新潟新幹線車両センターとは? わかりやすく解説

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新潟新幹線車両センター

(新潟新幹線第一運転所 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/06/10 13:26 UTC 版)

新潟新幹線車両センター
新潟新幹線車両センターの着発収容線の建屋
(2006年10月15日)
基本情報
所在地 新潟県新潟市東区寺山字長沢254
鉄道事業者 東日本旅客鉄道
帰属組織 新幹線統括本部
所属略号 幹ニシ[1]
最寄駅 白新線東新潟駅
管轄路線 上越新幹線
管轄車両 E7系電車
旧称 新潟試験線第一運転所→新潟新幹線第一運転所[2]
開設 1980年7月31日(新潟試験線第一運転所)
1981年8月1日(新潟新幹線第一運転所)
車両基地概要
敷地面積 326,822 m2
構内線路延長 約15 km
留置線本数 着発収容線 14本
検査線本数 6本
(交番検査線 2本、仕業検査線 3本、仕業・交番検査兼用線 1本)
洗浄線本数 車両洗浄装置 3基
その他設備 臨時修繕線 1本
車輪研削線 1本
回送線(入出区線) 2本
引上線 2本
保守用車基地
最大収容両数 224両(16両×14本)[2]
(将来 320両 ≒ 16両×20本)[2]
配置両数
電車 270 両
合計 270 両
備考 2021年4月1日現在のデータ[1]
敷地面積は有価証券報告書の値[3]
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新潟新幹線車両センター(にいがたしんかんせんしゃりょうセンター)は、新潟県新潟市東区にある東日本旅客鉄道(JR東日本)新幹線統括本部が管理する新幹線車両基地である。


概要

本センターは、上越新幹線の終点新潟駅から線路が続いており、信越本線白新線に沿って南東へ5.1kmの場所に立地、センターの南側に新潟貨物ターミナル駅及び白新線東新潟駅が近接している。積雪・凍結対策のため、当センターの車両収容線はすべて屋根で覆われている[2]

敷地は延長約 1,900 m・幅約 230 m、総面積約34 万 m2の規模を誇り、そのうち61,500 m2は保守基地とした[2][4][5]。設備は発足当初約450両の検査に対応したものであり、将来は拡張することで約1,000両の検査を想定している[2][5]。ここでは、車両留置と仕業検査・交番検査、臨時修繕、車輪研削が実施される[4]

当車両基地用地は非常に軟弱な地盤のため、盛土沈下対策として1974年(昭和49年)2月までに61万 m3の盛り土を行い、さらに1979年(昭和54年)10月までに約24万 m3の盛り土を行った[4]

新潟新幹線車両センター周辺の空中写真(2009年4月撮影の合成写真)国土交通省 国土地理院 地図・空中写真閲覧サービスの空中写真を基に作成

設備

開設当初は12両編成に対応した設備(延長330 m)を有しており、着発収容線は将来の手戻りを避けるため、当初から16両編成対応した設備(延長430 m)を確保している[4]

  • 着発収容線 - 14線(着発収容庫内・建屋延長480.0 m・幅67.3 m)[2][5]
  • 仕業・交番検査線 - 6線(仕業・交番検査庫内)
    • 1・2番線は交番検査線、3番線は仕業・交番検査兼用線、4 - 6番線は仕業検査線[4]。本来、電気・軌道総合試験車の検査庫は別途設ける計画であったが、開業当初は将来の車両増備時の仕業検査線(6番線)を電気・軌道総合試験車の仕業検査線(事業用車検修線)として暫定使用することとした[4][5]
    • 交番検査線出口には薬液塗布装置2基とその137 m先(着発収容線寄り)に清水による車両洗浄装置3基がある[5][6]
  • 臨時修繕線(臨修線) - 1線
    • 臨時修繕庫は車両故障に対応するもので、編成した状態で故障車両の台車や主電動機(台車振替装置)、床下や屋根上機器の脱着(天井クレーン、移動架線装置)ができる[2][6]
  • 車輪研削線 - 1線[2]
  • 引上線 - 2線
  • 保守用車基地[2]
    • 確認車留置線 1線、保守用車留置線 4線、機回り線 3線、検修線 2線、バラスト積込線 1線、運搬車留置線 1線などがある[7]
将来計画
  • 着発収容線は現状、着発3番 - 16番線(14線)までだが、将来は着発1・2・17 - 20番線[5]、事業用車線(電気・軌道総合試験車線・250 m)が増設できる[4]
  • 仕業・交番検査線は現状12両編成に対応した330 mだが、将来は16両編成に対応した430 mに延長できる[4]
  • 車輪研削庫は将来1線の増設が可能[2][4]。有効長は現状820 mだが、920 mに延長できる[4]
  • 臨時修繕線と引上線は現状330 mだが、430 mに延長できる[4]

歴史

  • 1972年昭和47年)10月 - 当車両基地の建設工事に着手[8]
  • 1980年(昭和55年)10月1日 - 試験用車両の搬入が始まる[8]962形試作電車5・6号車、921形軌道試験車、200系(E2・E3編成)が搬入された[8]
  • 1982年(昭和57年)7月31日 - 新潟試験線第一運転所として発足[2]。新製車両の受取り、工事の総合監査、乗務員の養成などを実施[2]
  • 1981年(昭和56年)8月1日 - 新潟新幹線第一運転所として発足[2]
  • 1987年(昭和62年)4月1日 - 国鉄分割民営化により、JR東日本に継承。
  • 2000年平成12年)6月9日 - ISO9001認証取得。
  • 2004年(平成16年)4月1日 - 新潟新幹線第一運転所から新潟新幹線車両センターに改称[9]
  • 2019年(平成31年)4月1日 - 新幹線統括本部の発足に伴い、新潟支社から同本部へ移管。
  • 2022年(令和4年)11月19日 - プレミアム撮影会実施[10]

配置車両に記される略号

配置車両に記される記号は「幹ニシ[1]で、新幹線を意味する「幹」と、「新潟」「新幹線」を意味する「ニシ」から構成される。新幹線統括本部発足以前は新潟支社管轄であったため、「新ニシ」が使われていた。なお、2004年平成16年)3月まで使用されていた「新ニイ」は、新潟車両センター(旧・上沼垂運転区、「新カヌ」)の記号となっている。

配置車両

2024年令和6年)8月1日現在の配置車両は以下のとおりである[1]

過去の配置車両

  • E3系電車
    • 700番台の6両編成1本(R19編成)「GENBI SHINKANSEN(現美新幹線)」が配置されていた。
    • 2016年(平成28年)4月より運用に就き、2021年(令和3年)3月1日付で廃車された[12]
留置されたE1形(2017年)
  • E1系電車
    • 12両編成6本(M1 - M6編成)が配置されていたが、M4編成の先頭車両 (E153-104) が鉄道博物館への展示を前提に当センターに保管されていたほかは、すべて解体された。
  • E2系電車(110両)
    • 1000番台の10両編成11本(J54 - J56・J63・J64・J70 - J75編成)が配置されていたが、2023年に上越新幹線の運用から撤退した。
  • 200系電車
    • 上越新幹線開業当初は、東北新幹線用を含めて製造された12両編成36本のうち、半数の18本が配置されていた(残る18本は仙台第一運転所配置)[2]
    • 2013年(平成25年)4月1日時点では、10両編成3本(K43・K47・K51編成)が配置されていた[13]。すべてリニューアル施工済みだが、K47編成は2007年(平成19年)のJR東日本発足20周年に合わせて新製時のオリジナル塗装に復元された。
    • 東北新幹線での定期運用は2011年(平成23年)11月18日をもって終了。以後は上越新幹線「とき」・「たにがわ」で運用されていたが、こちらも2013年3月15日をもって定期運用を終了した。
    • なお、過去に配置されていた200系F編成(F19編成)は2007年4月で運用を終了し、同年5月9日新幹線総合車両センター廃車回送が行われた。
  • E4系電車(208両)
    • 8両編成22本(P1 - P22・P51・P52・P82編成)が配置されていた。このうち、P81・P52編成は北陸新幹線軽井沢駅乗り入れ対応編成、P81・P82編成は北陸新幹線長野駅乗り入れ対応編成である。
    • Maxとき」、「Maxたにがわ」で運用されていたが、2021年10月1日をもって定期運行を終了した。

脚注

  1. ^ a b c d e ジェー・アール・アール編『JR電車編成表』2021夏 交通新聞社、2021年、p.13-16。ISBN 9784330025216
  2. ^ a b c d e f g h i j k l m n o 交友社『鉄道ファン』1983年1月号「上越新幹線の車両基地 - 新潟第一運転所 - 」pp.74 - 78。
  3. ^ 第36期有価証券報告書 48頁 (PDF) - 東日本旅客鉄道
  4. ^ a b c d e f g h i j k 上越新幹線工事誌 : 水上・新潟間、pp.752 - 768。
  5. ^ a b c d e f 上越新幹線工事誌 : 水上・新潟間、pp.876 - 889。
  6. ^ a b 上越新幹線工事誌 : 水上・新潟間、pp.935 - 951。
  7. ^ 上越新幹線工事誌 : 水上・新潟間、pp.826 - 830。
  8. ^ a b c 車両電気協会『車両と電気』1982年12月号「上越新幹線開業」pp.35 - 39。
  9. ^ 「JR年表」『JR気動車客車編成表 '04年版』ジェー・アール・アール、2004年7月1日、187頁。ISBN 4-88283-125-2 
  10. ^ ~上越新幹線開業 40 周年特別企画~「新潟新幹線車両センター」で秋のイベントを開催します!”. 新潟支社 (2022年10月28日). 2022年10月31日閲覧。
  11. ^ 北陸新幹線、浸水の10編成廃車 特別損失を計上へ”. 日本経済新聞 (2019年11月6日). 2019年11月6日閲覧。
  12. ^ ジェー・アール・アール編『JR電車編成表』2021夏 交通新聞社、2021年、p.358。ISBN 9784330025216
  13. ^ 『JR電車編成表2013夏』(交通新聞社)

参考文献

関連項目

座標: 北緯37度54分55.3秒 東経139度7分10.2秒 / 北緯37.915361度 東経139.119500度 / 37.915361; 139.119500




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