函館本線踏切事故
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「日本の鉄道事故 (2000年以降)」の記事における「函館本線踏切事故」の解説
★2010年(平成22年)1月29日 12時21分頃(列車脱線事故〈踏切障害に伴うもの〉) 北海道深川市深川町6号線のJR北海道函館本線深川 - 妹背牛間の踏切(函館駅起点389.721 km)で、砂利を積載したダンプカーが雪道をスリップして踏切内に進入。踏切にある踏切支障報知装置を作動させて発報したが間に合わず、そこに旭川発札幌行き特急第2024M列車、「スーパーカムイ」24号(789系5両 HL-1005編成)が衝突した。列車は204 m行き過ぎたところで停止、先頭車の前側台車が脱線し前部は原型をとどめないほどに破損、1両目から3両目までの車両端部なども損傷した。ダンプカーは運転台部分と荷台部分が引きちぎられ、荷台部分が20 mほど飛ばされたが、火災は発生しなかった。この事故で特急の運転士・車掌・乗客42人とダンプカーの運転手の計45人が重軽傷を負い病院に搬送された。残りの乗客はバスで代替輸送を行った。この事故により、18時までに54本の列車が運休し、約8,200人に影響した。 事故当日、列車は深川駅を定刻(12時17分)の1分遅れで発車していた。事故地点は複線区間で線形は直線、2 パーミル(‰)の下り勾配である。当時、スーパーカムイを始めとするJR北海道の特急列車の営業運転最高速度は130 km/hであった。 原因はダンプカーがスリップしたことにより踏切内に侵入したためであるが、ダンプカーの運転手の証言によると、普段の通行で踏切があることは分かっていたが、事前の速度やブレーキを踏んだ地点は覚えておらず、また、当日は風速4 - 5 mの吹雪が吹いていたが、前が見えないほどではなかったという。一方、当時の報道では、踏切警報機の音が聞こえなかったとしているものもある。事故調査報告書での踏切見通し距離は、道路側が250 m、列車側が600 mとなっており、列車運転士からダンプカーは見えていた。 その後789系HL-1005編成は、2011年3月24日付で廃車となった。 789系電車は、1991年の日高本線での踏切事故を教訓に、JR北海道が採用してきた高運転台仕様と衝撃吸収構造のため、運転台へのダメージや客室への衝撃が最小限に抑えられた。 この事故を受けて、JR北海道は安全対策として、キハ261系・キハ281系・キハ283系などにも存在する、同様の高運転台タイプ特急形車両にある貫通路や、「クリスタルエクスプレス」などの臨時列車運用編成にあたる先頭車両を全て立入禁止とし、座席も撤去された。
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