建築積算設計事務所とは? わかりやすく解説

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建築積算設計事務所

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/05 02:18 UTC 版)

積算コンサルタント」の記事における「建築積算設計事務所」の解説

建築分野では設計した建物工事費用の積算により算出する専門建築事務所がある。関連団体に、日本建築積算事務所協会(JAQS)といった、日本における建築積算事務所協会がある。積算サポートの他、建設工事コストマネジメントなども取り扱っている。 なお、建築士事務所として登録している事務所所長建築士場合もあるが、積算業務資格を必要とする業務ではない。 小史 建築分野社名コンサルタント呼称をつけた「積算コスト関連専門事務所」が一般的に見受けられるようになったのは平成年代入ってからのことである。建築意匠設計支え専門技術分野として構造設計設備設計等があるがそれぞれの専門業務を担う専門事務所総称して専門コンサルタントと呼ぶことはこれまでにたびだびあった。したがって構造設備専門とする建築設計事務所企業名としてコンサルタント付した例はそれほど珍しいことではない。他方公共工事ウエイト圧倒的に高い土木分野では、設計業務大部分民間建設コンサルタント会社支えてきている。 建築分野積算コスト関連業務を担う組織および専門技術者に的を絞って解説すると、明治末期近付につれて建築工事量が急増し、また請負人実力次第充実してきて一式請負採用例が増えてくると、請負側に信用できる積算要求されるうになる一方大正期における鉄骨造鉄筋コンクリート造等、非木造普及には、それらを必要とする社会的要求として高層建築物への利用という側面があり、大都市商業建築需要増えるにつれて積算技術の向上がますます要請されるようになった。つまり、都市高層商業建築対象とする厳し経済性計算に基づく確実な予算編成積算方式が、必然的に積算方式全般基本形成したものとみられることになる。そこに至るまでは積算業務は本来的に建築設計事務所ゼネコンもしくは発注者属す内部技術者(インハウスエンジニア)によって処理されてきたのである日本建築積算専門業務とする職能成立したのは概ね昭和30年代前半とされている。それまでコンペティション案も含め官公庁はじめとして発注機関内部的に対処していた建築計画に関する設計業務民間建築設計事務所に完全に外注するケース急増、そのー方で民間建築設計事務所にとっても積算業務が特殊専門的な知識経験要するものに変容したことがその時代的背景として注目される日本建築積算事務所協会1967年発足したが、5年後会員数119名に上った1975年発展・解消して社団法人日本建築積算協会船出する以降協会資格としての建築積算士/建築積算資格者」「建築コスト管理士」を有する数多く積算専門技術者輩出してきている。建築積算業務は、設計図書から所用数量等を的確に算出するところからスタートする1978年発表され官民共同作業成果である『建築数量積算基準』がこうした積算業務及ぼした影響すこぶる大きいものがあった。この基準復旧歩調合わせるように積算専門とする事務所数が漸増し、ゼネコン建築設計事務所勤務する積算技術者の数も飛躍的に増大した関連統計不備なので正確な実態把握できないが、バブル期における積算事務所の数は、積算業務主体とする建築設計事務所含めて数千規模達したものと推測されるまた、積算技術者の数は、建築積算資格者初期登録数が33千人超えたところから、最盛期は5から6万人上であったと見なされている。とはいえ数量算出に続く積算業務次のステップである値入れを伴う業務受託ケース意外と少なく、値入れ対応できる積算事務所全体1-2割にも満たないという見方さえある。 日本積算業界では日本建築積算協会中心として英国王立勅許鑑定士協会(RICS)のクオンティティ・サーベイヤー(QS)を規範としており、昔から積算の意味広く解釈して数量算出して単価導入し工事費予測する業務とどめず建築基本計画必要なコストプランニングや設計過程におけるコストコントロール、およびライフサイクル・コストティングなど、建築計画コスト関連するあらゆる業務含めたものとする広義概念提唱されてきた。しかしながらRICS着実な発展比べてこうした広義積算業務支える共通な手法の確立という点で格段の遅れをとったことが日本積算職能発展足枷となったことは否めず、加えてベースとなる内訳書標準書式RICSにおけるように、設計維持管理直接的な関わりをもつ「エレメント別」もしくは部位/部分別」ではなく施工側から見る「工種・工程別」であったことも、建築積算職能設計プロセス関与困難にした大きな理由一つ数えられる従来建築生産設計と施工両分野によって支えられてきたが、現在はそれらに加えてマネジメントという第三分野不可欠なものとなりつつある。その際ステムとして代表的なプロジェクト・マネジメント (PM)、コンストラクション・マネジメント (CM),およびファシリティマネジメント (FM)などに共通する最も有効な手段コスト・マネジメントである。コスト関わる専門家として積算技術者への期待大きなものがあるマネジメントという新規業務に対して至近距離にあるのが積算職とされており、積算職能が、RICSにおける従来のクォンティサーベイイング(QS)業務からマネジメント業務シフトしている先進例に追随できるか否かは、各種コスト手法共通化図れかどうかかかっているとみられている。

※この「建築積算設計事務所」の解説は、「積算コンサルタント」の解説の一部です。
「建築積算設計事務所」を含む「積算コンサルタント」の記事については、「積算コンサルタント」の概要を参照ください。

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