傾同値
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/26 23:34 UTC 版)
「パーフェクトイド空間」の記事における「傾同値」の解説
任意のパーフェクトイド体 K に対して、チルト[定訳なし](tilt)と呼ばれる有限な標数 p のパーフェクトイド体 K♭ が定まる。集合としては、これは次の式 K ♭ = lim ← x ↦ x p K {\displaystyle K^{\flat }=\varprojlim _{x\mapsto x^{p}}K} で定義される。つまり、Kの元の無限列(x0, x1, x2, ...)であってxi = xpi+1を満たすもの全体がK♭である。K♭の乗法は項別に定義されるが、加法の定義の仕方は複雑である。Kの標数が有限であればK ≅ K♭が成り立つ。K が Q p ( p 1 / p ∞ ) {\displaystyle \mathbb {Q} _{p}(p^{1/p^{\infty }})} のp 進完備化であれば、K♭は F p ( ( t ) ) ( t 1 / p ∞ ) {\displaystyle \mathbb {F} _{p}((t))(t^{1/p^{\infty }})} の t 進完備化である。 パーフェクトイド体 K 上のパーフェクトイド代数やパーフェクトイド空間とは、おおまかにいって体上の代数やスキームの類似物である。チルトを取る操作はこれらにも拡張される。パーフェクトイド体K 上のパーフェクトイド空間 X に対して、K♭上のパーフェクトイド空間X♭を定めることができる。傾同値(tilting equivalence)とは、チルトを取る関手 (-)♭ はK上のパーフェクトイド空間の圏とK♭上のパーフェクトイド空間の圏の間の圏同値を誘導するという定理である。同型ではないパーフェクトイド体がチルトを取ると同型な有限標数のパーフェクトイド体になることがある。その場合、それらの上のパーフェクトイド空間の圏は同値になることもこの定理は意味している。
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