江差線貨物列車脱線事故
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/18 15:00 UTC 版)
「日本の鉄道事故 (2000年以降)」の記事における「江差線貨物列車脱線事故」の解説
★2012年(平成24年)9月11日 19時50分頃(列車脱線事故) JR北海道江差線釜谷駅 - 泉沢駅間で、JR貨物の函館貨物発仙台貨物ターミナル行き高速貨物列車(機関車1両+コンテナ車20両)が脱線・転覆。死傷者は発生しなかった。本州と北海道を結ぶ唯一の鉄道路線である海峡線(津軽海峡線、江差線の木古内駅 - 五稜郭駅間もその一部)を経路とする旅客列車・貨物列車が全列車通過不可能による運休となったことにより、本州と北海道の旅客輸送・物流に大きな影響が出た。 後日、運輸安全委員会の事故報告書として発表された脱線原因は、コンテナー貨車コキ106/107型の軽荷重時のローリング共振による輪重抜け脱線とされ、サスペションの特性切り替え重量が従前のコキ104型14.6トンより4トンあまり高い18.6トンだったことで、軽荷重で脱線に到る3倍もの大きな共振になったとされて、荷重範囲、応答特性で対応が求められた。鶴見事故(1963年)でのワラ1型の軽荷重での走行特性不安定を、軽荷重でのローリング共振でなぞった事故となった。 江差線では(1)2012年4月26日、(2)2012年9月11日、(3)2014年6月22日と、3件連続してコンテナ貨物の脱線事故が起こり、(1)は線路の整備不良、(2)は本件、異常共振点の存在、(3)は新聞ロール紙3個単位での片積みとして対応を求めており、JR貨物の対策として、該当区間での45km/hの徐行運転を実施した。重量計によるコンテナの重量バランスの測定(サンプルチェック)を実施している他、トップリフターによる測定を導入(20 フィート以上のコンテナの一部を対象)する他、輪重測定装置・積付けガイドラインの対策をしている。 また、運行安全員会におけるJR北海道側の対策として、45km/hの徐行運転以外にも高速軌道検測車での測定を検討した。その後、11月4日に損傷した枕木交換により、当該区間の45km/hの徐行運転を貨物列車のみとした。
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