シマイシガニとは? わかりやすく解説

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シマイシガニ

学名Charybdis feriata 英名:¡¡
地方名: 
節足動物門甲殻綱十脚目ワタリガニ
色 形 長崎・日本・世界 住みか

※出典:長崎県水産部ホームページ

特徴
甲の表面滑らかで光沢があり、独特の紫褐色模様がある。水深1070mの砂泥底に生息する日本では九州沿岸アサヒガニなどと一緒に漁獲され市場出回っている。東南アジアでもよく獲れる日本出荷できるほどの量ではない。甲の中央部模様が、十字架見えるのでキリスト教徒が多い欧米諸国では食用にしないという説もある。

分布:相模湾以南東南アジアオーストラリアインド洋 大きさ:20cm
漁法:刺し網底引き網 食べ方:すし種和食材料

シマイシガニ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/27 13:54 UTC 版)

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シマイシガニ
インドネシア西ジャワ州のシマイシガニ
保全状況評価
NOT EVALUATED (IUCN Red List)
分類
: 動物界 Animalia
: 節足動物門 Arthropoda
: 甲殻綱 Crustacea
: エビ目 Decapoda
亜目 : エビ亜目 Pleocyemata
下目 : カニ下目 Brachyura
: ワタリガニ科 Portunidae
: イシガニ属 Charybdis
: シマイシガニ feriata
学名
Charybdis feriata
(Linnaeus, 1758)
シノニム
  • Cancer feriatus L., 1758[1] (basionym)
  • Cancer sexdentatus Herbst, 1783
  • Cancer crucifer Fabricius, 1792
  • Cancer cruciata Herbst, 1794
和名
シマイシガニ
英名
Corab crab

シマイシガニ(縞石蟹、学名: Charybdis feriata)は、エビ目カニ下目ワタリガニ科に分類されるカニ。肉が美味で、食用にされる。

名称

地方名としてトラガニ(虎蟹。静岡県大分県宮崎県など)、ゴトウガニ鹿児島県)、キリストガニ沖縄県)などがある。ガザミなどとの混称でワタリガニと呼ばれることもある。

中国語では標準名の「銹斑蟳」の他に、「斑紋蟳」があり、地方名に「花蟹」、「花蟳」、「花斑蟳」、「花紅蟹」、「花蓋蟹」、「紅蟹」、「十字蟳」、「十字蟹」、「藍白蟹」、「石蟳仔」、「火燒公」、「花蠘仔」などがある。これらの内、「蟳」や「蠘」の字はワタリガニ類を意味する。

英語では、cross crab, cross-marked crab, Christ crab などの俗称がある。インドネシア語では rajungan karang と呼ばれる。

特徴

棘の位置と数。a:甲羅前縁の棘、 m:鋏脚長節の棘、p:鋏脚腕節(p2)と前節の棘
オスの腹
メスの腹(未抱卵)

甲幅は11-15cmほどで、甲幅が20cmを超える大型の個体もいる。甲羅は六角形で、ガザミほど横に長くない。甲羅の前縁に左右各6つの(とげ)があり、太くがっちりした鋏脚の長節、腕節、前節にも棘がある。第2脚から第4脚は歩脚、第5脚は遊泳脚になっており、海中をすばやく泳ぐことができる。

体色にはやや個体差もあるが、薄い紅色から褐色で、甲羅と鋏脚に黒から藍色または暗褐色の複雑な縞模様がある。他の脚には黄色から白の斑点模様がある。甲羅の中央に十字架状の紅い地色の部分がある。このため、キリストガニや中国語の「十字蟹」という地方名がある。成長段階では縞模様は鮮明ではない。黒から藍色または暗褐色の部分は、茹でたり蒸したりすると鮮やかな朱色に変わる。

分布

日本相模湾以南、中国周辺の黄海東シナ海南シナ海東南アジアオーストラリアインド洋タンザニアマダガスカルなどアフリカ大陸東海岸、南部アフリカまでの、水深10-50m程度の浅い砂泥質の海や河口の潮間帯に分布する。香港を含む広東省では珍重され、南シナ海や台湾周辺で漁獲や養殖が盛んに行われている。

生態

海藻なども食べるが、食性は肉食性が強く、小魚、ゴカイ類、貝類など、いろいろな小動物を捕食する。石の陰や砂に隠れ、餌を待つ。敵に襲われた時には鋏脚を大きく振り上げて威嚇するが、鋏脚や歩脚を掴まれた時には自切して逃げる。

性質は荒く、鋏で相手を挟むと放してくれず、大怪我をする怖れがある。養殖ではバキュロウイルス科の白点病ウイルス (white spot baculovirus) による被害が報告されている。

利用

ゆでたメスのシマイシガニ
福建料理のシマイシガニのおこわ

特に肉がガザミなどより美味として食用とされる。旬は冬から春である。静岡県宮崎県では珍重され、高価である。中国広東省福建省香港台湾などでも、美味な食材として扱われる。養殖はまだできない。香港等の高級店では1杯数千円の料理となることもある。甲羅の中のみそ中腸腺)はノコギリガザミなどのようには美味しくないので、主に肉を食べる。

甲羅は簡単に剥がせるが、はさみなどは噛み割ろうとしてもなかなか割れないため、包丁で切ったり、小槌で叩き割ったりして出されることが多い。調理前に殻を割る店もあるが、旨みが逃げるのでよくない。

欧米のキリスト教徒からは、甲羅に十字架模様があるため、食用とすることは敬遠されている。

文化

  • 香港では、2002年に発行されたカラフルな紫色の10香港ドル紙幣を俗に「花蟹」と呼ぶ。古い緑色の10香港ドル札をノコギリガザミを意味する「青蟹」と俗に呼んでいたことと、全体の模様のイメージの類似による。

脚注

  1. ^ Linnaeus, C. & L. Salvius. 1758. Systema naturae per regna tria naturae :secundum classes, ordines, genera, species, ... v. I: 627. Holmiae :Impensis Direct. Laurentii Salvii, 1758-1759.

参考文献

  • 武田正倫,『原色甲殻類検索図鑑』,1982,北隆館,東京

外部リンク


シマイシガニ (Charybdis feriata)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/27 14:08 UTC 版)

イシガニ」の記事における「シマイシガニ (Charybdis feriata)」の解説

大阪などではトラガニとも呼ばれる甲幅12cmほどで、イシガニよりも大型全身に毛がなく、甲羅藍色の地の中心に白っぽい十字模様両脇にも太い縞があり、名のとおり特徴的な模様をしている。鋏脚と脚には網目模様がある。南日本を含む西太平洋インド洋沿岸域広く分布しイシガニよりもやや深い海域生息する食味イシガニとは一味違う甲羅中央の十字模様十字架連想させるのでキリストガニと呼ぶ地域もあるが、西洋諸国では敬遠されている。

※この「シマイシガニ (Charybdis feriata)」の解説は、「イシガニ」の解説の一部です。
「シマイシガニ (Charybdis feriata)」を含む「イシガニ」の記事については、「イシガニ」の概要を参照ください。

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