シマエナガ
エナガ
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/12/25 21:29 UTC 版)
エナガ(柄長[5][6]、Aegithalos caudatus)は、鳥綱スズメ目エナガ科エナガ属に分類される鳥類[2][7]。
注釈
- ^ ただしヒマラヤと中央の高地を除く[8]。
- ^ 山形則男 (2001) は「鳥の中で最も短い嘴をもつ」と述べている[16]。
- ^ 尾の先は太めである[15]。
- ^ シマエナガを基亜種 A. c. caudatus のシノニムとする学説[22]が提唱される以前には、基亜種をコウライシマエナガと呼称する場合もあった[23]。
- ^ シマエナガの「シマ」は「縞」ではなく「島」(=限られた特定の地域、すなわち北海道)の意味[24]。また北海道産であることから「えぞえなが」、頭部が白いことから「わたぼうし」とも呼ばれる[25]。
- ^ 「本州中部以北で記録されたこともある」とする文献もある[2]。
- ^ 『日本鳥類目録』改訂第7版によれば、シマエナガは千葉県でも記録されているが「偶然飛来したもの」とされているため、日本野鳥の会千葉県支部はこのような個体はシマエナガとは別物という見解を示している[29]。
- ^ 特に落葉広葉樹林や、針葉樹との混合林を好む[18]。特に林縁部や、クリ・ナラとマツの混交した二次林でよく見かける[18]。
- ^ 数羽 - 約30羽前後の小群を作り、一定の区域内で行動する[6]。
- ^ 夏の終わりごろには小型ツグミ類やムシクイ類、サンコウチョウなどと混じって行動することもある[7]。ただし、長時間にわたり混群していることはない[6]。
- ^ カイガラムシや[30]昆虫の卵[16]、ガなどやその幼虫も食べる[33]。
- ^ クヌギなどの樹液を飲む[34]ほか、冬季はホバリングしながら、樹液が凍ってできた氷柱から樹液を舐めることもある[16]。
- ^ クモの糸だけでなく、ガの繭など虫の糸を用いる場合もある[18]。
- ^ 巣について「低山の林内で地上から約2 - 5 mの高さの枝の上に巣を作る」[33]、「枝または幹に、蘚苔類をクモの糸で楕円形にまとめ、ウメノキゴケをはりつけた巣をとりつける」とする文献もある[9]。また、早春の寒い時期から繁殖を開始するため、保温性を高くする目的で[35]、巣の内部(産座)には各種の鳥の羽毛を多量に詰めており[33]、その枚数は1,000枚以上におよぶこともある[35]。
- ^ 内径(産座)は約4×6nbsp;cm、深さは約3 cm[33]。
- ^ 卵は長径約15 mm、短径約11 mmで、汚白色の地に淡紫色と淡赤褐色の微小斑がある[33]。
- ^ 日中は雌のみが抱卵するが、夜は雄も抱卵を行う[11]。また、抱卵している個体は尾羽に曲がり癖がつく[36]。
出典
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- ^ “エナガ” (日本語). 日本のレッドデータ検索システム. EnVision環境保全事務所. 2020年11月30日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年11月30日閲覧。 - 「都道府県指定状況を一覧表で表示」をクリックすると、出典元の各都道府県のレッドデータブックのカテゴリー名が一覧表示される。
- ^ “エナガ” (日本語). 東京都レッドデータブック. 東京都 (2013年). 2020年11月30日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年11月30日閲覧。
- 1 エナガとは
- 2 エナガの概要
- 3 分類
- 4 生態
- 5 種の保全状況評価
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