おもな被害
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/12 05:11 UTC 版)
詳細は「ソマリア沖にて海賊に襲撃された船舶の一覧」を参照 2005年6月と10月、インド洋大津波被災に対する支援物資を運ぶ国連のチャーター船が乗っ取られた。 2005年11月、バハマ船籍の客船がロケット弾などの火器による攻撃を受けた。 2008年4月、フランス船籍の豪華帆船がアデン湾で乗っ取られた。 2008年8月には2日間で3隻が乗っ取られる事態も発生した。 2008年9月25日、T-72戦車33輌、武器弾薬などを積載したベリーズ船籍のウクライナ貨物船「ファイナ」が乗っ取られた。(多額の身代金により解放) 2009年4月7日、米国船籍のコンテナ船「マースク・アラバマ号」が海賊に襲われ、船体は船員の手により奪回したが、船長は身代金目的に拉致された。この事態にバーレーンの米第5艦隊司令部は、人質となった船長の救出に向けて駆逐艦を現場水域に派遣。2009年4月12日、人質になっていた船長を救出するとともに、海軍特殊部隊員が海賊3人を射殺、交渉相手の犯人の1人を拘束した。同国では約200年ぶりに海賊事件の裁判が開かれ、2011年2月、犯人に対して禁固33年9か月の判決を言い渡した。弁護側は被告が18歳ではなく15歳だとして少年として裁判を受けられるように主張、検察側は18歳で成人だとしていた。 2009年10月19日、中国人乗組員25人の中国籍のばら積み貨物船「徳新海」号、ソマリア沖のインド洋で海賊に乗っ取られた。この船は20日、ソマリア沖に向けて航行していると、欧州連合の海賊対策部隊が確認した。また、ロイター報道によると、電話取材に答え、救助作戦が行われた場合、中国人乗組員25人を殺害すると警告した。このことから、中国海軍はまだ、現場海域を制圧していない。電話封鎖も実行できていないことが推測される。 2009年10月22日、「武力行使」による人質救出作戦をとるべきだとの声が高まっていると香港紙・明報が伝えた。身代金を払うと襲撃が続くことが予想されるので、中国海軍の対応が注目される。(身代金を払わなかった)アメリカ船籍への襲撃は、2009年4月7日の米国船籍のコンテナ船「マースク・アラバマ号」のあとは報道されていない。結局、「徳新海」の人質25人は2010年春までに解放された。 2009年10月31日 インド洋のセーシェル沖をヨットで航行していた英国人ポール・チャンドラーとレイチェル・チャンドラー夫妻が海賊に拘束される。海賊側は身代金として、約700万米ドル(約6億3000万円)を要求したが、英政府は海賊に屈服せず、身代金も払わないとの方針を示した。11月21日には、2人が身代金の支払いを嘆願する声明が報道されたが、英国政府は(身代金を払えば、海賊の襲撃が続くので)交渉を拒否する声明を出している。その後、消息は途絶えたが、2010年入ると地元ジャーナリストがソマリアの農村部で海賊の立ち会いの下に2人に接触。同年に成立したキャメロン新政権に対して、犯人側は期待を強めているとした上で、交渉姿勢を明確にするよう救済を求めたが、イギリス政府は、再び譲歩を拒否する声明を出している。 2009年11月18日 ソマリア沖、米船籍の貨物船マースク・アラバマ、またも襲撃を受け民間の警備会社が応戦、撃退したと報道された。米海軍は警備には限界があり、商船の自身の警備や武装が必要だとしている。また、米国の裁判所に乗員の安全を守る義務があるとして、同船を運航するデンマークの会社が訴えられたと報道されている。 2010年3月12日 中国の漁船2隻がカメルーン・バカシ半島付近で襲撃され、船員7人が人質になった。中国サイドは身代金1万5000ドルの支払いで解決を図っているが、カメルーン政府の同意がまだ得られていないと報道された。交渉により海賊と協調する方針と推測される。 2010年4月2日米海軍は、セーシェル沖で3隻の海賊に襲撃されたタンカーを救出。イージス艦「ファラガット」が海賊船を制圧し、計11人を一時拘束。母船も撃沈した。海賊に発砲されロケット砲で威嚇されたタンカーは速度を上げ、「フレア」(火炎弾)で応戦して、救援を待ったと報道された。 2010年4月4日には、イラクから米ルイジアナへ向かう、韓国の30万トン級(積載トン数)原油タンカー「サムホ・ドリーム」が襲撃され、韓国人5人、フィリピン人19人が人質になったと報道された。2010年4月5日 韓国海軍は、事件発生地域と推定されるインド洋海域に「清海部隊」を急派した。推定される現場海域はインド洋の真ん中で、清海部隊の作戦海域のアデン湾海域から南東へ1500キロメートルほど離れていると報道された。続報はないが、封鎖して、タンカー、人質を洋上で解放する作戦と見られる。 2010年4月、ドイツ船籍の貨物船を乗っ取ろうとしたソマリア人海賊10人がオランダ海軍により拘束、ドイツに引き渡され同年11月にハンブルクで裁判が開始。同国で海賊が裁判にかけられるのは約400年ぶり。被告のうち1人は犯行当時ドイツで刑事裁判でかけられない13歳だったと主張、他の被告も年齢の確認については手段が無い。同国では最高で禁固15年の刑に処せられる。 2010年7月28日 オマーン領海ホルムズ海峡で、商船三井のタンカー「エム・スター(M・Star)」が攻撃を受けた。国際テロ組織アルカイダ系のテロ集団「アブドラ・アッザム旅団」は、英雄アユーブ・アルタイシャンが攻撃したとインターネットで犯行声明。 2011年1月28日 米政府系放送局のラジオ自由アジア(RFA)が、北朝鮮の船舶が昨年3月31日以来、ソマリア海賊に拘束されていると報道。
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