【MiG-19】(みぐじゅうきゅう)
MiG-19ファーマーはソビエト連邦で初の超音速戦闘機で1950年代から開発が開始、1956年には量産化が開始された。
性能については当時西側の同世代であるF-100スーパーセイバーよりも機動性は高かったが、航続距離は短く防空用の「局地戦闘機」として使われる場合が多い。 なお、機動性の高い秘密は主翼の構造で、アスペクト比が大きい点と大型後退翼が付いた点の2点の組合せが高い機動性を生み出している。
機動性の他にも整備性が高く、パーツも少ないため通常時での整備時間が非常に短い。しかし、600時間の飛行でオーバーホール(ちなみにトーネードは1,200時間でオーバーホール)をしないといけないと言う欠点も持っている(エンジンに付いては100時間の飛行で交換、トーネードは600時間)。
量産の方は約2,000機が生産され、旧ソ連以外にも中国・ポーランド・旧東ドイツ・エジプト・シリア・ルーマニア・ブルガリア・キューバ等に輸出された。中国では殲撃6として改良型をライセンス生産し、1970年代まで量産を行なっている。
また、実戦でもゲーリー・パワーズ事件・プラハの春・第三次中東戦争・第四次中東戦争等に参加し、特にベトナム戦争では当時新鋭機であるMiG-21フィッシュベットより撃墜数が多く、米軍パイロットからもMiG-21より脅威とされていた。第2次印パ戦争でもパキスタン軍のF-6(殲撃6の輸出型)がインド軍のホーカー・ハンター・ミステール・フォーランド・ナット・Su-7フィッターを多数撃墜している(同戦争中にF-7PGと代替で退役)。
撃墜の多くは機関砲(NR-30 回転砲身式30mm機関砲×3門)によるもので、標準装備のRS-1-U(AA-1アルカリ)ビームライディング誘導空対空ミサイルやR-3S(AA-2Aアトール)赤外線誘導短射程空対空ミサイルは殆ど使用していない。
現在では1990年代にキューバがMiG-19を退役させたため、純粋なMiG-19の運用国は無い。
しかし、殲撃6は中国や北朝鮮を初め、今でも多くの国が運用している。
スペックデータ(MiG-19S)
乗員:1名
全長:12.54m
全高:3.89m
全幅:9.00m
翼面積:25.00㎡
空虚重量:5,447kg
最大離陸重量:7,560kg
燃料搭載量:1,800リットル
発動機:ツマンスキー製 RD-9Bターボジェットエンジン(出力3,250kg)2基
最高速度:1,452km/h
航続距離:1,390km(通常)/2,200km(外部タンク使用)
上昇力:3,333m/min
最大搭載量:17,500m
固定武装:NR-30 30mm機関砲×3(携行弾数70発×2、55発×1)
兵装:ORO-57Kロケット砲×4(翼下と燃料タンク搭載位置に各2門装備、S-5ロケット弾8発搭載)、250kgまでの爆弾を各位置に搭載可能。
MiG-19の主な種類。
- MiG-19
少数生産・配備された初期型。
のちの派生型に比べ、垂直尾翼が小型であるなど多くの相違点がある。
緊急に量産化されたため、性能上不満足な点が多かったとされる。
武装は、NR-23 23mm機関砲3門を搭載。
- MiG-19F
RD-9Bエンジン搭載型。
- MiG-19S
本格的な生産型で昼間戦闘機型。
武装は、当初はNR-30 30mm機関砲3門及び57mmロケット砲のみであったが、のちにR-3(K-13、AA-2Aアトール)赤外線誘導空対空ミサイル2発を運用できるよう改修された。
後期型は、MiG-19SFと呼ばれる。
- MiG-19SF
後期型。RD-9BFエンジンを搭載する。
- MiG-19P
イズムルート・レーダーを搭載する迎撃戦闘機型。
後にR-3(K-13、AA-2Aアトール)短射程空対空ミサイルを搭載出来るよう改修され、MiG-19PTになった。
- MiG-19PT
R-3(K-13、AA-2Aアトール)短射程空対空ミサイルを搭載出来るよう改修した型。
- MiG-19PF
30mm機関砲×2門とRD-9BFエンジンを搭載する迎撃戦闘機型。
- MiG-19PM
イズムルート・レーダー搭載型。
武装は、RS-1/RS-2U(K-5)ビームライディング・コマンド誘導ミサイル4発のみ。
MiG-19Pとは垂直尾翼の大きさが異なる。
しかし稼働率は非常に悪い。
- Mid-19SV
- MiG-19PFM
レーダーとAAM×4基を搭載する迎撃戦闘機型。
MiG-19 (航空機)
(MiG-19 から転送)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/01/20 13:41 UTC 版)
MiG-19(ミグ19;ロシア語:МиГ-19ミーグ・ヂヴィナーッツァチ)は、ソ連初、世界では二番目の超音速戦闘機である。MiG-19はミグ設計局によって防空軍向けの迎撃戦闘機として開発されたが、さらに高い性能を持つSu-9などが実戦配備に就くと、前線戦闘機(制空戦闘機)として空軍にも配備された。その他、各国へ多数が輸出された。北大西洋条約機構(NATO)の使用するNATOコードネームはファーマー (Farmer)。
- ^ 『週刊ワールド・エアクラフト』91号、デアゴスティーニ・ジャパン、2001年7月10日発行 (日本語)
- 1 MiG-19 (航空機)とは
- 2 MiG-19 (航空機)の概要
- 3 概要
- 4 運用国
- 5 スペック (MiG-19S)
- 6 外部リンク
MiG-19 (МиГ-19)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/09 00:06 UTC 版)
「MiG-19 (航空機)」の記事における「MiG-19 (МиГ-19)」の解説
少数生産・配備された初期型。他の派生型に比べて垂直尾翼が小型であるなどといった相違点がある。量産化が急だったために性能上不満足な点が多かったとされる。武装は23 mm機関砲NR-23が3門。
※この「MiG-19 (МиГ-19)」の解説は、「MiG-19 (航空機)」の解説の一部です。
「MiG-19 (МиГ-19)」を含む「MiG-19 (航空機)」の記事については、「MiG-19 (航空機)」の概要を参照ください。
- MiG-19のページへのリンク