十両陥落まで
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/07 16:34 UTC 版)
新三役場所の9月場所では初日から7連敗と不振で、4勝11敗という成績に終わった。翌11月場所では8日目まで6勝2敗と好調だったものの、8日目に勢を破った際に左膝の関節を捻挫してしまい、翌9日目から途中休場した。 2013年5月場所は自己最高の192kgを計測し、その影響から5勝10敗の不振に甘んじた。この場所後に「182から184キロくらいにしたい。ご飯はお茶わんの半分にして、野菜を多く食べています」と語った。体重減量は古傷の左膝と腰の負担を軽減する狙いもある。同年7月場所は上位陣が星を落としていく中で12日目までただ一人で2敗を守り、全勝の白鵬を追いかける展開となった。残り3日は上位との取組が組まれて3連敗し、最終的には10勝5敗と二桁勝利を挙げた。翌9月場所は西前頭2枚目まで番付を戻し、その場所では6勝9敗と負け越したが、4日目の横綱・日馬富士戦で自身初の金星を獲得した。座布団が乱舞する中で、碧山は無意識に神に感謝をささげるため右手の人さし指を天に向ける仕草を見せ、涙を流した。翌11月場所では12日目に大関・鶴竜を破って勝ち越しを決めるなど好調で、最終的には10勝5敗の好成績を挙げた。 2014年1月場所は番付運に恵まれず、僅か2枚上昇の東前頭3枚目で迎えた。6勝9敗と負け越したが、大関・稀勢の里から初白星を挙げた。2014年2月9日の大相撲トーナメントでは決勝戦で琴欧洲とブルガリア出身者対決を制し、2010年の豪栄道以来となるトーナメント平幕優勝を達成した。翌3月場所は9勝6敗と勝ち越した。東前頭筆頭で迎えた翌5月場所は2大関(稀勢の里・琴奨菊)を破り、2場所連続の勝ち越しを決め、翌7月場所では11場所ぶりに小結に復帰したが6勝9敗と負け越した。東前頭3枚目に番付を落とした9月場所は稀勢の里と豪栄道の2大関を破って10勝5敗の好成績で場所を終えた。これを受けて翌11月場所は新関脇に昇進。ブルガリアからの新関脇は、2005年9月場所の琴欧州以来2人目となった。この11月場所の西関脇は初土俵から6場所目にして新三役の地位を得た逸ノ城であった。両者がこの場所3日目で対決した際にはともに新関脇であり200kgに迫る巨漢であることから「合計約400kgの重量対決」として話題になり、逸ノ城と共に場所を8勝7敗の勝ち越しで終えた。この場所では、横綱・日馬富士と大関・稀勢の里を破った。 2015年は「大関昇進」を目標としていたが1月場所直前の連合出稽古ではインフルエンザが疑われるなど不調が伝えられていた体重が理想(182~184kgくらい)より重い190kg台後半だった2015年1月場所は、左膝の状態が良くなかったためか、5勝10敗だった。しかし、横綱・日馬富士を2場所連続で破った。翌3月場所はあばらを痛めていた影響で振るわず5勝10敗の不振に終わった。続く5月場所、7月場所を連続で勝ち越して、9月場所は東前頭筆頭まで番付を戻したが、この場所から4場所連続で7勝8敗と千秋楽で給金相撲を落とした。 2016年5月場所も6勝9敗で終わり、5場所連続での負け越しとなった。翌7月場所はダイエットが功を奏したのか1年ぶりとなる勝ち越しを決め、14日目の取組後には「うれしい。長かった。7勝8敗ばかりだと誰でも落ち込むよ」とコメントした東前頭5枚目まで番付を戻した9月場所は9勝6敗の勝ち越し。勝ち越しを確定させた13日目には支度部屋で「5場所連続負け越しの後、2場所連続勝ち越し。負け越しが続いていたときはずっと落ち込んでいた。気持ちが戻った」とコメントした。しかし11月場所は初日から5連敗を喫するなど大関以上からは琴奨菊しか白星をあげられず、4勝11敗と大敗した。二桁の黒星は2015年3月場所以来となる。 2017年1月場所は前頭7枚目の地位で臨んだ。序盤は黒星が先行したが、終盤持ち直して8勝7敗と勝ち越した。場所後にはブルガリア人女性との結婚を公表した。2月19日、東京都内のホテルで結婚披露宴を開催した。碧山は新婦の白無垢姿に「きれいですね。びっくりしました。皆さんがかわいい、と言ってくれてうれしい」と顔を赤らめた。新たな門出に気が引き締まったようで「相撲でも金星を取らないとね。頑張るしかない。もっと自分に厳しくして、奥さんのため、部屋のためにも頑張ります」と言葉に力を込めた。5歳年上の姉さん女房で、相撲界で「金星」とほめられた。3月場所は千秋楽に勝ち越しを決め、自身の結婚に花を添えた。5月場所は西の3枚目に番付を戻したが、開幕から4連敗をするなど序盤に負けが込み4勝11敗と大幅に負け越した。7月場所はここ4年間でもっとも番付の低い東の8枚目で場所を迎えた。序盤から出足が良く、武器の突き押しに威力があり、開幕から7連勝で横綱の白鵬と並んで全勝をキープ。しかし8日目に阿武咲に敗れて連勝が止まると、11日目には錦木に敗れ2敗に後退。しかし同日にここまで全勝の白鵬も敗れたため、星の差一つで優勝戦線に踏みとどまった。13日目には物言いが付く微妙な判定ながら勝利を収め、千秋楽では割変えで小結の嘉風と対戦し勝利。幕内自己最高の成績となる13勝2敗とし、千秋楽に白鵬が敗れれば優勝決定戦というところまで持ちこんだが、白鵬が勝利し、叶わなかった。それでも他の上位陣が軒並み不振で星を落とす中、白鵬の独走を許さずに千秋楽まで場所を盛り上げる活躍を見せ、平成23年九州場所以来2度目の敢闘賞を獲得した。三賞受賞は34場所ぶりで、太寿山と並び5番目に長い受賞間隔となった。この場所は自己最速となる9日目での勝ち越しとなった。八角理事長は「碧山がいなかったら大変だったよ」と2横綱1大関が休場したこの7月場所の"立役者"に感謝を表わすコメントを残した。この場所の快進撃の背景には妻の応援があり、本人は「毎日、彼女に電話で励まされました。『アドレナリンが上がると思いますが、自分の相撲を取れば大丈夫』と師匠のようなことを言われましたよ。彼女の口から相撲のことが出るのはめったにないのでびっくりしましたが、必死で応援してくれてるんだと思うとうれしかったですね」と場所後の雑誌の記事で語っている。9月場所は三役から平幕に落ちる力士が琴奨菊1人だけであり、さらに本来なら三役に上がってもおかしくない星の力士が平幕上位にとどまったため、わずか5枚半上昇にとどまる西前頭2枚目の地位となった。さらに不運にも場所前に元々悪い膝を負傷。左膝骨挫傷で約1ヵ月の治療期間を要する見込みとの診断書を提出して休場。その後8日目から出場。復帰初戦でいきなり結びの一番を取ったが黒星。その後は膝の状態が本調子からは程遠い状態ながら10日目に関脇の御嶽海を破るなど3勝を挙げた。最終成績は3勝5敗7休場。なお、12日目の輝戦では勝負がついた後、力を抜いた状態の輝を土俵下まで突き飛ばしたため、山科審判部副部長(元小結・大錦)は口頭で注意。2017年11月場所も2日目の取組で足を負傷。「バキッと音がした」とコメントし、車いすで退場になり、そのまま翌日から休場。詳しい診断症状は右足首捻挫、靭帯損傷のため約1か月の治療とのこと。3日目の対戦相手魁聖は不戦勝。休場は通算で4度目となった。場所中の復帰は絶望視されていたが、8日目から再出場して大翔丸に白星。しかしやはり足の状態は思わしくなく、そこからは6連敗をするなど合計3勝に留まり、翌場所で37場所連続在位を続けてきた幕内から陥落した。
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