国鉄職員・他
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/01/01 02:48 UTC 版)
林田(はやしだ) 東広島駅の連結手。クラシック音楽の鑑賞が趣味。連結手としての技術は優れているが「仕事は金のため」と割り切っており、東京でのクラシックコンサートに行きたいがために残業には非協力的だった。そのことについて上司から「今の仕事のやり方になんの疑問もないのか?」と問われていた。東京のコンサートへ向かうために乗車した列車に乗務していた荻野から瀬野八(瀬野駅 - 八本松駅の急勾配)の補機の開放作業への協力を懇願されしぶしぶ承諾、作業終了後に瀬野駅の職員達から大いに感謝され、初めて仕事の喜びを味わった。後日、荻野と再会した際にはカラヤン指揮のバッハのレコードをプレゼントした。 その後、広域異動で東京の武蔵野操車場へ異動。コンピュータ制御で自動的に仕分けされる貨車の様子を制御盤越しに監視する仕事に就く。徹底的に合理化された作業、煩わしい人付き合いの無い職場、プライベートな時間を満喫できることに当初こそ喜んでいたが、徐々に違和感を抱き始め、国鉄を退職。トラック運転手に転職した。 加藤直吉(かとう なおきち) 中島達夫がまだ岡山機関区に赴任したばかりの新米の機関士だったころ、岡山運輸事務所で運転主任付運転監督をしていた男。運転監督の仕事は機関士の運転を監督することだが、加藤は「サプライズテスト」と称して機関士のミスを誘うような罠を仕込んで添乗していた。そのため、大抵の機関士はこの罠に嵌って機関助士に降格させられてしまい、殆どの者は処分に納得がいかず辞職していた。そして中島も後にその罠に嵌められてしまい、恨みを抱いた彼に木の棒で叩きのめされた。中島をはじめ、多くの国鉄職員は彼を酷く憎んだが、彼は自分の仕事を自分の信じるがままにやっただけであった。後に胃ガンが原因で死去するが、中島は彼の死後、その本心を理解することになる。 益岡達朗(ますおか たつろう) 27話に登場。本社採用で国鉄米子鉄道管理局に赴任してきた、荻野の後輩。中学校時代は卓球部で荻野と共に活躍していた。 現場研修のため、山陰本線・御来屋駅で助役代行を務めるが、良かれと思って行った行動について駅長の権藤から度々鉄拳指導を受ける。当初はその理不尽な仕打ちに反発し、駅長の更迭を目論んで内部告発をしようとまで考えた。しかし、駅長が殉職した後、彼の一見すると規則違反に思える様々な行動やなぜ自分が鉄拳指導を受けたのかについて、真意を理解することになる。配属当初は現場を早く去り本社で働きたいと考えていたが思い直し、研修後も現場で働き続けることを決意した。 師岡(もろおか) 34話に登場。新潟電力区・柏崎配電分区の電力工手。感電しにくいと言う理由から金属製ではなく、竹製のハシゴを使用している。虫食いの検査も抜かりない。 青海川駅近くの引留碍子の修理中に風にあおられて転落。接近してきた特急北越との接触は免れたが、腰の骨を折ってしまった。入院先の病院で息子から443系架線検測車の導入とそれに伴う電力工手の消滅を聞かされ激怒。3ヶ月後、退院と同時に職場に復帰した。しかし復帰後、架線の修理中にハシゴが折れてしまい、架線にぶら下がった状態になる。どうしようもなくなった彼はまたも転落。今度は右足を折ってしまった。 二度目の退院後またもすぐに職場復帰し、非番であるにもかかわらず「仕事が無くなるのが名残惜しい」と言う理由で出勤したが、作業中に落雷に巻き込まれ殉職した。 師岡の息子(もろおかのむすこ) 34話に登場。新潟鉄道管理局の施設部次長。心臓の弱い母親が早死したのは危険な仕事を続ける父親が心配をかけ続けたせいだと思っており、父親への辞職勧告から一転、電力工手という職業自体を潰すという考えに気持ちが変わっていった。父親の死から2日後に行われた架線検測車の説明会では、説明係を担当している。 京極(きょうごく) 35話に登場。金沢運転所のベテラン検査長。完璧な検査を信条としており、武藤にも認められるほどの凄腕であった。 しかし、新しく就任した所長が合理化を推進したため、これまで通りの完璧な検査ができなくなった。憤りを感じていたところに「京阪神南紀鉄道」からの引き抜きを受け、転職を決意。武藤も連れて行こうとしたがつっぱねられたため、武藤の担当する列車を完璧に検査し、武藤を誘い込もうと企む。しかしあえなく失敗し、単身で転職。現在は地方私鉄に勤務している。 篠田(しのだ) 38・39話に登場。検査係で、荻野・栗原が特急列車で乗務していたときに一緒に乗務、荻野に頼まれて冷水器を修理した。 栗原は「愛想の無い男だ」と思ったが、荻野に「冷水器の清掃までしてくれたから」とたしなめられる。 篠田はこの乗務を含めて、上司による水増しカラ出張の片棒を担がされており、腐り切っていた。荻野は彼と国鉄を守るため「これ以上の追及は無用」と栗原を諭すが、不満な栗原と後輩の雑誌記者は(運転所長が諸般の事情から納得する対応を得られなかった)彼を誘発して、カラ出張問題が告発されることになった。 岩崎(いわさき) 18・41話に登場。保線係の作業長、線路補修のプロ。栗原が自らの保身から発した虚言に振り回されたが、それを陳謝しに来た栗原に対して厳しくは責めず、仲間意識を高める様に諭した。 国鉄のリストラで、駅そばの店員に配置換えされた。荻野にリストラ職員の「草刈り作業」について相談され、その意義を教えた上で荻野に売り物である駅そばをおごった。 志木(しき) 40話〜42話に登場。国鉄労働組合の支部長で、安斉とともに「草刈り作業」のリストラに廻された。 「国鉄上層部は境遇を変えるつもりがないから」と安斉を反乱(?)に焚きつけようとするが、安斉の死を知り同じくリストラされた組合員と共に(安斉が自殺したと思い)、自分が安斉を追い詰めたのではないかと責任を感じていた。 当初、助役補佐(管理者側)である荻野に対して「上層部の犬」とみなして反感を持っていたが、安斉の死をきっかけに荻野の「職人としての責務」に態度を軟化させた。そして、これまでの考えを修正することとなる。
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