初レコーディング
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「交響曲第9番 (マーラー)」の記事における「初レコーディング」の解説
この曲の初めてのレコーディングは、ブルーノ・ワルターが1938年1月16日にウィーン・フィルハーモニー管弦楽団を指揮した演奏会のライヴ録音で、戦前期におけるウィーン・フィルとの最後の共演盤であった。この演奏の約2か月後、オーストリアはナチス・ドイツに併合され(アンシュルス)、ユダヤ系だったワルターは財産没収などを受け、苦難の亡命せざるを得なくなる。また、ウィーン・フィルにとってもユダヤ系の音楽家が多かった戦前の黄金時代最後の演奏会となり、ユダヤ系名物コンサートマスターのアルノルト・ロゼーの事実上の引退公演でもある。日本では太平洋戦争中の1943年にニッチクから発売された。しかし当時は戦時中ということを勘案しても、この曲の真価を理解できる日本人はほとんどいなかった。ワルター自身は嫌な思い出のためか、この録音をさっさと破棄することを願っていたという。後にワルターは1961年にコロンビア交響楽団とセッション録音を行っている。なお、ウィレム・メンゲルベルクは、ワルターの解釈に異を唱えていた。
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