戦前の黄金時代とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > ウィキペディア小見出し辞書 > 戦前の黄金時代の意味・解説 

戦前の黄金時代

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/04 15:04 UTC 版)

日本映画」の記事における「戦前の黄金時代」の解説

映像対し音声加えようとする試み映画移入とほぼ同時になされており、河浦謙一は1902年レコード回転フィルム回転同期させることによるトーキー実験行っている。これらの試み商業的な脚光を浴びるのは1927年昭和キネマによるミナ・トーキーであったアメリカリー・ド・フォレストからトーキー技術権利購入した皆川芳造によるものである。 ミナ・トーキーを使用した小山内薫による『黎明』は技術的な問題から公開には至らず日本最初トーキー映画1929年の『大尉の娘であった同年、ミナ・トーキーとは別方式東條政生のイーストフォン・トーキーを採用しよう研究したが、結局、独自のディスク式トーキーマキノ正博監督した戻橋』が公開された。イーストフォンは一般に浸透しなかった。その後溝口健二による『ふるさと』(1930年)などが続いたが、字幕音声併用したいわゆるパート・トーキーの形式一般的で、完全なトーキー映画として最初に登場したのは五所平之助の『マダムと女房』(1931年であった資本力のある大会社はこの時代積極的に無声映画からトーキー映画へと移行計り一部例外として小津安二郎のようにトーキー懐疑的な目を向ける者もいた。1935年には完全に移行成し遂げるが、財政的に移行難し独立プロ1938年ごろまで無声映画撮り続けた。この結果スタジオ続々大手映画会社吸収されていく。 また、無声映画時代終了して海外映画解説訳として存続計られ弁士も、1931年モロッコではじめ採用され字幕スーパー登場により、不要な存在となった既得権益守ろうとした弁士トーキー侵出妨害活動出たが、時代流れに逆らう事はもはや不可能となり、弁士存在忘れられていったこうしたトーキー出現新し俳優出現新ジャンル確立を齎した。落語や声模写など、語り芸を生業とする者がスクリーン登場し始め榎本健一古川緑波などといった喜劇俳優台頭するようになったまた、愛染かつら』のように主題歌流行通して人気を博す映画現れるようになったトーキー映画出現撮影期間長期化という現象齎すこととなった。これがきっかけとなり日活1934年多摩川へ、松竹1936年大船それぞれ撮影所移転拡充した。それぞれの特徴として日活重厚泥臭い作風を、松竹洗練された都会風の作風を得意としていた。日活代表する監督としては『人生劇場・青春篇』(1936年)、『土』(1939年)の内田吐夢、『蒼氓』(1937年)、『阿部一族』(1938年)の熊谷久虎松竹代表する監督としては『隣の八重ちゃん』(1934年)の島津保次郎、『愛染かつら』(1938年)、『一人息子』(1936年)の野村浩将、『有りがたうさん』(1936年)、『花形選手』(1937年)の清水宏などが挙げられるこうした一連の作風疑問投げかけた溝口健二は『浪華悲歌』(1936年)、『祇園の姉妹』(1936年)などで方言用いた作品撮り上げ既存の「映画東京弁なければならぬ」という概念打ち崩していった。 1930年設立されPCL1933年より映画製作業界への参入表明した黒澤明本多猪四郎瀧口修造井深大など、多数スタッフ集め日本最初プロデューサー・システム採用した会社となった初期には木村荘十二の『河向ふの青春』(1933年)、『兄いもうと』(1936年)や松竹より移籍してきた成瀬巳喜男の『妻よ薔薇のやうに』(1935年)、石田民三の『花ちりぬ』(1938年)などが人気博した。特に成瀬の『妻よ薔薇のやうに』は海外進出実現しニューヨークで一般公開された初の日本映画となった当初PCL配給館を所有していなかった事から、興行的苦戦強いられたが、1937年小林一三などの働きにより「写真化学研究所」、京都大沢商会映画スタジオである「J.O.スタヂオ」、阪急資本による配給会社東宝映画配給」などと合併し東宝映画として配給上の困難を解消し日活松竹に続く大映画会となった1937年日本当時ナチス・ドイツとの間で、一本国策映画製作された。山岳映画を得意としたドイツアーノルド・ファンク伊丹万作共同監督製作された『新しき土』である。日本での興行的な成績では失敗終わったが、主演女優として典型的な日本人女性大和光子演じた原節子はその容貌演技絶賛され戦時下日本映画において欠かせない女優となった

※この「戦前の黄金時代」の解説は、「日本映画」の解説の一部です。
「戦前の黄金時代」を含む「日本映画」の記事については、「日本映画」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「戦前の黄金時代」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ



英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「戦前の黄金時代」の関連用語

戦前の黄金時代のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



戦前の黄金時代のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaの日本映画 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。

©2024 GRAS Group, Inc.RSS