速度表示灯
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道路運送車両法第3章の規定に基づく省令「道路運送車両の保安基準」48条において、1967年(昭和42年)8月以降の大型貨物自動車は、屋根上の正面から見てすぐ分かる位置に速度を示すランプをつけることが義務付けられた。
これは大型貨物車(大型トラック)にのみ義務付けられたものであり、小・中型トラックおよび大型バスには義務付けられていないが、それらの車両への取り付けは禁止はされていない。
概要
以下法律の抜粋を記事にするうえで一部改変したもの。
- 速度表示装置は、下表に掲げる速度で走行する場合に後に示す個数の灯火(以下「速度表示灯」という。)を自動的に点灯する構造であること。
40km/h以下(※)…1つ点灯
40km/h超60km/h以下…2つ点灯
60km超…3つ点灯 - 速度表示灯には、自動車の電源スイッチを除き、速度表示灯を容易に消灯できる手動スイッチ等を設けるものでないこと。
- 速度表示灯は、前方 100m の距離から点灯している灯火の数を確認できるものであること。
- 速度表示灯の灯光の色は、黄緑色であること。
- 速度表示灯の表示は、平坦な舗装路面での走行時において、著しい誤差のないものであること。
- 速度表示装置は、運転者が運転者席においてその作動状態を確認できる灯火その他の装置を備えたものであること。
すなわち、走行しているトラックを前から見ると、速度表示灯以下のように見えることになる。
速度域 | 点灯数 | 前方からの見え方 |
---|---|---|
60km/h超 | 3個 | 灯 灯 灯 |
40km/h超 | 2個 | 灯 滅 灯 |
40km/h以下 | 1個 | 滅 滅 灯 |
停車時 | なし | 滅 滅 滅 |
しかし、上で「※」により示した「40km/h以下で1つ点灯」であるが、点灯し始める速度について、法規上は「点灯開始速度は、技術的に可能な限り低い速度とし、いかなる場合にあっても 20km/hを超えてはならない」とある。
つまり厳密に言うと走り始めてすぐに1つ目を点灯させなければならない(そして20km/hを超えてはならない)のであるが、実際はかなり動いてから点灯する個体もあり、「20km/hで1つ目が点灯する」と誤解している人も多い。また、当時の車両に関しては球切れのまま長期間放置されているケースが多く、実際に点灯させて走っている場面を目にする機会は少ない。見た目の問題からアフターパーツのランプカバーで覆うドライバーもいる。
問題
1967年に制定されて以来、この速度表示灯の義務により、とりわけ欧米メーカーの輸入トラックにおいて弊害となった。
日本のみの法律であるため、海外製の大型トラックを日本に輸入する際、新たにこの速度表示灯を取り付けなければ保安基準を満たしていないと判断され、認可が下りなかった。そのため速度表示灯を取り付けるためにデザインの変更と改造費用がかかることとなった。
またこれは、パッと見ただけでは分かりにくい車両の速度を、視覚的・直感的に(大まかではあるが)分かりやすく見分けられるために取り入れた制度ではあったが、運転免許講習を受けていない一般人には速度表示灯の持っている意味すら知らない者が多かった。
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