風致地区とは? わかりやすく解説

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ふうち‐ちく【風致地区】

読み方:ふうちちく

都市計画法定められ地域地区一つ都市自然景観維持するため、建築宅地造成などに一定の規制設けられている。


風致地区

都市の自然の風致おもむきあじわい)を維持することを目的として都市計画区域内に定められ地区いいます同地区では,都市計画法58条及び風致地区内における建築物等規制に関する条例により,建築物新築改築増築宅地造成木竹伐採などの行為について,知事許可が必要とされています。

風致地区 (ふうちちく)

 都市計画法に基づく地域地区一種都市風致維持するために定められる。この地区は、都市における「自然地保全」と「風致豊かなまちづくり」の2面大きな役割果たしてきたが、他の緑地保全制度とは少し異なり自然地等を含んだ良好な市街地形成土地利用誘導する土地利用コントロール制度であることに特色がある。風致地区の指定地としてふさわしい土地区域は、自然の景勝地公園沿岸、緑豊かな密度住宅地などである。

風致地区

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/03/15 13:22 UTC 版)

風致地区(ふうちちく)とは、1919年大正8年)に制定された都市計画法で、都市内外の自然美を維持保存するために創設された制度である。指定された地区では、建設物の建築や樹木の伐採などに一定の制限が加えられる。「風致」とは「おもむき、あじわい、風趣」の意[1]

概要

制度としては、1926年大正15年)に、東京の明治神宮周辺地区が初の風致地区に指定され[2][3]、その考え方や、指定基準、運用方法等が整備された。また、同年に設立された都市美協会が翌1927年昭和2年)提案した「都市の風致及び美観の件」などで徐々に浸透が進み、1930年昭和5年)には京都府東京府(当時)で風致地区の指定がなされ、その後、全国各地に広がりをみせた。

戦中、戦後から高度成長期にかけては停滞期が続いたが、鎌倉市による古都保存運動を契機に成立した古都保存法1966年)、建設省通知による風致地区基準の明示(1970年)、文化財保護法改正(1975年)など法的整備に加え、住民運動の高まりもあって、風致地区条例を制定する地方自治体が再び増えてきた。

1980年代以降は、「まちづくり」、「環境問題」等もふまえ、より広がりのある景観条例制定の動きが進んでおり、特に、2004年平成16年)制定された景観法は景観条例の法的裏付けとなるものであり、今後の風致地区の展開にも影響を与えるものと見られる。

問題

法律や条例によって、建築など一連の土木行為や、樹木の伐採植樹などに、様々な制限が加えられるため、土地や建築物などの有効活用を図りたい地権者やデベロッパーらと、風致賛成側の住民および自治体側らの間で、軋轢が発生することもある[4]。 また、歴史ある建造物が多く残る土地では開発が進みにくい場合もある。例として京都市内は三方を山に囲まれており、山間部は戦前から風致地区に指定されているため、開発が郊外に普及しづらく、恒常的な用地不足になりやすくなっている。そのための苦肉の策として小学校や古い旅館、料亭跡地の建物を利用した建設案件が増加している[5]。四日市市でも太陽光発電施設の建設計画が浮上していたが、住民らから景観面や災害面で懸念する声が上がり、自然の景観を守るため風致地区での開発行為の規制を強化する方針を決めており、土地造成の際の緑化率を高めることで開発を抑制したい考えで、関連条例の改正を目指しているようである[6]。このように様々な地域で問題が発生している。

脚注

  1. ^ 広辞苑
  2. ^ 「緑確保の総合的な方針」学識経験者等検討委員会 (2009年12月) (pdf), 「緑確保の総合的な方針」学識経験者等検討委員会報告書, 東京都都市整備局, p. 49, http://www.toshiseibi.metro.tokyo.jp/seisaku/midori_kakuho/houkoku.pdf 2015年6月2日閲覧。 
  3. ^ 国土交通省都市局 (2014年3月31日), “風致地区の指定状況” (pdf), 都市緑化データベース (国土交通省都市局): p. 3, https://www.mlit.go.jp/crd/park/joho/database/toshiryokuchi/download/pdf/fuuchi.pdf 2015年6月2日閲覧。 
  4. ^ 風致地区制度 - 東京都建設局
  5. ^ 5.変わる街並み(下)京都、ホテル活況に潜む影――低中価格、新設投資鈍る(データでみる関西)『日本経済新聞』2020年1月9日
  6. ^ 6.四日市・四郷 風致地区規制強化へ 太陽光発電計画相次ぎ『読売新聞』中部版、2019年12月19日

参考文献

  • 5.変わる街並み(下)京都、ホテル活況に潜む影――低中価格、新設投資鈍る(データでみる関西)『日本経済新聞』2020年1月9日
  • 6.四日市・四郷 風致地区規制強化へ 太陽光発電計画相次ぎ『読売新聞』中部版、2019年12月19日

関連項目


風致地区

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/26 13:59 UTC 版)

千波湖」の記事における「風致地区」の解説

そのひとつは千波湖周辺都市計画法下での風致地区として指定していることである(図「風致地区概略図(2019年9月3日閲覧時)」)。その風致地区の名称は「千波風地区」で、その区域には千波湖全域含まれている。「千波風地区」の歴史以下のとおり1933年3月9日偕楽園千波湖一帯256町歩(約254ヘクタール)を「千波風地区」として指定することが都市計画茨城地方委員会第4回委員会議決された。その理由千波湖干拓事業完成により開発が進むことが予測されるこの一帯景観保全するであった水戸市1919年制定都市計画法(旧)下において、1928年都市計画法施行となっており、適用地の決定等様々な事を審議決定するのが都市計画茨城地方委員会であった。千波風地区は、3月都市計画茨城地方委員会議決後は翌4月に国により風致地区の指定認可された。 1974年2月25日、千波風地区から千波町梅香町奈良屋町一部削除することが告示昭和49年2月25日茨城県告示137号)される。これにより面積が245.9ヘクタールとなる。 1976年3月31日、千波風地区変更告示昭和51年3月31日茨城県告示351号)され、面積が308.6ヘクタールとなる。 2015年4月1日、「水戸市風致地区条例平成26年12月22日水戸市条例52号)」が施行され波風地区を含む水戸市内の風致地区の保全方針規制定められた。この水戸市条例施行前は茨城県内の風致地区での建築等の行為規制茨城県条例茨城県風致地区内における建築行為等の規制に関する条例昭和45年1970年茨城県条例第20号)」により定められていたが、「地域自主性及び自立性高めるための改革の推進を図るための関係法律の整備に関する法律第2次地域主権一括法)(平成23年2011年法律105号)」の成立2011年8月26日)により風致地区内での規制等の権限市町村委譲されることとなったため、県条例2012年12月27日廃止され経過措置の後、2014年12月26日に「水戸市風致地区条例」が公布2015年4月1日から施行されている。この水戸市風致地区条例規定により、水戸市内の各風致地区では景観風致維持に関する保全方針定められており、千波風地区では以下の方針規定されている。 千波湖桜川沢渡川などの水辺地、桜川緑地はじめとする緑地調和した景観斜面地及び一団斜面樹林地調和した景観常磐公園偕楽園好文亭)をはじめとした歴史的資源調和した景観千波湖中心とした眺望景観また、波風地区は「地域における歴史的風致の維持及び向上に関する法律平成20法律40通称:歴史まちづくり法)」に基づき水戸市2010年2月4日に国(国土交通省)に認定された「水戸市歴史的風致維持上計画」における重点地区水戸市歴史的風致保存形成区域」1160ヘクタール範囲内に、その全域市内弘道館備前堀保和苑等と共に含まれており、都市計画法合わせ景観風致保全整備なされている(図「重点地区水戸市歴史的風致保存形成区域」と風致地区の範囲図(2019年4月時)」)。

※この「風致地区」の解説は、「千波湖」の解説の一部です。
「風致地区」を含む「千波湖」の記事については、「千波湖」の概要を参照ください。

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