タタラ場の民
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/18 02:50 UTC 版)
エボシ御前 深山の麓で、タタラ集団を率いる冷静沈着な女性。サンと互角の剣戟を繰り広げる腕前を持ち、山犬の特性を知り戦略を立てるなど、頭も切れる。山を削って得た薪を以て、川を浚って得た砂鉄を沸かし、鉄を打ち石火矢をも造りだす製錬場を築いたが、それが今回の争いの元となる。 敵対する者には容赦がなく、必要とあらばタタラ場の人間をも見捨てる事さえ辞さない。また、自分たちの暮らしをより豊かにするためには、森を切り開き、神殺しをする事も恐れない。一方で、売られた娘達を買い取り、本来は女人禁制のタタラ場で仕事を与えているほか、業病にかかり、迫害された病者達をも人として丁重に扱う慈愛の心を持ち、タタラ場の人々に敬われ、慕われている。 終盤でジコ坊と共に部下を引き連れて、シシ神狩りに向かうが、新石火矢でシシ神の首を落とした後、モロの君に右腕を食いちぎられる。右腕の傷は、シシ神が倒れた暴風を浴びたことにより完治している。 シシ神が消えた後は、生き残ったタタラ場の者たちと共に、新しい村作りをすることを決意した。 ラストシーンのタタラ場の村民たちへの報告では山犬の背に運ばれたと発言しているので、シシ神退治でモロに右腕を食いちぎられてシシ神の体液から離脱する際に、映像には描写されていないがモロの子に運ばれて救助されており、モロの子とアシタカへ感謝して、村民に対してアシタカを呼びに行ってくれと発言している。 -エボシの過去 (倭寇) 監督のインタビューによると、昔、白拍子だったという説もある。 タタラ場を作る以前は、倭寇の頭領の人質という形で強引に妻にさせられていたが、ゴンザと連携して謀反に近い形で夫である倭寇の頭領を殺害して倭寇を離脱したとされる。 倭寇離脱の際に、中国の明国 (みんこく) から最新兵器の石火矢 (いしびや) (鉄砲の原型ないし類似武器。劇中に登場する物は、鉄と木でできている。発射するのは鉛の弾) を自分自身の手で日本に持ち帰ってきたとされる。 ゴンザは倭寇時代からエボシの部下で側近として付き従って支えているとされる。 ゴンザ エボシの側近。禿頭の大柄な男。牛飼いやワラット(藁徒:藁製の傘を被るエボシの護衛)の頭目。威張り屋かつ短気であり、アシタカを間者と疑うが、本人は至って真面目。ただし、トキには言い負かされている。密かにエボシに惚れている。泳げない。 エボシがタタラ場を作る前の倭寇時代からエボシの部下になっているらしい。 牛飼い タタラ場に住んでいる牧畜・荷駄を担う職能集団。 主に男性の職業で牛を馴らし、牛に荷物を付けて米や鉄の運搬の仕事を担う。石火矢衆のように武器を持つ戦闘員ではないが、普段は山犬のモロ一族に襲われる危険な役回りで、死傷者が多数出る役職でもある。 山犬モロ一族の攻撃を避けるために、移動中は石火矢衆の護衛を受けるが、それでも山犬に襲われて甚大な被害が出る。 劇中では甲六含め3人(石火矢衆1人を含めると、計4人)が山犬に襲われて谷底に転落し、甲六だけがアシタカに救助され生還し、残り2人が死亡扱いで通夜が営まれている。甲六 トキの夫で牛飼いの一人。集中豪雨の中で米を運搬中、モロの子の山犬に襲われ谷へ転落し、川の中からアシタカに助けられた。明るくドジだが憎めない性格。妻のトキにはいつも言い負かされてばかりで頭が上がらない。牛と共に谷に落下した際には右腕を骨折したが、シシ神の風を浴びた後は折れた腕が治っていた。怪我の影響でエボシ率いる男衆のシシ神退治に参加できなかったが、戦死者が多数出た乙事主の猪神一族との激戦に参加せずに済み、塞翁が馬状態になった。コダマが目の前に出現した時に (シシ神が怖いので) おびえながら、アシタカに「こいつらがシシ神を呼ぶんだ」と教え、アシタカからシシ神の事を聞かれた時に「 (山犬より) もっと怖い化け物の親玉だ」と言った。 タタラ場に留守番で妻のトキとともに女衆のタタラ場防衛隊に参加し、侵攻してきたアサノ軍と戦うが、腕を負傷していて武器を使えず、戦力としては活躍していなかった。さらにアシタカがやってきた際に預かっていた弓矢を手渡すが、蓑と鞍を持って来なかったので、トキに「この役立たず!」と責められる。 ジバシリのことを知っていたらしく、女衆が気味悪がっている中、ただ一人「ありゃただの狩人じゃねぇ。ジバシリだ」と教えている。 牛飼い頭 牛飼い達をまとめている男。アシタカの身を案じており、彼を殺そうとした唐傘連を農具で殴ったり、猪神の死体の下敷きとなりながら生き残っていた1頭のモロの子を (エボシの所へ案内してもらう為) 救助するなど、終始アシタカに協力的な態度で接する。 番子 タタラ(踏鞴)を踏み、砂鉄を溶かすための火を絶やさないよう作業を行う女衆。4日5晩の間、絶えず作業を行っている。トキ 番子のまとめ役で甲六の妻。ゴンザを言い負かし、夫にも愛情故のきつい言葉を投げつける程、気の強い肝の据わった人物。女衆のリーダー的存在である。 タタラ場がアサノ軍の攻撃に遭った際には敵の攻撃の合間の一晩中起きて警戒し、シシ神の体液がタタラ場に襲ってきた時もアシタカが来た際に受けた「触れると命を吸われるが水で進行が遅くなる」という助言を守って、全員を湖に避難誘導する。甲六がタタラ場が壊滅する様子を見て絶望しているところを見て「生きてりゃ何とかなる!」と励ますなど、ポジティブ思考の持ち主。ちなみにジブリスタッフによると、終盤の侍との戦闘時に、病者の女から彼女が貰い食べていたのはころ柿 (干し柿) 。[要出典] キヨ 山犬に夫を食い殺された番子。エボシを慕っており、彼女を気絶させたアシタカを石火矢で撃ち抜いた。 石火矢衆 シシ神退治を条件に「師匠連」という謎の組織からエボシに貸し与えられた四十名の傭兵集団。柿色の着物に白い頭巾といった装束。明から輸入した石火矢を使い、もののけと戦う。ナゴの守の同胞を殲滅し、森を焼き払った。鉄や米の運搬時の護衛で、タタラ場全体の警備も務める。火炎放射器も使う。終盤、飛び散ったシシ神の体液を浴びて多数が命を落とし、生き残った者は逃亡した。ヤ七 石火矢衆の一人。甲六同様に谷に落ち、瀕死の状態でアシタカに助けられる。 病者 エボシが引き取り、タタラ場の別棟に住まわせ看病している業病の者たち。新石火矢の製造を任され、これの開発に成功する。終盤にトキと親しい病者の女が、最後はシシ神の風を浴びて病が治ったと思しき描写がある。長 病者の中で最も症状が重く、顔全体を包帯で覆った、寝たきりの状態。アシタカの右手が憎しみから刀を抜こうとした際、エボシが自分たちを引き取って丁重に看病してくれていることを涙ながらに語り、庇った。 タタラ者 タタラ場に住む製鉄集団。黒装束に身を包み、昼夜を問わず鉄を作り続けている。
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