 新製車のうち早期落成した一部は新潟運転所・浦和電車区(現・さいたま車両センター)・三鷹電車区に暫定新製配置してから松本運転所へ転出という形態が採られたが、さらにそのうちの一部は大垣電車区・豊橋機関区・広島運転所への再転出を経てから松本へ配置された。 1965年7月1日ダイヤ改正中央東線松本電化用新製車一覧松本運転所直接配置車(50両)クモハ16561・69 - 72・83 - 86 モハ164809・816 - 819・824 - 827 クハ16559 - 62・68・69・71 - 78・87・88・105 - 107 サロ16530 - 42 新潟運転所暫定配置車(6両)クモハ16563・64 モハ164811・812 クハ16563・64 浦和電車区暫定配置車(10両)クモハ16573 - 76(75は豊橋機関区 76は大垣電車区転属を経て松本転入) モハ164820 - 823(822は豊橋機関区 823は大垣電車区転属を経て松本転入) クハ16579・80(79は豊橋機関区 80は大垣電車区転属を経て松本転入) 三鷹電車区暫定配置車(10両)クモハ16562・66 - 68(68は広島運転所転属を経て松本転入) モハ164810・813 - 815(815は広島運転所転属を経て松本転入) クハ16566・67 備考 1965年4月1日以前の松本直接新製配置車ならびに転入車は組織変更前の松本機関区名義で配置 クモハ165-61・62・69 - 72 モハ164-809・810・815 - 819 クハ165-87・88・105 - 107 サロ165-30 - 37 豊橋一時転属車:1965年4月9日付新製→同月12日付豊橋転出→同年8月13日付松本転入 大垣一時転属車:1965年4月9日付新製→同月12日付大垣転出→同年7月16日付松本転入 広島一時転属車:1964年12月17日付新製→1965年1月15日付大垣転出→同年5月12日付松本転入 さらに同年10月1日ダイヤ改正では以下の変更を実施。 新宿 - 松本間急行は1往復増発ならびに気動車急行2往復電車化と新宿 - 上諏訪間「たてしな」を松本まで延長し「アルプス」に吸収した結果165系7往復+キハ58系2往復に増発。 列車愛称を新宿 - 松本間列車を「アルプス」に、大糸線直通列車を「白馬」「穂高」に集約。この結果、愛称では「たてしな」が1年で消滅。「上高地」は165系化からわずか3ヶ月で昼行急行から夜行客車準急へ転換された。 さらに同年12月には上越線急行「佐渡」ではサハシ165形2両組込でいずれも営業を行うビュフェは供給過剰による低利用率が問題となり混雑緩和も要求された一方で中央東線急行ではサービス向上が要求された観点から基本編成5号車に封じ込み組成されていたクハ165形をサハシ165形と差し替える車両交換を実施し、ビッフェ営業を開始した。 サハシ165-2・4・6・8・10:新潟→松本 クハ165-56 - 62:松本→新潟 ただしサハシ165形は新潟運転所から転入した5両のみでは編成数に対して不足するためサハシ153形2両がサハシ165形に改造編入された。また1966年6月にサロ165形新造冷房車の70・71が落成。同年7月に非冷房のサロ165-27・28が捻出され宮原電車区へ転出。1等車が完全冷房化された。 1965年7月 - 1982年3月の中央東線急行編成 ← 新宿 松本・飯田・南小谷・河口湖 → 1965年7月1日- 9月30日12両編成 クモハ165 モハ164 サロ165 サロ165 クハ165 クモハ165 モハ164 クハ165 + クモハ165 モハ164 クハ165 クハ165 基本編成 付属編成 1965年10月1日以降「アルプス」「こまがね」用12両編成 クモハ165 モハ164 サロ165 サロ165 サハシ165 クモハ165 モハ164 クハ165 + クモハ165 モハ164 クハ165 クハ165 「アルプス」 「アルプス」or「こまがね」 「かいじ」「かわぐち」用11両編成 クモハ165 モハ164 サロ165 サロ165 サハシ165 クモハ165 モハ164 クハ165 + クモハ165 モハ164 クハ165 「かいじ」 「かわぐち」 備考 新宿方8両は基本編成。松本方4両(3両)は付属編成。 クハ165形はすべて下り向き。 サハシ165形はサハ164形の場合がある。 「かいじ」+「かわぐち」編成は富士急行線内ホーム有効長の関係で3両までの制約から「アルプス」「こまがね」用付属編成の松本方クハ165形を三鷹電車区に留置させ運用。 大糸線直通の夜行1往復は基本編成のみとし新宿 - 松本間で新宿方にクモニ83形を連結する運用がある。 1978年10月以降は169系が組成される場合がある。 1966年12月12日ダイヤ改正より181系電車で新宿 - 松本間特急「あずさ」2往復が運転開始され、急行列車は新宿 - 松本間に「かいじ」1往復が新設された。 一方で上越急行が運用増となったことからサハシ165-2が新潟へ再転出。サハシ165形は新造もしくはサハシ153形からの改造を施工せずに売店車サハ164-1・2の新製配置で対応したことから、時刻表の欄外や編成表には「ビュフェは売店車の場合もある」と記載された。 このほか付属編成1本が増備された。 1968年10月1日ダイヤ改正では松本発着ならびに大糸線直通列車が「アルプス」飯田線直通が「こまがね」甲府発着が「かいじ」に愛称を集約。「アルプス」11往復中9往復、「こまがね」3往復中2往復、「かいじ」5往復、富士急行直通「かわぐち」6往復中5往復へ増発され、以下の増備が行われた。 クモハ165形+モハ164形800番台+クハ165形冷房準備車3両編成x3本を新製配置 大垣電車区からサロ165形5両が転入 宮原電車区より余剰となったサハシ153-6・8・14が転入しサハシ165-53 - 55へ改造 1972年10月ダイヤ改正からは新宿 - 身延直通季節急行「みのぶ」が運転を開始し、新宿 - 甲府間は下りが「アルプス3号」、上りが「アルプス7号」と併結運転された。 甲府駅構内配線の関係から通常松本方に連結する付属編成を下り列車は新宿方に連結した。 1973年10月1日には岡谷発着の「たてしな」1往復が季節列車で設定され、「みのぶ」併結列車も「たてしな」に変更された。 「みのぶ」上下列車編成比較 ← 新宿・身延 甲府・岡谷・松本 → 下り クモハ1659号車 モハ16410号車 クハ16511号車 クハ16512号車 + クモハ1651号車 モハ1642号車 サロ1653号車 サロ1654号車 サハシ1655号車 クモハ1656号車 モハ1647号車 クハ1658号車 「みのぶ」 「アルプス」or「たてしな」 上り クモハ1651号車 モハ1642号車 サロ1653号車 サロ1654号車 サハシ1655号車 クモハ1656号車 モハ1647号車 クハ1658号車 + クモハ1659号車 モハ16410号車 クハ16511号車 クハ16512号車 「アルプス」or「たてしな」 「みのぶ」 1975年3月10日ダイヤ改正では、キハ58系+キハ65形500番台で残っていた「アルプス」2往復と「こまがね」「かわぐち」それぞれ1往復を電車化。小海線直通「八ヶ岳」1往復は廃止となり、中央東線定期急行は完全165系化された。 このため下関運転所・大垣電車区・新潟運転所などから増発用車両が転入し、転入車のうちモハ164形0・500番台は狭小トンネル対策としてPS23A形パンタグラフへ交換と避雷器移設工事を施工。非冷房車は同時に冷房化改造工事も施工された。一方でサハ164形2両は新潟運転所とサハシ165形の車両交換により転出となったが、ビュフェ営業は1976年11月30日限りで休止となった。 サハ164形は新潟転出後の1978年に大垣電車区へ転出、1979年と1980年に2両とも松本運転所に再転入した。 急行「アルプス」1986年 岡谷 1978年10月2日ダイヤ改正で岡谷発着の「たてしな」を「アルプス」に統合。「たてしな」は再び愛称消滅。信越急行の特急格上げに伴い余剰となった169系8両が長野運転所から狭小トンネル対策を施工した上で転入した。 また基本編成1・2号車に組成されるクモハ165形+モハ164形ユニットは、冷房装置ならびにサービス用電源供給を5号車に組成されるサハシ165形・サハ164形搭載のMGから行うためビュッフェ・売店営業休止後も存置されていたが、1982年3月に185系200番台新製配置で新前橋区から余剰となったクハ165-13 - 16・18・31・35・40・43 - 45の11両が転入しサハシ165形9両とサハ164形2両との差し替えを実施。余剰2形式は篠ノ井線西条駅などに留置された車両もあったが、全車1983年3月までに廃車となった。 1982年11月15日ダイヤ改正では基本編成からサロ165形が1両減車となり、基本編成7両+付属編成4両の11両編成となった。1983年7月15日には岡谷 - 塩尻間が塩嶺トンネルで短絡する新線が完成し。中央東線昼行優等列車は「あずさ」全列車と飯田線直通「こまがね」と併結する「アルプス」3往復を除き新線経由となった。1985年3月ダイヤ改正で「かいじ」「みのぶ」「かわぐち」は季節列車へ格下げ、夜行「アルプス」へのクモニ83形連結も中止された。 急行運用削減により松本所属車はサロ165形の老朽廃車が開始されたほか、クモハ165形+モハ164形+クハ165形3両編成は余剰車が新潟・三鷹・豊橋・大垣へ転出し、ローカルもしくは波動輸送運用に転用された。 一方で同じく急行運用減で余剰車が発生した長野運転所から169系が転入したほか、1984年に「天竜」充当用としてサハ165形は0番台4両が新潟から、モハ164・168形に電装解除を施工し付随車化した100番台5両が新前橋から転入したが、1986年11月1日ダイヤ改正で0番台は長野運転所へ再転出、100番台は1987年2月2日付で全車廃車となった。 末期の中央東線急行編成 ← 新宿 松本・飯田・南小谷・河口湖 → 1982年3月 - 1982年11月14日の編成 クモハ165 モハ164 サロ165 サロ165 クハ165 クモハ165 モハ164 クハ165 + クモハ165 モハ164 クハ165 クハ165 1982年11月15日 - 1986年10月31日の編成 クモハ165 モハ164 サロ165 クハ165 クモハ165 モハ164 クハ165 + クモハ165 モハ164 クハ165 クハ165 備考 下り「みのぶ」編成の新宿方連結ならびに「かいじ」の松本方クハ165形1両カットは継続。 一部編成に169系が組成される場合がある。
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