首里 地理

首里

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/06/29 14:00 UTC 版)

地理

首里城から海を望む

隆起石灰岩を基礎とする高台となっており、最高地点は弁ヶ嶽(165.6m)である。サンゴを成因とする石灰岩は雨水の透水性が高く、沖縄本島干害に悩まされてきたが、首里一帯ではその下に地下水を通しにくい泥岩層がある。このため那覇市で約120ヵ所ある湧水井戸の多くが首里に所在し、こうした水の便が王都が築かれた理由の一つと推測されている。また、泡盛の名産地となっている[3]。(後述)

地勢

海抜100メートル程度の高台となる立地を活かし、NTTドコモの首里収容局[4]エフエム沖縄新川放送所、移動無線中継局[5]などの無線送信・中継の拠点がある。なお、かつては崎山町に沖縄テレビラジオ沖縄の放送所もあった。

2006年6月12日、首里鳥堀町で大雨による大規模な地盤沈下が発生し、上部にあったマンション敷地に陥没が生じ、居住不能となった[6]

  • 高地:虎頭山、ハンタン山(~上の毛、現・首里城内)、弁ヶ岳(那覇市最高点:165.6m)、御殿山
  • 河川:真嘉比川(→安里川)、安里川、安謝川
弁ヶ嶽から撮影した首里市街のパノラマ写真

歴史

首里城正殿
大正期の首里三箇
昭和戦前期の首里市営バス

首里城を中心として政治都市として形成され、かつては那覇四町に対し「首里三平等(みひら)」と称された。首里の三平等は、の連合組織となる真和志の平等(ひら)、南風の平等、西の平等の三つを指し、真和志、町端、鳥小堀、赤平など約20の町が含まれていた。

首里市

しゅりし
首里市
首里市章
首里市章
廃止日 1954年9月1日
廃止理由 編入合併
首里市那覇市
現在の自治体 那覇市
廃止時点のデータ
日本
地方 九州地方
都道府県 沖縄県
面積 6.7km2.
総人口 20,014
(昭和25年国勢調査、1950年)
隣接自治体 真和志市浦添村
西原村南風原村
首里市役所
所在地 沖縄県首里市大中町
座標 北緯26度13分16秒 東経127度43分3秒 / 北緯26.22111度 東経127.71750度 / 26.22111; 127.71750
特記事項 廃止当時は琉球政府アメリカ軍施政権下)。合併後、1957年12月17日まで飛地だった。
旧市役所は中城御殿跡に存在し、合併後に首里支所、首里バス会社として一時利用された後、1966年に琉球政府立博物館(旧沖縄県立博物館)が建設された。
ウィキプロジェクト

首里市(しゅりし)は、かつて存在した日本。1954年9月1日、那覇市への編入合併により消滅した。

首里市の歴史

首里市に隣接していた自治体

浦添村西原村真和志村(1953年市制施行)・南風原村

地域を構成する町

町の成り立ちと変遷[9]
地域 区分 地名の旧称 現在の町名
首里
スイ
真和志之平等
マーシヌフィラ
眞和志(マーシ)村 首里真和志町(まわしちょう)
町端(マチバタ)村 首里池端町(いけはたちょう)
山川(ヤマガー)村 首里山川町(やまがわちょう)
大飩川(ウドゥニガー)村
与那覇堂(ユナファドー)村
金城(カナグシク)村 首里金城町(きんじょうちょう)
内金城(ウチカナグシク)村
寒水川(スンガー)村 首里寒川町(さむかわちょう)
立岸(タチヂシ)村
南風之平等
フェーヌフィラ
桃原(トーバル)村 首里桃原町(とうばるちょう)
大中(ウフチュン)村 首里大中町(おおなかちょう)
當之藏(トーヌクラ)村 首里当藏町(とうのくらちょう)
鳥小堀(トゥンジュムイ)村 *1 首里鳥堀町(とりほりちょう)
赤田(アカタ)村 *1 首里赤田町(あかたちょう)
崎山(サチヤマ)村 *1 首里崎山町(さきやまちょう)
西之平等
ニシヌフィラ
赤平(アカヒラ)村 首里赤平町(あかひらちょう)
上儀保(ウィージーブ)村 首里儀保町(ぎぼちょう)
下儀保(シムジーブ)村
汀志良次(ティシラジ)村 首里汀良町(てらちょう)
久場川(クバガー)村 首里久場川町(くばがわちょう)
西原間切 *2
ニシハラマジリ
平良(テーラ)村 *2 首里平良町(たいらちょう)
大名(ウフナ)村 *2 首里大名町(おおなちょう)
末吉(シーシ)村 *2 首里末吉町(すえよしちょう)
石嶺(イシンミ)村 *2 首里石嶺町(いしみねちょう)
*1 これらの地域は特に三箇(さんか)と呼ばれ、首里の中でも気性や言葉遣いの勇ましさで知られる。また琉球王朝時代に泡盛の製造を許可された地域でもある
*2 これらの地域は明治の末頃、首里区へと編入された。

  1. ^ 語彙詳細 -- 首里・那覇方言、琉球語音声データベース、琉球大学沖縄言語研究センター、2012年10月14日閲覧。
  2. ^ ただし、現在の首里・那覇方言ではスとシュの発音に揺れがある(首里・那覇方言のかな表記について、琉球語音声データベース、琉球大学沖縄言語研究センター、2012年10月14日閲覧)。
  3. ^ a b 首里 奥深き都市空間日本経済新聞』日曜朝刊「NIKKEI The STYLE」2020年9月6日(9-11面)2020年9月23日閲覧
  4. ^ かつては琉球電信電話公社(のち、日本電信電話公社(電電公社)を経て日本電信電話(NTT))の首里マイクロ波中継所があった。
  5. ^ エフエム沖縄放送所および移動無線中継局の所在地は南風原町新川だが、首里と一続きとなった丘にある。
  6. ^ 首里鳥掘のマンション地滑り 設計側の賠償確定 | 沖縄タイムス+プラス ニュース”. 沖縄タイムス+プラス. 2020年11月14日閲覧。
  7. ^ 明治12年太政官第14号布告「琉球藩ヲ廃シ沖縄県ヲ置ク」 - 日本法令索引(明治前期編)
  8. ^ 明治13年太政官第32号布告「沖縄県庁ヲ那覇ニ改定」 - 日本法令索引(明治前期編)
  9. ^ 首里古地図(東恩納寛惇文庫蔵) - 沖縄県立図書館(収蔵資料)
  10. ^ 那覇市議会事務局議会史編さん室 2011, 37-65頁.
  11. ^ 首里市 1931, 20頁.
  12. ^ 首里市 1931, 23頁.
  13. ^ a b c d e 首里市 1931, 26頁.
  14. ^ 首里市 1931, 25頁.
  15. ^ 那覇市議会事務局議会史編さん室 2011, 106頁.
  16. ^ a b 那覇市議会事務局議会史編さん室 2011, 110頁.
  17. ^ 帝国自治協会 1938, 75頁.
  18. ^ a b 都会生活研究プロジェクト 沖縄チーム、2009、『沖縄ルール リアル沖縄人になるための49のルール』、中経出版 pp. 78
  19. ^ ご利用案内 - 駅間距離”. 沖縄都市モノレール「ゆいレール」. 2011年7月30日閲覧。






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