傾向が強いと目される国
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/12 05:58 UTC 版)
「アメリカニゼーション」の記事における「傾向が強いと目される国」の解説
詳細は「アメリカ合衆国51番目の州」を参照 中華民国(台湾) 台湾人は幼稚園から英語を勉強し始めるが、国民の英語力はシンガポールのような英語を公用語化している国にははるかに及ばず、英語能力が国際観や国際人に値するのかどうかが議論されている。また、測量の単位にアメリカ式のものを使用する場合がある。 大韓民国(韓国) 朝鮮戦争でアメリカ軍を主体とする国連軍が韓国を支援したことや、日本と同様東アジア情勢におけるアメリカのパートナーでもあることから、韓国とアメリカの政治的距離は近い。また宗教的にも大韓民国の宗教はキリスト教の信徒が総人口の約3割で最大であり、韓国のキリスト教の内訳も2:1の割合でプロテスタントの割合が高く、やはりプロテスタントの割合が高いアメリカと教会どうしが(本部や支部どうしとして)つながっていることも多く、親和性も高く影響を受けやすいとされる。 また、ハリウッド映画やアメリカ製の製品も人気となっており、アメリカ化が進んでいる。 スウェーデン、ノルウェー、デンマーク スウェーデン・フィンランドはアメリカとは政治・経済面では一定の距離を置きつつ、文化面では強い影響を受けている。ノルウェーは他の北欧諸国との関係とともに英米との関係を重視し、特にアメリカとの関係が深い。北欧諸国では、アメリカで制作された番組が英語のままで放送されている。フィンランドを除くスカンディナヴィア諸国では語族の同じ言語を使うこともあって、北欧人の英語能力は一般的に高いと評価されている。 メキシコ アメリカとは隣国であり、古くから関係は深い。さらに近年はNAFTA圏に組み込まれることでアメリカ系企業の進出が進み、経済面での従属性が強まっている。NAFTA圏内の貿易自由化によりメキシコの農業や地場産業は衰退し、多数のメキシコ人がアメリカ=メキシコ国境を越えて、合法・違法の移民として流出している。 フィリピン かつてアメリカの植民地であったため公用語が英語であり、長期間にわたり安定して親米政権とされる国である。クラーク空軍基地、スービック海軍基地など軍事的な関係も緊密である。屋外の看板類も、フィリピンの国語であるタガログ語で書かれたものより英語で書かれたものが多い。 ミクロネシア 第二次世界大戦後の1950年にアメリカ合衆国の信託統治領に編入された。1986年にミクロネシア連邦、1994年にパラオが独立してアメリカ統治は終了した。しかしアメリカ主導の自由連合盟約国として依然として政治的、軍事的、経済的にアメリカの影響下にある。 カナダ イギリスの植民地であったカナダは、1812年の米英戦争ではかろうじてアメリカ合衆国からの侵略は防いだが、長大な国境を挟んだ隣国であり、古くからアメリカ合衆国からの影響は大きい。 1907年には既にサミュエル・E・モフェット(Samuel Erasmus Moffett)が「カナダのアメリカ化(The Americanization of Canada)」を著しており、1993年にはローレンス・マーティン(Martin, Lawrence)が「忠誠の誓い:マルルーニ時代のカナダのアメリカ化(Pledge of Allegiance: The Americanization of Canada in the Mulroney Years)」を記している。メキシコ同様、近年はNAFTA圏に組み込まれることでアメリカ系企業の進出が進み、経済面での関係が強まっている。政府は業種によって外資規制や外国製メディアコンテンツ規制などで対応している。 イギリス イギリスは元々アメリカを植民地支配していた。アメリカ独立後から第二次世界大戦前から、アメリカ合衆国との関係が密接であると言われている。 政治的には、イギリス帝国の衰退とアメリカ合衆国の影響力の増大が表裏一体となって進み、第二次世界大戦中にアメリカ合衆国の援助を得たことで、イギリスが植民地を失い、イギリス海軍の優越性も失われたことに擬えられる。 第二次世界大戦から今日に至るまで、イギリスに米軍基地や軍事機関やCIAなどの諜報機関が多数駐留しており、特に冷戦時代にこれらが増強されたことは、イギリスへのアメリカ合衆国の影響力の明確な証拠と取られている。 イギリスは、冷戦終結後もアメリカの強力な同盟者であり、レーガンとサッチャーの時代に続いて、ジョージ・W・ブッシュによる2003年のイラク侵攻については、トニー・ブレア首相が強く支持することで裏付けられた。ブッシュ・ブレア両首脳が会する時の友好的な雰囲気がそれを示していた。テロリズムに対抗し、情報を共有し合うためにUKUSA協定が創られた。その際にメディアは「トニーはアメリカ合衆国の犬」と比喩した。 イギリスはハリウッド映画やアメリカ文化の受け入れが世界一とも言われることもあり、イギリス国内はイギリス人の話す言語がイギリス英語からアメリカ英語に変化している事が社会問題となっている。 日本 日本は第二次世界大戦での敗戦後、米軍を中心とする連合軍(「進駐軍」)に占領され、アメリカの影響下に入った。米兵向けに開設されたナイトクラブでアメリカ兵たちが踊るダンスや、彼らがナイトクラブや駐留軍の兵舎のレコードで流したジャズやロックなどのアメリカの音楽に直接触れるようになり、バンドを組んでコピー演奏をする日本人が多数登場し、ラジオでもアメリカの音楽が連日のように流されるようになった。政治・軍事の面でも、日米安全保障条約を基幹としてアメリカの世界的な覇権体制の一部に組み込まれており、経済面で深刻な貿易摩擦の問題を抱えて以来、日米構造協議や年次改革要望書といった内政干渉に近い圧力を受けつつも、アメリカの軍事体制の一部であることは日本の軍事(防衛)の基本骨格でありつづけている。 「連合国軍占領下の日本」も参照 日本では高度経済成長期に米国企業の進出やテレビ番組の輸入などを通じてメリカ文化が浸透した。アメリカの食文化のハンバーガーのチェーンのマクドナルドは本国に次ぐ店舗数にまで増え、日本の日常の食の光景、近所の普通の光景としてすっかり定着している。1983年には東京ディズニーランドが開園し、東京のディズニーリゾートは大阪のユニバーサル・スタジオ・ジャパンと共に若者に人気のテーマパークとなっている。またハロウィンのイベントも日本国内で定着し、若者が主要都市で騒ぐのが秋の風物詩となっている。 また、アメリカ文化が大衆に浸透するにつれて、自動車産業や野球など、吸収したものを逆に日本の活躍の場にしてしまうことも起こった。
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