函館本線貨物列車脱線事故(八雲事故)
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★2013年(平成25年)8月17日 1時5分頃(列車脱線事故) JR北海道函館本線八雲駅 - 山越駅間を走行中の札幌貨物ターミナル発福岡貨物ターミナル行き貨物列車(21両編成)が倒木と衝突し停車、機関車と貨車3両が脱線した。線路下を流れる熱田川の氾濫の影響で、土砂が流出して線路が宙に浮いた状態となっており、浮いた線路や倒木が脱線の原因となったとみられている。国土交通省の運輸安全委員会は鉄道事故調査官2名を現地に派遣、委員会の調査によれば、機関車の排障器に大きなへこみが見つかっており、たわんだ線路に衝突したか、倒木に乗り上げた可能性があるとみられている。事故現場は、8日前の9日にも土砂が流出したばかりの場所であった。同様の流出は2010年8月の台風による大雨でも発生しており、JR北海道、国土交通省北海道開発局函館開発建設部、八雲町の3者は、治水対策を進めていたが、9日に降った雨は、この治水対策の目安を大きく上回っていた可能性があるとみられている。3者は、熱田川の氾濫を防止するため、計画していた治水対策に加え、新たに流水溝を設置する方針を固めている。 この事故の影響に加え、翌18日の午前10時すぎには、函館本線東山駅 - 姫川駅間で線路に土砂が流入し、臨時特急列車が緊急停車する事故も発生、お盆の帰省客などに大きな影響が出た。函館本線特急列車出火事故に伴う運休も重なり、2013年のお盆のJR北海道の利用者は前年に比べ11パーセントも減少する事態となった。
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函館本線貨物列車脱線事故(大沼事故)
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★2013年(平成25年)9月19日 18時5分頃(列車脱線事故) JR北海道で相次いだ一連の事故・不祥事の内の一件。北海道亀田郡七飯町のJR北海道函館本線大沼駅構内にて、ジャガイモを輸送中の帯広貨物発熊谷貨物ターミナル行き貨物列車(18両編成)の6両目から9両目が、分岐器(ポイント)付近を通過時に脱線した。脱線した車両は大きく傾き、一部の台車には砂利がめり込んだ。国土交通省運輸安全委員会の鉄道事故調査官は翌20日午前から調査を実施、委員会によれば、脱線現場付近のレールの幅が、分岐器の手前で規定より最大37ミリメートルも広がっていた。また、JR北海道は巡回点検で現場のレール幅の異常を把握しながら、1年以上も放置していた。また、その後の調査で、事故現場以外にも多数のレールの異常を補修せずに放置していた。放置だけでなく軌道検査データ改ざんが習慣化しており、その改ざんのままで運輸安全委員会に提出していたことも判明した。 国土交通省は21日から、鉄道事業法に基づき特別保安監査を実施した。特別保安監査は緊急的に行われるもので、死傷者のいない事故で実施されるのは異例のことである。当初は23日までの予定で、4人で保線部門を監査していたが、次々にJR北海道の不備が判明したため、監査員を9人に増員したうえ、27日まで監査を延長し、全部門を監査する事態となった。また内閣官房長官の菅義偉が、レールの異常を放置していたことは極めて悪質であると批判し、監査の徹底を国土交通省に指示、これを受け、国土交通省は監査態勢を20人に増員し、対象も全支社に拡大したうえで監査を実施した。また、特急列車の非常ブレーキが作動しない状態のまま運行していた問題が発覚したことなどを受け、10月9日から12日にかけて、16人態勢で追加の特別保安監査を行った。また、過去に例のない大規模な監査となったため、国土交通省は特別保安監査の結果をまとめる前に、JR北海道に改善指示を出すという異例の対応をとった。2016年2月24日、鉄道事業法違反と運輸安全委員会設置法違反でJR北海道工務部副部長ら本社の3人が在宅起訴され、現場保線部署に所属していた14人が略式起訴された。2019年2月6日、改ざんしたレール検査数値を虚偽と知りながら国に報告したとして、鉄道事業法違反などの罪に問われた当時の本社幹部3人に、札幌簡易裁判所(結城真一郎裁判官)は、いずれも無罪判決を言い渡した。両罰規定に基づき起訴された法人としての同社は求刑通り罰金100万円とした。改ざんに関与した函館保線所などの現場社員13人は罰金の略式命令が確定している。同裁判では、本社の関与の有無が争点となっていた。判決で、結城裁判官は「被告らの執務状況からすると、数値の変化が不合理だと気づいたとは認められない」として改ざんの認識があったとは認めなかった。同社については「多数の従業員に、複数回にわたりうその報告をさせた責任は重い」と指摘した。 JR北海道では、レールの補修状況を本社に伝える体制になっていなかった。この事故の直後には、次々に他のトラブルも露呈した。24日の会見中には、普通列車から発煙するトラブルがあったことが判明。また、同日に特急「オホーツク」のブレーキ部品が脱落するトラブルも発生した。1回目の特別保安監査直後の10月1日にも、特急「スーパー北斗」が工事のため徐行すべき区間で、制限速度を時速35キロ超過して運転する事案が発生、また同日には、9月に自動列車停止装置 (ATS) を破壊する問題を起こした運転士が保守部門に異動していたことも判明した。この他にも、特急「オホーツク」が、ATSなどの保安装置が作動しない状態のまま営業運行していたことも発覚した。こうしたトラブルが続発する背景としては、不採算路線を抱え経営環境が厳しいことや、ミスを責められ、意見を言いにくい雰囲気が情報共有を妨げているとの見方、また、労働組合間の対立が情報の伝達を阻害しているという見方もある。 事故から1年経過後、JR北海道は事故発生当日の9月19日を「保線安全の日」として制定した。また、江差線貨物列車脱線事故や函館本線貨物列車脱線事故(2013年8月)を受けての安全対策として、代行バス運転を実施した上で2014年12月10日に函館本線大沼駅 - 森駅間(渡島砂原経由)における軌道強化工事の完了した。この際に交換した枕木を利用して関係者向けに「安全の誓い」を戒めたストラップを作成している。
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