9代目 FB型(2011年 - 2015年)
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「ホンダ・シビック」の記事における「9代目 FB型(2011年 - 2015年)」の解説
9代目シビックは2010年の投入が予定されていたが、市場動向の変化やアメリカの燃費規制の強化などにより、大型化する予定だったボディサイズの見直しなどの商品設計の変更が行われ、販売が2011年に延期される旨、報道された。。2010年12月14日には、9代目シビックのデザインコンセプトモデルを2011年1月の北米国際自動車ショーに出展することを発表した。同時に、2011年春に北米で発売する予定も発表された。 2011年4月20日、ニューヨーク国際オートショーで市販車両が発表され、同時にアメリカでの販売が開始された。モデルは大きく分けて、ガソリン車、低燃費ガソリン車「HF」、ハイブリッド車、スポーツ車「Si」、CNG車「ナチュラルガス」の5種類が設定されている。また、この代から海外専売モデルとなった。 ボディサイズは先代と比較し、全長がわずかに短くなったが、全幅と全高はほぼ同一であり、エクステリアデザインはクリーンで流れるような「ワンモーション」、「モノフォーム」デザインで、スマートでエアロダイナミックにという先代のコンセプトをより洗練させている。Aピラーの傾斜を強めたことにより空力が向上し、またより細くすることで視認性を向上させた。ボディへの高張力鋼板の使用率は先代の50%から55%に向上し、10%の剛性アップや車両重量の7%の軽量化に寄与している。安全装備として、モーションアダプティブEPSやVSAが全車に標準装備された。 インテリアでは「スマートインターフェイス」アプローチにより、計器類は重要性の高いものをドライバー目線の高い位置に、重要性の低いものを下に配置し、エアコン、オーディオなどのスイッチ類もグループ化して配置した。5インチLCDを持つ「i-MID」(intelligent Multi-Information Display)は、ベースグレードの「DX」以外に標準され、様々な情報を表示する。低燃費運転を支援するエコアシスト機能は「Si」以外に標準装備され、アメリカではハイブリッドモデル以外では初搭載となった。室内は先代より容積も増え、前席のショルダールームや後部座席のレッグルームが広がった。下位グレードのオーディオは160w 4/6スピーカー、上位グレードは360w 7スピーカーのシステムで、両方ともストレージをつなげるUSB端子が装備される。 ガソリン車のグレードは「DX」、「LX」、「EX」、「EX-L」の4種類あり、搭載されるエンジンは、デュアルステージインテークマニホールド付きの4気筒 SOHC 1.8L i-VTECで、最高出力140hp/6,500rpm、最大トルク173Nm/4,300rpmを発生する。組み合されるトランスミッションは、5速ATと5速MTの2種である。AT仕様の燃費は、アメリカ合衆国環境保護庁(EPA)規格の市街地/高速道路/複合の各モードで、28/39/32mpgとなっている。 低燃費、ハイバリュー仕様である「HF」(High Fuel-economy)は、「LX」と「EX」の中間と位置づけられ、エンジンは標準ガソリン車と変わらないが、トランスミッションは5速ATのみで、専用15インチ軽量アルミホイールや専用スポイラーが装着され、さらに専用空力パーツで空力を向上させるなどにより、EPA高速モードの燃費が39mpgから41mpgに向上している。 ハイパフォーマンスモデルである「Si」は、先代から排気量がアップされ、4気筒 DOHC 2.4L i-VTECエンジンが搭載される。最高出力201hp/7,000rpm、最大トルク230Nm/4,400rpmで、先代より馬力は4hp、トルクは42Nmアップした。トランスミッションは6速MTのみで、ヘリカルLSDが装備される。「Si」の装備として、エクステリアではフォグライト、スポーツサスペンション、17インチホイールと215/45R17タイヤ、センターLEDブレーキランプ付きボディ同色トランクリッドスポイラー、クロームエギゾーストテールパイプなどがあり、インテリアでは計器上段に独自のレブリミットインジケーターがあり、6つのライトでシフトタイミングを知らせる他i-VTECの切り替えで光るエンゲージライトもある。i-MIDにはパワーメーターと呼ぶエンジンのステータスなどを表示する機能が追加され、その他アルミシフトノブ、アルミペダル、赤刺繍スポーツシートなどが専用装備となる。 CNG車は先代までの「GX」から「ナチュラルガス」に名前が変更される。エンジンはガソリン仕様と同様の4気筒 1.8Lであり、最高出力110hp、最大トルク143.5Nmで、先代と比較して4,000rpm以下のトルクが向上し、燃費も向上している。天然ガス対応のためフューエルインジェクター、インテークバルブ、エギゾーストバルブ、バルブシートなどが専用仕様となり、圧縮比はガソリン仕様の10.6から12.7に高められており、強化コンロッドや専用ピストンが適用される。生産はインディアナ工場(HMIN)、カナダアリストン工場で行われ、天然ガス仕様はインディアナ工場のみで生産される。2012年モデルは、2011年11月のロサンゼルスオートショーにおいて、アメリカの自動車誌『グリーンカー・ジャーナル』の編集者らが選ぶグリーンカー・オブ・ザ・イヤーに選定されたことが発表されている。 中国では2011年9月16日、成都モーターショーにて発表され、10月29日から発売を開始した。 韓国向けは、2011年11月3日にホンダコリアによって発表され、1.8Lの「LX」と「EX」、そして「ハイブリッド」の計3種が発売される。 2012年2月オーストラリア市場に新型が導入。先代同様4ドアセダンはタイ工場から輸入し、5ドアハッチバックはイギリスから輸入された車両を販売している。先代同様イギリス製造の車両はISO規格に準じているため、ライトスイッチが左側で、ワイパースイッチが右側の配置となっている。 日本向けは、当初2012年に発売が予定されていたが、2013年秋に予定されているフィットのフルモデルチェンジの際にセダンが追加されるため、日本では発売される可能性はなくなった。なお、このセダンについては、翌2014年12月にグレイスとして発売された。 シビックはアメリカの小型車市場の販売台数で首位となっている。また、米国道路安全保険協会の安全テストで、ボルボ・XC60とともに最高点を獲得した。 2013年モデルでは、モデルライフ2年目にしてビッグマイナーチェンジを受けた。セダンはエクステリアデザインが一新されており、ホンダはより若々しくプレミアム感を向上させたとする。フロントは大開口低重心のワイドバンパーや新デザインのボンネット、ハニカムグリルを採用。リアもバンパーやトランクリッド、テールランプが変更された。EX、EX-Lモデルでは新デザインの16インチホイールが採用された。 内装では新トリコットヘッドライナーなど、よりソフトな素材を多用、質感を向上させた。サスペンションやステアリングのリチューンや、ライドコンフォート性能の向上、室内静寂性の向上も行われている。安全面では新世代の衝突安全ボディであるACE II(Advanced Compatibility Engineering II)を採用した。フロントサイドエアバッグでは新たに過剰なエアバッグの展開圧力による乗員の負傷リスクを減らすSmartVentが採用された。シビックハイブリッドでは前方衝突警報(FCW)や車線逸脱警報(LDW)を標準搭載した。ブルートゥースハンズフリーリンクやリアビューカメラ、Pandoraインターフェイス、SMSテキストメッセージ機能、ステアリング・ホイールオーディオコントロールが全モデル標準装備となった。 クーペモデルのエクステリアの変更点はないが、翌年にフロントフェンダーのプレスが丸みを帯びたものに変更された。 標準装備の大幅強化にもかかわらずメーカー希望小売価格は160ドルの値上げに抑えている。 2014年モデルでのマイナーチェンジにより、ガソリン仕様の5ATがCVTに置き換わった。5ATよりレシオレンジは22%拡大、EPA燃費は市街地で2mpg、総合で1mpg向上、HFモデルでは高速モードも1mpg向上している。7インチタッチスクリーンコントローラーや広角ドラミラー、ブラインドスポットディスプレイLane Watchなども標準、オプション設定された。ナチュラルガスモデルではレザートリム仕様が追加された。 南米仕様 フロント 南米仕様 リア シビッククーペ フロント シビッククーペ リア 2013年モデル リア 2013年モデル リア
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