事件例
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古代より錬丹術などに見られるように水銀は永遠の命や美容などで効果があると妄信され、秦の始皇帝は永遠の命を求め、水銀入りの薬や食べ物を摂取していたことによって逆に命を落としたと言われている(ただし「史記」などの史料には、始皇帝が仙薬を口にした記述は無い。仙薬は「手に入らなかった」とあるのみ)。他にも多数の権力者が水銀中毒で死亡したと伝わっている。具体的な事例としては、唐代後期の皇帝に集中している。 奈良の大仏造立の際、作業者の間に原因不明の病気が流行し死者が発生したと記録されているが、これは当時の金メッキが、水銀と金のアマルガム合金を塗布した後に加熱して水銀を蒸散させる工法であったため、作業者が水銀蒸気を吸引したことによる水銀中毒と考えられる。 16世紀、ヨーロッパで大流行した梅毒の治療法として、蒸気の吸入や軟膏の塗抹などによる水銀療法が用いられた。これにより多くの水銀中毒が出たため、水銀療法肯定派 (mercurialist) と否定派の間での論争が行われた。梅毒の水銀療法は中国や日本でも行われ、日本では杉田玄白やシーボルトらが記載している。 19世紀にフランスのダゲールが発明したダゲレオタイプでは現像処理に水銀蒸気を用いていたため、発明者のダゲールをはじめ、当時ダゲレオタイプが普及していた欧米の写真家の間に水銀中毒が発生した。 1932年から1968年にかけて、熊本県水俣市周辺の海域にメチル水銀を含む工場排水が流れ出した。メチル水銀は魚によって生物濃縮され、これを食べた地元住民は、これまで知られる中で最も大規模な水銀中毒の被害を受けた。これにより1000人以上が死亡し、さらに多くの人々が現在に至るまで重い障害を負った。この公害病は発生地の名前を取って水俣病と呼ばれている。 また熊本県で水俣病が発生したのとほぼ同時期である1960年代に、新潟県の阿賀野川周辺の海域においてもメチル水銀を含む工場排水が河口に流れ出し、生物濃縮された魚を食べた地元住民が死亡したり、障害を負うこととなった。熊本県の水俣病と同様の原因、症状が確認されたために「第二水俣病」「新潟水俣病」の名が付いた。 1970年前後には、カナダのオンタリオ州周辺の海域においても汚染物質を含む工場排水が流出によって、カナダ先住民の居住地などが水銀によって汚染される被害が発生。これもまた水俣の名を取り「オンタリオ水俣病」と呼ばれている。 1971年から1972年、イラクの田園地域でメチル水銀を原料とする殺菌剤を使用した穀物が住民によってパンの製造に使われ、広範な水銀中毒が起こった。栽培のための種として保存されていたものであった。 1996年8月14日、アメリカ合衆国ダートマス大学に勤務していた化学教授カレン・ヴェッターハーン (Karen Wetterhahn) は、ラテックス製の手袋に数滴のジメチル水銀をこぼし、被曝した。5か月以内に水銀中毒の症状を示し、治療が行われたが、更に5か月後の1997年6月に死亡した。 2000年4月、アラン・クマーニー (Alan Chmurny) は以前の雇用主であったマルタ・ブラッドリー (Marta Bradley) の車の換気装置に水銀を入れ、彼女の殺害を企てた。 コミック本作家のカート・ビュシーク (en:Kurt Busiek) は、2005年に水銀中毒であると診断された。
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事件例
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大寿丸事件(滝川事件) - 1962年(昭和37年)7月24日、山口県警察・大阪府警察・警視庁摘発(検挙) 東大阪事件 - 1968年(昭和43年)11月18日、大阪府警察摘発(検挙) 石原事件 - 1971年(昭和46年)9月21日、大阪府警察摘発(検挙) 水山事件 - 1973年(昭和48年)12月22日、愛知県警察摘発(検挙) 北総事件 - 1974年(昭和49年)6月26日、警視庁摘発(検挙) 宇出津事件 - 1977年(昭和52年)、北朝鮮工作員金世鎬らによる久米裕拉致事件。 辛光洙事件 - 1980年(昭和55年)、北朝鮮工作員の辛光洙とその共犯者(金吉旭ら)が日本人原敕晁を北朝鮮に拉致し、原名義の戸籍を用いて普通自動車運転免許や日本国旅券を不正に取得、彼になりすまして多年にわたり諜報活動をおこなっていた事件。辛光洙は1985年に韓国で逮捕され、犯行を自供した。 西新井事件 - 北朝鮮工作員のチェ・スンチョルが日本人(小熊和也、小住健蔵)になりすまして、日本や韓国、ヨーロッパで活動した。1985年(昭和60年)に発覚。 大韓航空機爆破事件 - 1987年11月29日、ビルマ(ミャンマー)上空で起こった爆弾テロ事件。1988年ソウルオリンピックの開催を妨害するためといわれる。北朝鮮工作員である金勝一・金賢姫は、偽造した日本国旅券を使って日本人になりすまし、航空機爆破を遂行した。 黒羽・ウドヴィン事件 - 1995年(平成7年)に発覚した事件。東アジア系のソ連工作員が失踪した日本人の黒羽一郎に成りすまして諜報活動を行っていた。警視庁公安部外事第一課の捜査で判明した。捜査に気付いたこの男は行方を絶ち、公安部は国際刑事警察機構(ICPO、通称インターポール)に男を手配したが、未だに男の行方は分かっていない。
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